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#14 愛国心か、対抗心か

前までは、自分はどこでも生きれる人間だと偉そうに話していた。地球上どこでも、私は順応していけると。実際、今でも心のなかでは、多分そうだろうと思っている。だけど周囲の人間には、「私には日本が一番合ってるみたい」「ヨーロッパには住めない」と言う。実際は住めないんじゃなくて、周囲のヨーロッパ人に意地を張っているだけ。ヨーロッパ人の言葉の節々に何処か、「自分の住む場所以上にいい場所など無い」「君たちも僕らの住んでいる地域に来ればきっと自分の国に戻りたくなくなるよ」という姿勢を感じて、ひたすらイライラしているのだ。反骨精神で、「は?私も実家が一番ですけど?」「普通に日本文化最高ですけど?住みやすいですけど?」と言い返してしまいたくなる(てか優しく言い返してる)。実際は大半の人が「自分の国が一番」と思っているのだろうから、いちいち食って掛かるなんて非常に子供じみてると思う。むしろ、そうやってムキになっている自分こそ結構ヨーロッパの生活を楽しんでいる。正直になろう、多分私はこっちの生活も合っている。でも、それでも、何かのタイミングで日本の良さに気づくとき、「やっぱ日本良かったなぁ」としみじみしてしまうのだ。無駄に膨張した愛国心はもうフランス人さながら。はあ、愛国心を変な方向に走らせずに、きちんと捉え直して、むしろ良い形に昇華させたい。というか、今の私に芽生えているのはただの対抗心だから、それをやめたい。他の国と比較したりなんかしなくても「自分の国が好きだな」と思えるなら、それこそがきっと紛れもない愛国心だ。そんな愛国心を手に入れたい。それができれば、この留学にも意味があったと言えるだろうから。

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