ドイツのクリスマスを思い出す
ご存じの人もいるかもだけど、私は中学二年から三年の二年間をドイツ、ミュンヘンで過ごしました。
どこだそれって思う人も多いかもしれないけど、サッカーチームのバイエルンミュンヘンは結構有名だし、BMWもミュンヘンに本社があるよ。
日本でもよく夏に開催されるオクトーバーフェスト(ビール祭り)のモデルにしてるのはたぶんミュンヘン。
まあ日本のと違ってビールに屋台に移動遊園地とものすごい派手でにぎやかなんだけど。
そんなミュンヘンのクリスマスを紹介しようと思う。
最初に驚いたのは、ドイツにサンタさんはいないということ。
私たちが想像する赤い帽子、洋服に白髭をたくわえた恰幅のいいサンタさんはいません。
代わりに聖ニコラウスというすごい威厳のあるおじさまと、クリストキントという天使が登場。
聖ニコラウスはサンタさんの元ネタで、ドイツでは亡くなった12月6日を聖ニコラウスの日としています。
この日には、「いい子には」小さなプレゼントがもらえます。お菓子とか。
めちゃくちゃ聖人ぽい聖ニコラウスは、結構おどろおどろしいものを引き連れてたりします。
Knecht Ruprechtという黒いサンタと呼ばれる人なんですが、なぜかミュンヘンではKrampusという怪物に変異。
悪い子にはお仕置きをするドイツ版なまはげ的な奴なんですが、結構残酷。
(lonely planetより)
ほらね。子ども泣くよ。
クリストキントは、日本でいうサンタさんの役割をする天使です。
名前の通り、キリストの子どもの容姿が元ネタらしいのだけれど、完全に女の子なのよね・・・。
さあ、ミュンヘンで有名なのは、クリスマスマルクト。
旧市庁舎の前にある広場、MarienPlatsには、たくさんの屋台とオーナメント、クッキー型の店が立ち並び、そこから延びる大通りでも、Glühwein(グリューワイン)を提供する店が軒を連ねる。
気候はほぼ北海道と同じなので、早くて九月で雪が降る。
そんなところなので、アルコールとスパイスで身体を温めようというのは実に理にかなってるね。
ちなみに、Glühweinを飲めない子どもは何を飲むかというと、Glühweinからアルコールを飛ばした
Kinderpunsch(キンダープンシュ 和訳:子どものパンチ酒)という飲み物を飲む。
こうして子供のころからワインの味に親しんでいるのね。
Glühweinを売ってるお店は、それぞれのお店で作り方も違うので、味も違えば提供するカップも違う。
もし、本場ドイツのクリスマスを経験することがあったら、Glühweinの飲み比べと、かわいいマグカップ集めを楽しんでみて。
そんなクリスマスマルクトは、開催が11月下旬から12/24日午前中まで。
クリスマスは日本でいう大晦日のような雰囲気が漂うので、年の瀬感がすごかった。
24日の午前中で基本的にどんな店も閉まる。
ちなみにミュンヘンにはコンビニらしきものはほぼないので、この日までに食料を買っていない=死です。
(約10年前の話なので今はどうなってるのかわかんない)
じゃあそんなすべての店が閉まった24日の午後から何をするかというと、もう家族で家にこもります。
私は集合住宅に住んでたんですが、隣の家族が讃美歌を歌っているのが聞こえてきました。
ヨーロッパって感じ~!
クリスマスケーキなんてものは食べません。あんなの日持ちしないし。
だいたいシュトーレンという(最近KALDIとかにも売ってる)結構重めのパウンドケーキみたいなやつを、うすーく切りながら食べます。
ほぼ保存食だね。
あとクッキーとか。
テレビはクリスマススペシャルの音楽番組だらけ。
音楽番組はバンドとかの若者が好きなやつじゃなくて、基本的にクリスマスソングとか讃美歌を有名な歌手が歌うやつ。
無駄に豪華な演出でお送りします。セットに雪とか降らしちゃう。
ああ、また行きたくなってきたなあ!
クリスマスマルクトは、今年コロナの影響で開催していないようですが、
そんなヨーロッパの厳かなクリスマスに思いを馳せてみるのもいかがでしょうか。
クリスマスはおうちで過ごそう!
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