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おもちゃのクローゼット。


むかいあうのなら、晴れた青い空の日がいい。
窓を開けて、寒いから少し暖房をつけて。パジャマからあまり変わらないけど、ジャージに着替えて気合をいれる。

1年分のわたしをつめこんだクローゼットに向かい合うのは今日がいちばんいい。

ほこりと一緒にはらうのは、日々ためこんでた小さなクヨクヨとかモヤモヤでもあるし。

可燃ゴミと一緒にまとめていくのは、割りきれなかったことや抱えきれなかったこと。

きれいにふいていくのは、磨きたいこれからのこと。

自分のうごく音だけがひびく。こんなときには、音楽も聞かないのだ。

ようやく見えてきたクローゼットの空間とは反対に、埋めつくされていくフローリングに苦笑いした。

***

1年ぶりのぽっかりと空いたクローゼット。
あんなにパンパンだったときがウソのよう。この広く空いている空間は、大切なものたちであっという間に埋まっていく。

埋めていくのならいい。
埋もれてしまわなければいいのだ。

奥に落ちてたくつ下とか。探していた片方のイヤリング。もうないと思ってたストック品。買ったままのマフラー。積まれたままの本。
でてくるものは、自分で買ったものなのにね。

クローゼットをきれいにしてから、ひとつひとつ戻していくとき、ふと頭をよぎった。

魚座は、おもちゃ箱みたいなものが好き。
整理してしまったものを二度とみない。
そんな本のフレーズを思い出す。

おもちゃ箱ってどんな感じなのだろうとおもっていたのだけど。
好きなものがいっぱい詰め込んであるのが、きっとおもちゃ箱なんだろうな。

おもちゃ箱のようなクローゼット。乱雑さもあるのだけど、その好きなものがいっぱいっていうのがいいなって片付けながらおもう。

好きなものでいっぱいだから、ちゃんと整理しておきたいなって。こうやってきれいにするのだろうな。
今日はここまでと暗くなりはじめた空をみる。
ちいさな整理が落ち着くまでは数日かかるけど、年内には終わるのだろう。

1年分のクローゼットをきれいにして。
新しい風が吹くようにすっきりとさせる。

扉を開くたびに、好きなものでいっぱいのこの空間からわたしはチカラをもらえるように。
ありがとうね、来年もよろしくね。

そう言える年の瀬っていいな。


いつも読んでくださり、ありがとうございます♡