胸はずむストーリーは、突然に

誰にもいわないけど、今日のわたしはちょっとワクワクしてる。

いつもと変わらずにむかえたお休みあけの日。また、いつも通りの毎日のはじまりだけど、胸がはずんでる。

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のほほんと生きているからか、お休み明けの日もあんまりキライじゃない。すごくいいおうちに住んで、すごくいい職場、何にも困ってない…わけではない。

でも、目覚ましをかけなくていい日は、5日間いけばあるし。まぁ、いっかって。だってさ、いつでもすきなときに起きてよかったら、すぐに夜更かししすぎて体調崩しちゃうもの。ある程度、リズムをつくってくれる日があるのは良いことだ。

あっでも。ちゃんとお休みもらえるから、恵まれているんだろうな。

正直、ひつようなんてないと思ってた。友達づたいに教えてもらったサイト、お休みエンドロール。なんでも、お休み明けのつらい人たちにメッセージをくれるんだって。

だから、サイトにアクセスしたのは、気まぐれだった。退屈なお休みの暇つぶし。

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誰にもいわないけど、今日のわたしはちょっとワクワクしてる。さきほどハンコをもらった紙をみて、にやける。来週の月曜日、わたしがお休みをもらうことへの届けだ。

お休み明け、たしかにキライではなかった。でも、スキでもなかった。特に何も思わなかった。だって、そういうものだって、冷めた目でみてたんだ。

いつもの生活リズム。ルーティン化された仕事。1ヶ月のサイクルはきまっていて、わかりやすい。なんとなく、この週はこれをやるみたいなリズムで体は慣れていく。

ただ、一度そのサイクルに慣れてしまうと淡々とすぎていく。一度でもつまらないと思ってしまったら最後。それは瞬時に惰性となっていく。

それが怖くて、感じないようにしてた。

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暇つぶしにアクセスしたお休みエンドロールは、すべてを見透かされたようなメッセージ。

たまには、旅にでもでてみたら？

このサイトは、オーナメントを選ぶことでメッセージがでてくるのだけど。たまたま選んだのは、くるくるっと巻かれた貝のモチーフ。

モチーフをあらためてみてみると、ピンとくる場所があった。海のちかくのあの場所。鳥さんのサブレとかのある、電車で片道1時間のあの場所。

休日は混んでいるからとか、繁忙期だからとか、理由をみつけてしまって。なかなか行くタイミングが見極められなかったところ。行こうと思えたら、すぐに行けてしまう距離だから余計にね。

メッセージをもらってから、もし行くことができたらっと考えた。

そしたら、タイミングよく全てがあっていて。休んでも、問題ないことがわかった。これなら、気持ちよく、休みを申請できそう。

行こう！行っちゃおう！
そう決めるのに時間はかからなかった。

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さぁ、何が必要かな。仕事のあいまに考えては、ニコニコしちゃう。こんな気分、久しぶりだ。

どこに行って、何を食べようかな。

いつもの毎日のなかに突然できた楽しみに、胸はのんどんはずんでいく。そして、わたしは旅先でまたアクセスする。あのエンドロールに。