いつでも全力で一生懸命な君におくる休日。


目を覚ますと、やさしい光が窓からもれていた。ひいたままのカーテンのほんの少し向こうに大きな光があるのだろう。


何度も確認したスマホ。くるまっていたふとん。自分の手を視界にはいるところにもってきて、グーとパーをつくる。


夢見心地だけど、もう意識ははっきりしてる。上体を起こそうとお腹に力をいれると、ぐーっとお腹がなって、笑ってしまった。



1週間前にのどに違和感をおぼえてから、体調が良くなかった。病院にはいったものの、薬をのめば、けろっと治った学生時代とは違ったようだ。薬をのんでも長引いてしまい、結局週末に入る前にもういちど病院にいくはめになった。


「ついてないな。」


今週と来週は1ヶ月のなかでも山場。こんなときに体調をくずしている場合じゃないのに。


薬の順番がまわってくるまでまだかかるらしい。調べ物だけでもしとこうと、バックからちいさなパソコンをとりだす。ブックマークしているサイトにとぼうとしたら、違うものをひらいてしまった。


あっ。


画面には、お休みエンドロール。
そうだ、しばらくみていなかったなぁっ。お休みの日を楽しんでいたあのころが遠い昔のようだ。久しぶりにメッセージだけでも受け取ろうかと、そんなに悩むこともなく目についた金色のオーナメントをクリックした。

一生懸命な君なら、休むことにも全力で。


全力で休むこと。マスクの下で言葉にしていた。



ときおり、目を覚ましては時間を確認してた。あと30分だけっと目を閉じると、2時間くらい経っていた。


それでもまだ、眠りをほっするように、まぶたはゆっくり下がっていく。はやく起きなくちゃっという意識がとおくに、とおくにいって、また眠りに落ちた。



予定なら体調不良のフォローをするために出勤するはずだった休日。予定変更して、休むことにした。


もらった薬が強かったことから、結構症状がよくないんだろうなぁって気持ちよりも、お休みエンドロールの言葉が頭に残っていたほうが大きかった。


休むと決めたからだろうか、体のスイッチがきれたみたいに眠りつづけた。


まさか、夕方まで寝ちゃうなんて。


のんだ薬の副作用でもあるのだろうけど、何も食べずに、トイレにも起きないなんてここ数年なかったことだ。


起きたとき、もっとだるいかと思っていた身体は、心配をよそに軽かった。喉の違和感はなくなってきていて、なかった食欲もわいてきていた。身体の調子の良くなってきていることを実感して、睡眠が足りてなかったと実感した。


眠りつづけてしまったことへの罪悪感がないのは、全力て休むことをできたからでもあるんだろうな。


また助けられちゃったな。


バックにはいったままのパソコンをみながら、あのサイトを思い出す。


「さてと、何かたべよっと。」

軽くなった身体をのばしながら、キッチンへ。やっぱり休日っていいな、そう感じた夜だった。

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