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たぶん今年度だけで寿命が20年縮んだ/兎の中の人

※エッセイの前に出演したボイスドラマを貼らせて頂いてます。こちらもよろしくお願いします。

友人からか講師の方だったか。
過去に『自分の身の丈にあわない役は来ない』と、聞いたことがあった。
役者において自分の経験や知識などで演じることが出来る仕事しか基本的には来ないという意味だったはずだ。

ゆえに私の場合は恋愛の経験値が低すぎる上に、異性に対して苦手意識が先に出てしまう傾向があったので、いわゆる『らぶらぶなカップル』とか『恋愛ゲームや物語のヒロイン』とかそういう役は来ないだろうと思っていたのだ。
あってもツンデレ、ツンドラとか相手に対してマウントとれるキャラでないと無理だと、思っていた節もある。

さらにいうと実年齢より精神年齢が幼すぎるゆえに、『美しい大人の女性』なんてもんは持ち合わせていない。
10代の頃は「年齢を重ねたらそれ相応に大人になる」と、思っていたが、現実は残酷なことに大人になるどころか精神年齢が年々下がる一方である。

ところがである。
養成所にて収録されたボイスドラマで勝ち取った(?)役は美しく可憐な大人の女性で尚且つ、恋人に対して大好きオーラ全開で周りの目など気にせずバカップルになるという役だった。

……どうしよう。
私の中に1ミリも持ち合わせてない性格だよ。
助けてドラえもん。

残念ながら、ドラえもんは私の元に来てくれそうにないので助けを求めるのは諦めるしかないようだ。
だが、せっかくもらった役なのだがら必死に食らいつくしかない。
どんな役だってやりきってやんよー!

と、思っていたが、ない引き出しからはモノは出せない。
正直、周りのみんなの演技がうまかったので足を引っ張ているんじゃないかと不安で寝れなくなる日が続いたのだった。
とくに闇の帝王には絶対迷惑かけてるなぁって、ずっと思っていたし……。

とにかく何とかしなければと演出もやってくれていた方に泣きつき、指導を受けて役作りを見直したりもした。
他にも大人の女性らしさを即興で身に着けるために、普段の機動力重視の服から大人の女性らしい服装を身につけたり……

今思うとすごい迷走していたし、迷惑かけていた気がする。
本当にいろいろと申し訳ない。土下座ならず土下寝で謝り倒すしかない。

結局、キャラクターの登場シーンだけでなく生きてきた過程とかそういうのを考えてみたら二次創作できそうなくらいに楽しくなってきたのでいい経験にはなったし、成長は出来たような気がする。
気がするだけかもしれないが。

そういえば、『一生分の心拍数は決まっている』と聞いたことがあった。
もしそれが本当だとしたら、私の寿命は確実に縮まったに違いない。
レッスンでも何回か恋愛シュチュのをやってイケボに殺されそうになったことが何回かあったし、DBDのゲームで悲鳴をあげながらやっているんだから今年度だけで合計したら20年分は縮まったんじゃないかなと思っている。

……よくよく考えると半分以上はDBDのせいじゃないだろうか。
あれ、キラーに追われるとめっちゃ怖いし、キラーやっていても人間が恐いこと思い知らされるからなぁ。
キラー煽りとイジメ。ダメ絶対。

話は戻すが、そうはいっても人生100年の時代である。
祖母も100歳生きるんじゃないかってぐらいピンピンしているし、たかが20年短くなっても80歳までは生きられるじゃないか。
戦国時代なら「人間50年」と言われているし、50まで生きられればいいやと考えている私からしたら大した問題ではない。

それに今回のことでより演技の楽しさを知ることが出来たし、もしかしたら仕事の幅も広がるかもしれないのだ。
そうなったらこれ以上、寿命を縮めている場合ではない。
だからこそ、次からイケボにドキドキしすぎないのを目標に頑張ろうと思う。

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