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「デザイン経営」宣言の忘備録

夏休みに時間があったので、経済産業省が出した「産業競争力とデザインを考える研究会」の報告書をもう一度読み返してみました。なぜいまデザイナーが「UI・UXデザイナー」と呼ばれ始めているのか。なぜ企業がデザイン最高責任者(CDO)を置くようになったのか。

「デザイン経営」ってなんだっけ

第四次産業革命によって革新的なイノベーションが起こるようになった一方で、従来の常識や経験が通用しなくなった現在。機能や品質だけでは差別化が難しいなかで、価値を創り出しユーザーから圧倒的支持を集める企業も存在します。アップル、ダイソン、良品計画、マツダ、メルカリ、Airbnb、スリーエム、IBMなどです。

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企業は社会に向けた何らかの使命を持って経営されます。そのなかでユーザーとの接点(商品、ユーザー体験、広告etc)を心地よいものに整え、一貫した企業メッセージを発信するために「デザイン視点」が必要になる。

さらに、デザインはイノベーションを実現する⼒にもなり得ます。
非言語的表現を得意とするデザイナーは、ユーザーの潜在的ニーズを掘り起こし、事業化に繋げる可能性を秘めているからです。
「誰のために何をしたいのか?」という原点に⽴ち返ることで既成概念に囚われない新たな発想の事業をつくりだす。これが「デザイン経営」と呼ばれるものです。
デザイナーにユーザー心理への関心、事業開発の知識、ユーザー体験設計などが求められるようになったのもこんな背景があります。

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海外ではすでに多くの企業がデザイン経営の価値を理解し、実際の事業開発でデザインへの投資が活発化しています。日本は遅れている状況です。


「デザイン経営」の必要条件

デザインを重要な経営資源として活用し、ブランド力とイノベーション力を向上させる経営…これには、2つの必要条件があります。

① 経営チームにデザイン責任者がいること
② 事業戦略構築の最上流からデザインが関与すること

現在日本では、事業計画がまず立ち上がり、その下流工程としてデザイン工程が発生するケースが多い。しかしデザイン経営では、より上層からデザイン思考を取り入れイノベーションを生み出すことが推奨されています。
これが企業にCDOが増え始めた理由です。

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現在の課題として、企業がデザイン経営に積極的でないためにデザイナーがデザイン経営への参画や経験を積む場所が少ない点、デザイン経営に関わる知識(サービスデザイン博士/UXデザイン博士など)を学習する場が少ない点が挙げられます。
知識学習についてはちゃんと調べたことがないので、調査したらまたnoteにまとめてみようと思います。

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