もう消えることのない傷
最初は中学3年生の春
オーバードーズとかリストカットとかを
SNSで耳にするようになった頃。
‘’自分‘’という存在にむしゃくしゃしていた私は目立たない太ももにカッターを当てた。
最初は怖かった。
当てるだけで精一杯だった。
横に動かしてもみみず腫れになるだけで
全く心は晴れなかった。
こんなの痛いだけ、とカッターを投げ捨てた
本格的にハマったのは高校3年生の10月
受験期なのに勉強から離れたくてバイトをしまくっていたのにとにかく自分が嫌いで鬱陶しくて殺したくて、
思考から逃げるために市販薬に手を出し始めてからしばらくして
今切ったら楽になれるのかな?
最初はかすり傷しか作れなかった。
腕いっぱいにかすり傷を作るが少し経てば血も止まりかさぶたになりまっさらな腕になる、そんな傷しか作れない自分にも腹が立って仕方なかった。
高校3年生の1月
共通テストが終わった日
今までで1番多い量の薬を飲んだ。
好奇心からだった
《勢いよく切ったら深く切れるかな?》
不思議と痛くなかった
ぽたぽたというよりはたらたら?
流れ続ける血を見て興奮に近い感情が芽生えた
その日から深く消えない傷を作り続けた。
自分に対してイラつくことがあれば勢いよく切って罰を与えて怒りを抑えていた。
傷が増える度に、切らなくても満足できる日が出来るようになった。
それでもまた、深い傷を作りたい
自分自身に認められたい
そんな気持ちから今日までずっと
もう消えることの無い傷を残し続けている
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