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「公共メディア」謳うメディアに公党からの資金提供か 関係者ら告発

貧困や外国人の人権問題などをテーマに動画配信を行う「Choose Life Project(CLP)」に、立憲民主党から番組制作費として1000万円程度の資金提供があったとの抗議文が関係者から発表された。

抗議文に名を連ねるのはジャーナリストやエッセイスト、全国紙記者など4名。

事実であれば、報道倫理にもとる行為であり、立憲民主党への風当たりは強まると予想される。

問題なのは、「自由で公正な報道を行うメディアを作りたい」として視聴者からクラウドファンディングを募っていたにもかかわらず、そこに特定政党が関与し、その関係性を秘匿していたこと。

当然、特定政党の名前で番組を制作・公開することは問題ではない。

特定の思想や利益集団を排した公共のメディアを標榜していたから問題なのだ。

この事案に対して、SNS上では一部奇妙な盛り上がりを見せている。

それもそのはず。
昨年の秋、与党自民党に好意的で立憲をはじめとする野党に攻撃的な投稿を繰り返していたTwitterアカウント(Dappi)を運営する団体に自民党からの資金提供があったのではという疑惑が浮上していたからだ。

そのとき、Choose Life Projectは立憲民主党の国会議員を呼んで自民党を批判する動画を配信していた。

Dappi問題でそれでもDappi擁護をやめなかったユーザーたちにとって、今回の問題はまさに「ブーメラン案件」。

盛り上がらないわけがない。
さっそく「これはDappi問題より悪質だ」との声が方々から上がっている。

しかし、このような人たちは、常々冷静に検証することを忘れる。

だから批判の焦点がずれ、いつまでも的外れなことを言い続けてしまう。

今回の問題とDappi問題を比較してみると、両者にある最大の問題点は異なる。

Choose Life Projectは現段階では公党からの資金提供があり、その事実が秘匿されたまま公共メディアを標榜していたこと。

Dappiはデマを根拠に野党を批判、名誉を毀損した事実があること。

Dappiにもアカウントを運営する企業に与党自民党から資金提供があった疑惑が浮上しているが、いまだ疑惑の段階。

こうしてみると、両者は似て非なる問題を孕んでいることが分かるだろう。

また、問題の発覚についてもChoose Life Projectはそのプロジェクトを支援する関係者からの内部告発であったのに対し、DappiはDappiから「名誉を毀損された」国会議員が情報開示請求をして浮上した。

ここについては、Choose Life Projectの方に多少の自浄作用がはたらいたのではないかとの期待が持てる。
加えて、抗議文に対してChoose Life Projectの支援者から擁護する声はほとんどない。
この点もDappi問題と異なるところ。

本来、「こっちは○○だからより悪質」など悪質性や罪の重さを比べるのは問題の本質を見極める上でふさわしくないし、司法が判断するべきこと。

しかし、どっちが悪いか問題にすり替えて虚勢を張ろうとする人があまりにも多かったのでこのような比較をあえて行った。

Choose Life Projectについては、支援者も関係者もきっちり批判の声を上げているだけに、CLPと立憲民主党には誠実な説明が求められる。

ところで、立憲民主党は内部統制があまりにも脆い。
そんなことをしたらアンチの格好のエサになることは想像できるのに、箱根駅伝の沿道での応援をアピールする投稿がされたり、不用意な発言を繰り返したりとあまりにも杜撰。党執行部の危険感度も低いし、処分も甘い。

維新や国民民主、共産党や社民党に支持者が流れ込む日もそう遠くないのでは。

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