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作られた分断

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2019年3月の記事一覧

「作られた分断」について(米軍基地編)

2017年12月よりスタートした連載企画「作られた分断」では、みんながイヤだと思っていることを誰に押しつけるのかがテーマとなっている問題、おもに米軍基地問題、原発再稼働の問題を取り上げています。 本連載を途中から読まれる方にも理解していただけるよう、米軍基地問題、原発再稼働問題に関する基礎情報を2回に分けて掲載致します。1回目の今回は在日米軍基地をめぐる問題です。 ◇沖縄県への基地集中は1956年ごろから2019年現在、日本に存在する米軍基地の数は51。そのうちの約7割が

「お金をもらっているので反対できない」地元住民の苦悩|作られた分断#15

沖縄は四方を海に囲まれており、陸路で向かうことはできない。その地理的特性が影響しているのだろうか、デマが流布され、固定化しやすい。 「辺野古の座り込みは県外あるいは国外の人間がほとんどで、彼らは(日本の再軍備化を警戒する)中国や韓国から資金提供を受けている」、「(辺野古移設に反対する)玉城デニー氏が知事になれば、中国が沖縄を占領する」など誰でもデマだとわかるようなことがらが拡散し、固定化される。 辺野古移設に反対する座り込み抗議活動に県外や国外の人たちが多いのは事実だ。座

作られた分断:第十四部 国策の犠牲になり続けた沖縄 基地問題への無関心はこうして作られた

24日投開票を迎えた辺野古新基地建設の是非を問う県民投票は、移設反対票が賛成票を大きく上回り、あらためて「辺野古ノー」が示された。 沖縄県民投票の結果 投票率52.48% 開票率:100% ・賛成:114,933票(18.99%) ・反対:434,273票(71.74%) ・どちらでもない:52,682票(8.7%) 県知事の玉城デニー氏は移設反対票が県内有権者の4分の1を超えたとして投票結果を日本・米国両政府に通知した。結果通知を受けた日本政府は結果にかかわらず移設工事

作られた分断:第六部 諸悪の根源は日米安保

※本記事は2018年4月27日に執筆した記事を加筆修正し、再掲したものです。 沖縄県名護市辺野古の新基地建設に向けた護岸工事が着工してから1年が経った。 海岸から沖側に延びる“道”が護岸ブロック。護岸を敷き詰めれば、そのなかに土砂を埋め立ててそこを米海兵隊が滑走路として使用する=沖縄タイムス 国が進める護岸工事は、県の承認が下りたわけではない。 県の判断を無視して強行されている工事だ。 ◇「米軍が日本を守ってくれる」という幻想政府が辺野古移設を正当化するために用意する

作られた分断 第五部:「自主避難者は自己責任」発言から1年 賠償認める司法判断

※本記事は2018年3月16日に執筆した記事を再掲したものです。 7年前の原発事故で、放射能汚染の影響を避けるため子どもたちとともに県外へ自主避難した人の多くは大阪府など関西圏を新たな生活の拠点として選んだ。 昨年4月、当時復興大臣を務めていた今村雅弘は自主避難者を「自己責任」と切り捨て、賠償の対象にならないとの見方を示した。 エヴァンゲリオンのネクタイに注目が集まったが、「自己責任」と切り捨てられた自主避難者はそれどころではなかった。(時事通信社) しかし、京都地裁