マガジンのカバー画像

読書記録

92
僕が読んだ本の感想や印象的なフレーズが書いてある記事です。
運営しているクリエイター

#青春小説

#68「哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある」『この夏の星を見る』(著:辻村深月)を読んだ感想【読書日記】

辻村深月さんの『この夏の星を見る』 2023年6月30日に発売された辻村さんの最新長編作品です。 「哀しさ、優しさ、あたたかさ。人間の感情のすべてがここにある」 あらすじに書いてある言葉の通りでした。 今年読んだ本の中で一番印象的な作品になりました。 読んだきっかけきっかけはただ1つ。 「好きな作家さんの最新長編作品だから」 辻村さんの長編作品は印象に残る作品が多く、書店にあったポスターを見ながらワクワクして発売を待っていました。運良く発売日に購入して、すぐに読みま

#63『ロールキャベツ』(著:森沢明夫)を読んだ感想【読書日記】

森沢明夫さんの『ロールキャベツ』 先月に刊行された森沢さんの新刊です。 読んだきっかけ久しぶりにハードカバーの本を読みたいと思いながら書店へ。新刊コーナーを見ながら気になったのが本作でした。 森沢さんの作品は本作で初めて読みましたが、昨年、『プロだけが知っている小説の書き方』を読んでから気になっていた作家さんです。 このような方にオススメの本ですとにかく心温まる作品が読みたい 特にやりたいことがなくて悩んでいる大学生 何か新しいことに挑戦したいが、その新たな一歩が踏み

#56【ネタバレなし】『ソロモンの犬』(著:道尾秀介)を読んだ感想【読書日記】

道尾秀介さんの『ソロモンの犬』 読んだきっかけ何か強いきっかけがあったわけではなく、道尾秀介さんの作品を読みたいと思っていた中でたまたま目に入った作品が本作でした。しかし、展開が面白く、かつ考えさせられる作品でした。 このような方にオススメの本です青春ミステリーを読みたい 犬とミステリーの絡みが気になる 「人の弱さ」について考えさせられる作品を読みたい 犬や人の習性について知りたい あらすじ感想哀しみに包まれてからのラストの展開に興奮 人よりも、実は犬の方が利口

#54【ネタバレなし】『体育館の殺人』(著:青崎有吾)を読んだ感想【読書日記】

青崎有吾さんの『体育館の殺人』 青崎さんのデビュー作で、裏染天馬シリーズの第一弾。第22回鮎川哲也賞受賞作です。 ※鮎川哲也賞は、東京創元社が主催する公募の新人文学賞で、未発表の長編推理小説が対象となっている 『早朝始発の殺風景』が面白かったことで、青崎さんの他の作品も読みたいと思っていました。そして今回は、青崎さんの代表作である本作を読みました。 このような方にオススメの本です青春×ミステリーの組み合わせが気になる 本格ミステリーを読みたい 裏染天馬シリーズが気に

#37『成瀬は天下を取りにいく』(著:宮島未奈)を読んだ感想

宮島未奈さんの『成瀬は天下を取りにいく』 先月の2023年3月に刊行されたばかりの宮島さんのデビュー作。 本作の中の短編「ありがとう西武大津店」で、第20 回「女による女のためのR-18 文学賞」大賞、読者賞、友近賞をトリプル受賞しました。 ここ最近では1番かもしれないくらい、タイトル、装丁、帯文がとにかく気になった1冊です。 あらすじ感想これほど疾走感と爽快感溢れる主人公は記憶にないかも 成瀬の姿に、読んでいて元気がみなぎってきた 滋賀が気になってしょうがない?

#23『夜のピクニック』(著:恩田陸)を読んだ感想

恩田陸さんの『夜のピクニック』 2005年(第2回)本屋大賞、第26回吉川英治文学新人賞受賞作です。 青春小説の中でも人気作の1冊です。 あらすじ感想貴子や融の内面の変化、温かく熱い友人たちとの語らいに夢中になって読んでいた 今この時を大事に生きていこうと思った1冊 本作の舞台は、丸1日かけて80キロを歩く北高の伝統行事「歩行祭」。 ただ歩くだけで、外側では何か劇的な展開があるわけではありません。 主人公の貴子が行おうと胸に秘めていたある賭けも、決して衝撃を受ける