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(ベース用)ピックアップの断線と、修理を頼んだ話

先日DI比較等で録音に使ったクルーズのJBとFLの2本ですが、2020年以降の使用機会(家から持ち出しての)が無くなってしまったため、購入から手つかずになっていました。もっともFLに関して、元は同社のJB-Modern Punkと名付けられたJacoトリビュートっぽい仕様の楽器で、ウレタンコーティングのローズウッド指板がいやで、コーティングなしのエボニー指板のネックに付け替えています。

話の流れから、そちらの方を先に説明しますと、クルーズのショップへ出向いて相談したところ、ストックしてある未塗装のネック材、もちろんJB-Modern互換のエボニー指板のものを5本くらい出してきて頂いて選ばせてもらいました。3本がライン無し、2本がライン有りだったように思いますが、もちろん未塗装ですからコーティングもされていません。

ジャコ・パストリアスがサーフボード用のワックスを、古いフェンダーからフレットを抜いた指板に塗り重ねたのだったかな、詳しいことは知りませんが、そのためジャコモデルというような型が公式・非公式にコーティング有りのフレットレスで作られるようになりました。

まったく個人的な意見では、折角のフレットレスで木地が覆われているのは弾く楽しみが半減するのを、過去に樹脂製のフレットボードの楽器を使ってよくわかっていますし、実際このJB-Modern Punkでも弾き辛くすら感じていました。

見せて頂いた候補のネックで、ラインのないものはネックサイドのドットが3フレット5フレットなどの要所をライン位置で示すよう打たれており、ラインの有るものは通常のフレッテッドの位置にマークが打たれていました。結局、ネック部のメイプルの木取りがシンプルに一番美しいものを選択し、結果アンラインドの指板が付いているものになりました。

楽器とネックを工場へ送り、ペグは初めからHipshotのUltraliteを添付して送り、もちろん指板のコーティングは無しで塗装から組み込みまで行って頂いて受け取りました。しばらく使っていたのですが、ラインはやはり有った方が良いと結論し、Sleek Eliteへ預けてLuminlayでのライン入れと、それに伴うサイドポジションマークの移設を施工してもらいました。同時に発売当時にebayで取り寄せて以来、一度も装着して鳴らしたことのない、Seymour DuncanのWeather Reportという名の、ジャコ・パストリアスのレシピだというカスタムショップのPUへと交換しました。お聞きいただくことのできる音源は、ここまで行った楽器で録音しています。弦はリチャード・コッコのステンレスを張っています。

さて、ブルーのジャズベースの方ですが、今回、ようやく入手が叶った(新品では品切れが続きヤフーオークションで中古品を落札しました)Hipshot Ultra Liteを取り付けることができ、弦もSadowsky Blackのステンレスに張り替えたところで、やはりSleek Eliteへ持ち込み、ネック調整とPU交換を依頼しました。録音したのは、それ以前のストックの状態です。

元々付いていたものはK&Tの何かです。おそらくJIGではなくて60とかいうモデルと思います(購入時の店員さんがおっしゃっていた)。こちらも中古で購入しました。ブラジリアンローズウッド指板とニトロセルロースラッカー塗装というカスタムメイドらしく、PUが高いので中古でも意外に高額でしたがアルダーボディがワンピースであることが決め手になって所有しておきたいと思いました。

それまでK.Nyuiブランドの、やはりオールラッカー、アルダーワンピース、指板はパーフェロー、PUはアルニコ3のNordstrandを70s位置に付けてもらったカスタムを使用し、私にとっては決定版と言える音が出て非常に気に入っていましたが、家庭内の事情により急に金策が求められることとなり、哀しくも「買い取り」の業者へ引き取っていただきました。父親の死の直前のことでしたが、あの時にあらかた楽器を手放してしまい、その後事態が収まってから、少しずつ再構築をやり始めたのが、今回話題にしている2本のクルーズということになります。ここ4年の間、本当に色々な事がありました。

ブラジリアンの指板は、むしろマダガスカルのほうが好きなくらいで、別にありがたがっておりません。またK&TのPUが重たい音がしてあまり好きではありません。磁力が強いのではないかと思います。アルニコ5より弱めの、2や3が好きで、かつてFreedomのアッシュ/ローズの4弦に、今となっては稀少なVooDooのブラックボビンが気に入らず交換したダンカンのAntiquityで満足しましたから、今回もアルニコ5から2への交換が主眼です。

ですので、2週間ほど前になるかと思いますが、K&Tはフレットレスの方へ乗せて試すことにしてWeather Reportは取り外し、フレッテッドにはAntiquityを乗せることにしました。Weather Reportも私はそれほど好きではありませんでした。

フレットレスがK&Tになって、少し良くなった(好みの話です)気がするけれど、AntiquityのリアPUが断線していることが判明しました。以前使っていた物はFreedomに乗せた状態で手放していますので、もう大分前ですが買い直していました。フロント・リアは別々に、いずれも中古でハードオフの異なる店舗から違う時期に入手しています。それぞれがバラで売りに出ていたのが不思議とは思いますが、そうして買うのが最も安価だったからです。

そして、到着後に抵抗値を測定しておかなかったのがまずかったです。フロントは問題ありませんでしたが、リアは通電しませんでした。ということを広瀬さんの方から連絡をいただき恥ずかしい思いをしました。別のPUを試してもいいのですが、手持ちのものにお気に入りはありません。ジャンクのまま手許に残しても意味が無いので、ここは修理をすることにしました。他にも断線したPUをいくつか持っていますが、直してまで使おうと思ったことはこれまでありませんでした。

修理業者はネット検索するとすぐにいくつかヒットします。広瀬さんとも相談してビンテージ系のPUをオーダーで製作もされているGrinning Dog Studioさんへ依頼することにしました。4/4に修理を打診するメールを送りますと翌日に返事をいただきました。早速品をお送りし、4/6には先方へ届きました。すぐに着手をしていただけたようで(納期は1週間と伺っていました)、昨日完了の通知をいただきました。すぐに代金を振り込み、本日には手許に届きました。作業には中2日、ファーストコンタクトから6日間で帰ってきたというスピード対応に感謝しかありませんし、驚きました。頼んで良かったです。PU自体の評価が非常に高いことでも知られているので、ひょっとしたら今後カスタムワインドでお願いするかもしれません。楽器本体との相性もあって、中々ぴったりはまるPUに出会いがたいものです。今の組み合わせに不満が出たら相談させていただきます。

取り付けるだけだったら自分でできるのですが、キャビティのシールディングもしたくなったので、再びSleek Eliteに送るつもりです。銅箔を貼るならこの人と知られる田力さんもいらっしゃいますが、そうでなくても導電塗料でもいいです。自分ではやりたくない作業なのでお願いしたいと考えています。

というわけで本日の日記は、修理品が無事帰ってきた嬉しさを記録して終わります。昨日お話ししたように、午前中は業界の先輩の葬儀へ参列させていただきました。午後の帰り道は非常に道路が渋滞し13時に帰宅したところ、私の部屋の玄関前にちょうどヤマトの配達員さんが立って呼び鈴を押していました。朝ご飯を抜いて出掛け、昼は外で食べることも考えたのですが、荷物の来ることを思い、寄り道せずに帰ったのが吉と出ました。こうした判断が好結果をもたらすのは小さな幸せです。後でどうしてもケーキが食べたくなったのでコンビニのロールケーキを買いました。本日のグルテン・チャレンジです(笑)。

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