Abema師弟トーナメント見た

決勝戦が土曜日に公開され、その放送回を足かけ3日で見終えました。事前に勝者を知ってしまいましたが、それでも一つずつの対局は興奮して見ることができました。

早指しのAbemaトーナメントは、第一回から欠かさず見てきましたが、週一で長時間の番組にしっかり着いていくのは、時間を作る意味でなかなか難儀です。F1もルーティンとして全セッションを見てきたので、両者が重なる時期ならば、とにかくその間隔内で見終えなければならないので、他のコンテンツをシャットアウトしなくてはなりません。大河や朝ドラを見ている今季、まだF1が始まっていないからよいものの(でも来週からシーズンが始まります)、次期アベマ・トーナメントのアナウンスもされる現在、この先を思えば不安になります。せめてF1が2週間開催ならばよいのですが。

師匠と弟子が2人1組みとなって総当たりの予選を経て本戦トーナメントに進むチーム戦は、それまでの3人1組みの団体戦となってからよりも、番組がコンパクトに纏まり見やすくなりました。5勝するまでと3勝するまででは、1対戦当たりの総時間が全然異なります。

しかし、その分、団体戦という醍醐味は少し薄れるのかなと感じつつ、それでも決勝戦は後になるほど熱気が強まり、決着局を見終えたら、感動して涙するほどでした。女流の方で西山・里見戦が凄かったことを書きましたが、今回の梶浦・畠山戦も神がかっていました。

スポーツに熱くなれないのは、戦い、即ち勝者弱者を分けるゲームに対して、うっすらと嫌悪を持っているからと思っていました。負けず嫌いという感覚がほとんどないので、応援する立場でも一方へ荷担することができません。そういうふうに人生を生きてきたので、今こうして将棋へのめり込む自分を不思議に観察しています。

しかし、棋界には、おそらくはそれなりの闇もあっての上で、表向きには好きなものが詰まっています。礼儀を重んじ身だしなみに気をつけて正座して戦い、発言は知的で奥深さを感じることが多々あります。そして必ず師匠がいる。

その側面にスポットを当てた今回のチーム戦は、対局前のサミットでも司会のアナウンサーが感情を抑えられなくなるほどに、人々の背景事情を浮き彫りにし、その思いが乗った戦いぶりというものを見せてくれました。全対局を見終えて、師匠と弟子という現代は希有な人間関係の尊さをあらためて感じることとなったのは素敵な体験でした。

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