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いくつあっても足りないもの

先週、傷が入っていた眼鏡のレンズを交換し、今日できあがりを受け取りました。扉の絵、左上のものです。

若い頃は弱い近視と乱視の補正をすれば文字が読めるので、それで良かったのです。老眼が進んで遠近を使うようになったのは、もう15年以上前からだと思いますが、当初それは運転と譜面が読めることの両立を目指していました。

以前の眼鏡でパソコンや読書が間に合っていた頃は、近距離と言っても楽譜は意外と離れた場所に置き、運転では遠方を見るので、そうした遠近両用が1本あれば、それら2本で事足りました。

だんだんとその遠近も無理が出てくるようになって、遠距離を賄うレンズで譜面が読めなくなります。だいたい距離は70cmくらいに譜面を置きますが、A3程度の全面を俯瞰して見えなければなりません。そのことが眼科医や眼鏡店の検眼担当者になかなか伝わりにくく、首を振って距離合わせをすればそれくらいの面積はカバーできるものの、上を見た時には下が読めず、下を見た時には上が読めずでは困るのでした。

というわけで、仕事(譜面を読む)用は中近を使うようになります。これで3本使い。次第にパソコンに合っていた眼鏡が使えなくなり、仕事用がマッチしないということでパソコンに特化した中近を作ることになります。これは在宅用なので持ち歩くことはしません。

つまり外出時に遠近、仕事時に中近1、自宅でパソコン用に中近2といった具合。しかしリビングで寛ぎながらコンテンツを楽しむための大画面モニター(仮にTVとしておきましょう)で番組表などを閲覧するのに文字がきちんと読める眼鏡が難しい。

実はそれが運転用とした眼鏡の古いもの、つまり度の進みが今ほどではない時期の、穏やかな設定のものでした。

ちなみに扉の写真で、上の2個が遠近、つまりドライビングや外出時に使用する物で、左が古く、右が新しいものです。眼鏡自体は右の方が古いですが、途中レンズを更新しており、左よりも新しい度になっていました。これがよく話題にするカール・ツァイスのドライビングレンズで非常に優れ物とあって、フレームは壊れても、なんとか部品を探し出して再生し、レンズだけは愛用し続けているといったエピソードをクリスマス頃に書きました。

さて、その左(上)の方、室内での離れた場所を見るのに適していたわけですが、レンズ上の取れない傷や汚れが酷く、視界が曇るようになったため交換しなければと思い続けて幾年月、今回意を決してそれを行ったのは、眼鏡屋から誕生日クーポンが届いたからです。たった500円ですが、きっかけとしては十分でした。

で、眼鏡屋への指示としては右(上)の度数に加えて、乱視補正は最新のデータにして欲しいと伝えたところ、実際のレンズから計測していただきましたが、それでも担当者は検眼を行い、さらに慎重な処方を作りました。

帰宅して、この眼鏡の使い道であるTV画面を見たところ、番組表の文字が読めません。近くにシフトしているようで、遠方のピントが来ません。遠近を中近で作ったのかな?と電話で問い合わせると、近くを足したいというお話だったので、と言い訳されましたが、基本的には右の眼鏡のコピーで良かったのに、と説明しても、何かまだ言いたいことがありそうでした。どうして希望通りにしてくれないのか、いまひとつ納得できません。

同時に、画像下段の左端の眼鏡は、これもとても古いフレームで、入っているレンズは使い物になりませんが、再利用ということで読書用の中近(近々かも?)で作りました。処方したのは眼科医です。で、いざ本を読もうとすると、顎をぐっと引いて眼鏡の上端を使わないと読めなかったのです。

昨日は、それを訴えに眼科へ行きました。すると本の位置が遠い、40cmの距離で見るべきだと諭されます。いや、本と言っても色々あって、雑誌などでは大きな図表が書かれていたりして、視野に収められないと困るのですが、非常に狭い範囲でしかピントが合わずに顔を上下に振る必要があります。

するとそれには老眼鏡だと答えられました。私も、そもそも読書用と言っているので最初からそれで良いのではと思いましたが、結局また検眼して処方箋を書いて貰います。保険診療でも1500円くらいかかりました。

画像の眼鏡5本、全て現役で、左上から時計回りにTV用、運転用、演奏用、パソコン用、読書用となります。演奏用とは、新たに昨年暮れに作ったもので、これはよく機能しています。下段中央は3〜4年前と、やや新しめですがカール・ツァイスを奢っています。見えが美しくパソコン仕事に特化し、満足しています(今かけている眼鏡です)。しかしこれが演奏の現場では使いにくいのです。なぜなら少し離れた人の顔が見えないから。

お話したとおり、左上は作り直して貰う必要があります。左下もですが、これを温存し(といっても現状でも使用頻度は低いですが)新規のフレームから老眼鏡を作ってもいいかと思っています。ただ、この眼鏡屋へは行きません(実は昨年いた店員さんが移動になってお初の方が対応しています)。

昨日眼科で測定したのは半年ぶりです。ただ、近視が、特に左目で進行していました。これは白内障の進度にリンクしたものだそうです。それが診断された時から、1日4回の目薬を続けていますが、それでも悪化しており、今回は手術も案内されました。しかしまだそれは今ではない気がします。

とにかく視力。これを維持しないことにはどうにも仕事になりません。演奏の仕事、教えることもですが、それほど長くは続けられないかもしれません。

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