100年

フラでお馴染みの"Hanohano Hanalei"という曲が生まれたのは1924年だと知り、奇しくも今弾いている曲が100周年を迎えたことで、ほのかに嬉しくなったお昼時のレッスンでした。子供の頃、丁髷に脇差しのお侍さんが町を闊歩する「江戸時代」を100年前などと呼んでいましたが、令和6年から振り返れば1924年は大正13年なのでした。ほぼ昭和じゃないですか。令和8年から100年前を思うとき、そこには昭和の世が開けている、というのが現実であることを、にわかに受け入れられません。

私が生まれた年から100年前を見れば、文久から元治へ改元のあった年。江戸時代の終わり頃で天皇は孝明天皇、将軍は徳川家茂の世でありました。池田屋事件が時代を表す象徴的なできごとでしょうか。ですから、江戸時代なるものはざっくり100年前の日本、という認識は、当時なら間違いではありません。そのように刷り込まれて育ち、いくつになってもその時代感覚でいたのが大間違いでした。

かく言う私の生きた時間は、昨日をもって60年に達しました。そんなこじつけで、今日はウクレレの初心者クラスで「ハッピーバースデイ」を練習してみたのですが、ご高齢の方々にはやっぱり難しくて、最後に打ち明けてちゃっかり祝ってもらおうとする目論見は断念しました。

この曲にも作者はいて、これは実は替え歌であり、元は1893年にミルドレッド・ヒル、パティ・スミス・ヒル姉妹が"Good Morning To You"として作曲、史上最も著作権料を稼いだ一曲だということです。あまりにも普及した替え歌となった"Happy Birthday To You"を「2番」の歌詞として、恐らく著作権者が認定したということでしょうけれど、公に出版物に載ったのが1924年だったということで、これもまた100年前の出来事でした。

60歳からの人生も楽しみたいと思います。


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