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ベースを弾いて録画してみよう(写真多め)

タイトルですが、みなさんに呼びかけているのではなくて、自分の作業のプロセスなだけです。上達のために自分の演奏を客観的に見るといいよ、的なアドバイスの意図はありません。ていうか言われなくても当然ですよね、それって。やったら間違いなく効果あります。ただし落ち込みますが。

また、少し前にBlackmagic DesignのATEM Mini Proを導入した報告をしましたが、この案件には使用しておりません。カメラで撮っているだけです。今日はその辺の機材周りについて書き留めておこうと思います。

ベースの側から行きますか。

撮りたい(録りたい)楽器は2本あって、ブランドはどちらもCrews Maniac Soundの、形はジャズベース・レプリカです。ひとつはアルダー/ローズの60s仕様、もうひとつはアッシュ/メイプルの70s仕様。後者はブリッジ側のPUが移動されている正味の70sモデルです。クルーズ本家は、基本的に木材を70sっぽくアッセンブリしても、ほぼ例外なくPU位置が60s仕様のままで、本品は楽器店のMusicLand KEYがプライベートブランドとして展開したKey To Rockシリーズに位置するもので、ちゃんと(?)フェンダーに倣ったブリッジ寄りとしてあります。

もう少しベースの話をすると、アルダーの方はワンピースボディに指板はブラジリアン・ローズウッドを奢ったビンテージラインという高い奴。キャパシターもサークルDのNOSが載っているという話ですが、判別はつきません。セラコンのそれっぽいのが付いています。下地からラッカー塗装。改造点は糸巻きをHipshotのUltraliteへ、ブリッジの駒を支えるネジを足の丸いものに交換、ネックプレートをHumpbackの1.5mmにしており、PUはK&TからHumpbackに交換しています。その交換時にはPUに付属する推奨の半田を使用しています。また電機部品のエリアを銅箔シールドしてあります。

アッシュの方は、フェンダー実機と異なり、ラッカー・トップコートなので音色に嫌みがなくて好きです。ペグは同様にHipshot、ブリッジがBabiczに、ピックガードはJingoro Inlays製に、ネックプレートはHumpbackの1.9mm、PUも同社の物、キャパシターもアルダーのに合わせてモントルーのサークルDっぽいものに交換しています。両者0.05μF。銅箔も敷いてありますから、元のグレードでは大差あるものの手の掛け方はほぼ一緒です。

ベースのアウトはVan DammeのFlat-Capギターケーブルからギグ用基本セットのボードへ入ります。接続先はMesa/BoogieのHigh-Wire、これがループ付きのバッファー/ブースターで、通常はFloatia DesignsのRisa CompからErnie BallのWeed改ボリュームペダルという流れがエフェクトループ内にあり、チューナーアウトがBossのTU-3sへ繋がっています。今回は、このループを外してバッファーのみを使っていますが、後述の理由でブーストを11時くらいまで上げています。ですから、チューナーが常時接続という点を除いては、パッシブベースの出力を、極力音色を変えずに増幅する狙いがあります。

その信号はVOVOXのlink protect Aという安い方のケーブルでHumpbackのパッシブDIに入力されます。バランスアウトは録音のため、オーディオ・インターフェイスPrism Sound Lyra2のcha.2へ送ります。キャノン接続のため、「マイク」扱いです。

DIからのパラアウトは、EDENのEC28というコンボアンプのリターン端子へ接続され、プリアンプ部をジャンプしてマスターボリュームの手前へインサートしています。アンプ側の音造りをバイパスするためです。パッシブの楽器を直接挿入できませんがブースターでローインピーダンスになっており、信号レベルもライン同様に上がっています。

ここでのシールド・ケーブルは線材はモガミの何かで、G&Hのプラグが溶接されています(半田付けではなく)。イケベ楽器店が10年かそこら前に扱っていた製品で、その音質の素直さに感銘を受けました。とはいえ2本しか買っていないのですが、駄目にしては替わりがないので外で使うのは控えています。

このアンプは8インチのフルレンジスピーカーが2個備わっており、ツイーターが搭載されません。そこが私の好みに合うところで、その素直なサウンドはテスト録音してわかりますが、ほぼラインの音と同じと言えますので、狙い通りです。ライブ時のモニタリングに最適なのはこのためです。

スピーカーの前にはSENNHEISERのコンデンサーマイク、MK4を立てています。Lyra2のcha.1に接続し、ファンタム電源で動作しております。

パソコンは2013年製のApple iMacでOSはMojave10.14.6となります。メモリは16GB、3TBのSSD/HD容量があるため10年使い続けることができています。そろそろ寿命ですが、これに替わる欲しいマックが出てこないので待ち続けている有様です。

MacではLogic Pro Xを使用していますが、OSが古すぎるため、当然最新のバージョンを使用することはできません。しかたないです。

Logic上のオーディオチャンネルに1度の録音でマイク信号(アンプからの出音)とライン信号(DIからの)を同時に録音できるように引き回してあります。

さて、Lyra2には高性能で申し分ないマイクプリアンプが搭載されていて、マイクも楽器も直接の接続、からの録音が可能になっています。ところが、入力感度を微調整する機能が省かれています。ざっくり+4dBか-10dBかのセットしかできないのです。

結局送り出す側でレベルを上げなければならないため、先述の通り、ベースの信号を受けたペダルのバッファー内で昇圧を行っているというわけです。ところが、EC28のリターンに戻した時に、アンプからが爆音になってしまう問題もありまして、マスターボリュームは音の出る最小値にしておりますが、それでもこの防音室性能では守り切れないような音量が部屋に充満するので、そのバランスを取って先の設定としております。これだとLogicへの入力信号はまだまだ小さく、理想的と言えないことは承知ですが、まぁデジタルなのでSNの問題が生じるほど悪くはなく、あとでノーマライズすれば済む話です。

以上が音のほう。以下映像の方へ行きます。これはシンプルです。

撮影装置がPanasonic Lumix DC-G9、フォーサーズカメラです。Leica名の付くキットレンズで12mmの広角端で使用します。動画にすると、本来よりやや画角が狭くなるようです。外部マイクとしてTascamのTM-2Xを接続し、ミニ三脚へ載せてアンプの上に置いてあります。被写体方向へ向けておりますので、アンプから出力される楽器の音は室内の反射音です。しかしLogicの側で録音しているものに遜色ない、しっかりとレンジが確保された音で録れています。

動画品質のカメラ内設定ですが、FHDの60フレームにしてシャッター優先で1/60、ISOは2500にしたところ、照明のない暗い部屋でも何とか様になる画が撮れているように思えます。mp4にすると音声がAACにしかならないので、MOV.を選択しています。これだと非圧縮音声が選べます。以上で1分1GBのファイルが生成されます。

60フレームが必要かどうか別にして、シャッタースピードを優先して動きをシャキッとさせたかった(演奏動画ですので)、音質を重視すればMOV.しか有り得なかったといった理由でファイルサイズは大きめです。シャッター速度が速いままコマ数を落とせばパラパラ漫画のようにカクカクした動きに見えるでしょう。普通は、例えば30フレームならば1/30にしたりするので、その分一枚一枚の画がブレて撮影されます。これを避けようとしたとご理解ください。

動画とのリンクはLogic上で行うことはありませんが、新規プロジェクトを作る際にも同期映像のフレームレートを指定する項目があり、59.94fpを選択してあります。音声は16bit/48kHzです。当然Logic Proはハイレゾにすることが可能ですが、パナソニック・カメラの非圧縮音声フォーマットに合わせました。20世紀末のDATに準じる、CDよりも高精細な規格ですから十分な品質でしょう。

操作は、目の前にあるカメラ本体のシャッターボタンを、近づいて手を伸ばし、手動で押します。映像から見きれる位置に譜面台があり、その上のiPadでは演奏内容の簡単な譜面が表示され、隣のiPhoneではLogic Remoteが起ち上げられており、着席した時に録音ボタンを押します。

モニタリングはLyra2のヘッドフォンアウトにaiaiaiのTMA-2 Studio Wireless+を接続して、文字通りワイヤレスでLogicのクリックを聞きます。ベースの音は返しておらず、EC26の生音がヘッドフォン越しにもしっかり聞こえるので、その状況で演奏しました。

室内のエアコンは稼働しませんが、ロスナイ(換気システム)は作動していて、実際これが相当うるさいのですが、一応確認したところアンプ前のコンデンサーマイクにもアンプ上の外付けカメラマイクにも収音されていない模様なので、このままやってしまおうと思います。エアコン無しだと徐々に室温が上がり汗が出てきますね。ボーカル録音などで最高品質を求めれば換気扇も止めなければなりません。

最後になりますが照明について。

防音室内には常設のLEDランプが4灯、ダクトレールから吊り下がっています。Switchbot製でiPhoneから調光してあり、色温度低め、照度も60%程度の運用です。雰囲気重視、かつ目に優しくってやつですね。撮影だからとこれを変更する気にはなりません。なので、これともうひとつ、安価なLEDデスクトップライトを被写体頭上の右側から当てています。効果がいかほどかは計りかねますが、少なくともその場に居て眩しく感じるくらいには照らしているので、先述のようなカメラ露出で、まぁなんとかなっている、というわけでした。以上。あとはうまく弾くのみです。Do it!

KAWAIのmidi鍵盤の上
2013年製iMacが現在もメイン
Humpbackのトランスをリスニング用途で使用
動画に強いLumixの中ではスチル志向のカメラ
うちの4弦では絶対的エース
木目ピックガードとバビッツのせいでハイエンドっぽい姿

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