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2つの比較とその後

先日、仕事帰りに近隣のショップへ寄って、そこに展示されているG&L L-2000を弾き比べしてきました。

現行機種は、ボディ材がアッシュ、バスウッド、オクメの3種があり、アッシュにはメイプル指板、オクメにはチェチェン、バスウッドはその両方といった、合計4種の材設定があります。バスウッドはポプラ、オクメはマホガニーだったラインナップからの変更のようです。指板もローズウッドからチェチェンという流れで、代替材に移行済みといったところです。アッシュだけは維持されてますが、確かアップチャージだったかな。

従来のL-2000に対し、近年CLFという、晩年のレオ・フェンダーのデザインに、より寄せたモデルがあります。ネックの幅が狭くなっており、JB相当、従来品はPB相当と言っていいのかな、だから私はCLF一択です。あとはコントロールパネルがあるのと、ヘッドシェイプの違いでしょうか。電気系は一緒みたいです。

というわけで、弾かせていただいたのはアッシュ、オクメとメイプル指板のバスウッドというCLFの3本。本当は5弦で試したかったのですが在庫がありませんでした。

この話は簡単に終わらせたいので、結論から言うと、オクメが一番気に入りました。実際、3本の音質的特徴は全く異なるのを、パッシブのハイカット、ローカットをうまく利かせていくと、両方シリーズのHB状態でも良い塩梅に音色設定できます。アクティブにはフラットとトレブルブーストの2モードがありますが、この選択肢は実戦で非常に使える印象でした。ちなみにシングルコイルにはできず、私はパラレルが好きではないのでシリーズでしか使わないと思います。

というわけで、まぁ実際どれを買ったとしてもハズレ無しな気がしたのですが、これらに共通する、私のネガティブな印象としては、分厚い塗装というものです。塗装の仕方が音質に与える影響を少なくないと見ている立場から言うと、この塗膜がトーンへプラスに作用するであろう印象はオクメから得られましたが、アッシュではスポイルしているように感じました。バスウッドはきゃぴきゃぴしてるので、それを助長している気がして、好きな人は好きであろう、という感じです。オクメを選ぶ理由は以上です。あと軽いことかな。

色々わかったところで、真っ直ぐ帰宅する前に家電量販店に立ち寄り、目的を達した後に、ふとワイヤレスイヤホンのコーナーへ入ってしまったのが運の尽き。まず、「完全ワイヤレス」というカテゴリーの意味を確かめたく、店員さんに質問したところ納得の回答が得られ、流れで視聴もさせて頂きました。それまで、iPhoneで有線のシュアで聴いてきた音が、Bluetoothでどう聞こえるか、その確認をいたしました。

appleのやつが4万くらいする、というのは知っていて、そんなのバカバカしい、出せて1万だ、と思っていたので、そのように予算を告げます。今日はiPhoneだけどファイルは無圧縮である、メインはDAPでバランス接続のイヤホンで聴いている、という程度に音質へは拘りをもっている旨も添えました。

つまりストリーミングでは聴かない、ハイレゾにもしていない。ワイヤレスは経験無し。というプロフィールで、予算1万円以下でのお勧めを尋ねたわけです。ちなみに、ノイキャンも不要と考えており、マイクの通話品質も問わない、と間口は広めにしています。

で、ジャブラ(その店の店頭価格で1万弱)というのとオーディオテクニカ(1万を少し超える、ただしポイント換算で予算内)が推奨され、なぜかジャブラはリンクが取れずに視聴できませんでした。ATの方は、ヘッドフォンでも聴ける、このメーカーならではのドスの利いた低音が支配的な、ちょっと居心地悪い音質でした。

そういうのは、5秒もあれば判別できるので、駄目出ししたところ、ソニーを持っていらして、1万円以下のと、ちなみにと22000円くらいのを2機種出してきました。この上位の方は、初めて妥協可能な音質レベルと思えました。そうか、2万か、と市場へのイメージが固まったところで、店員さんは、ふと何かに気付き、ファイナルというのを出してきました。ZE-2000というモデルです。約1万5千円。

で、これが良かったです。というわけで、これならばと思いながらも予算オーバーですから、クールに撤退を決めました。元々買う気で売り場に居たわけではありませんし。

標題にある、2つの比較とは、G&L USAのベース3本と、1万円台の完全ワイヤレスイヤホン4本の聴き比べでした。ジャブラは結局聴けませんでしたが、一推しとあったので興味はあります。さて、その後どうしたか。

中古だとどうだろう、とメルカリにログインすると、なんとドコモポイントが2万円分ほど使えることがわかり、なんだ、只で買えるじゃん、ということがわかり機種検索してみます。

ちなみに世間の評価も気になるので、Youtubeでインプレ動画を漁ります。するとZE-2000の前に3000というのが出ており、むしろそちらの方が評価が高いらしい、とわかります。3000は聴いていませんが、寸評を読むと、どうやら自分には合いそうな気がします。ということでメルカリで探してみると3000の未開封品が1万2千円台で見つかり、ポイントとの交換で入手できるとあってポチりました。それが今日届いたのです。

開封すると
確かに未開封
開けてみました

ZE-3000は黒・白の2色展開の他、ウルトラセブン55周年記念「ウルトラ警備隊モデル」という限定品があって、メルカリで一番安かったのでこれにしましたが、全然ウェルカムです。箱やケースの、このグレーっぽい空色は、世にある「色彩」の中ではトップクラスに好きで、これに似た色のフォルクスワーゲンやボルボに乗ってきたのが、その証拠です。イヤホン本体は赤白なので、また風合いが異なりますが、わざわざこれを選んで買ってもよかったくらいには愛着が湧きます。

色彩に、まずは満足
ケースの意匠が警備隊のアイテムっぽい
イヤーピースとケーブルが付属

iPhoneとさっそくリンクして音を聴いてみると、最初に再生したエレクトリックなフュージョン(スティーブ・カーン)では、ざらざらした肌質の悪さみたいな感触で、やっちまったかと思ったものの、キャノンボール・アダレイにすると、誇張感の無さが悪くないと思いました。ここは静かな室内ですが、ベースラインがちゃんとわかります。シナトラも忠実さでは許容範囲と言っていいでしょう。荒い音ですけど、所詮ワイヤレス、と割り切れるのは、ケーブルがない利点の方がお散歩にはるかに有意義だから。浸ることはできないけれど、音楽の構造はわかる。

数種類のイヤーピースが付属しており、まだ試してはいませんが、これを書きながら数十分使用していると、左耳は少し痛くなりました。ちょっとポジションを変えてみようなんて、触れた途端にタッチに反応して再生が止まったりと、ちょっとセンシティブに過ぎるかなと感じます。まぁでも初めての一本にお勧めです。ノイキャンないけどね。

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