リフォーム日誌(2/19 '22)

noteの更新は疎かになりましたが、気がつけば総計8万ビューを超えていました。開始より1年と50日、400日強と思えば平均して毎日200人の方にページを開いて貰っています。こんな素人の文章家におつきあいくださり、心から感謝いたします。

演奏家としての本業は、依然時が止まったままで、今はまだじっくりと力を蓄えようとしているところです。年齢的なこともあって、このまま引退かと不安を覚えたこともありましたが、まだどうにか活力は枯渇するまでに至っておらず、noteを書くことは、そのために十分役立っている感じがします。

冬季オリンピックが行われており、その最終日を迎える明日の午前、女子カーリングチームが金メダルを賭けて最後の闘いを繰り広げる予定です。氷上のチェスというキャッチフレーズがあるようですが、陣取りですからオセロっぽいかなと思っていました。すると指したいところに指せない将棋、という表現を目にして、それは競技者からのものでしたが、的を射ていると思いました。

未だ5年かそこらの新参者ですが、将棋には相変わらず熱中していて、だからというわけではありませんが、やはりカーリングからは目が離せなくなります。タイムアウトを加えて40分の持ち手がある棋戦と捉えることもでき、妙手の応酬に、こちらも緊張しますし、それがチーム戦であることとフィジカルな能力も問われてくるところ、偶然が大きく作用するなど、更なる別種の趣が加わって、冬のスポーツの中ではダントツで好きな競技となりました。

F1も長く見続けてきましたが、あれは元々あまり感情移入せず、誰を応援という気持ちを持たぬまま、どちらかといえば俯瞰で眺めてきました。しかし五輪の国別対抗ということになると、日本チームに栄光を掴んで欲しいと願うし、それを他チームの失敗による優位に求めるのでなく、自らの手で勝ち取ってくれることが、最高の結末だと思います。明日は朝から観戦します。

リフォームの途中経過を記します。設備を決めなければなりません。システムキッチン、ユニットバス、洗面、トイレといったものです。設備ありきで、それらの図面を元に電気、ガス、水回りの取り回しが決まって、それに応じた床や壁が製作されます。段取り的には、それら大工仕事が先になりますので、とにかくどのメーカーの何を入れる、というのが前提になります。

昨年のうちに、リフォーム業者を決定すべく、複数の見積もりを取りながら、我が家に対してどこまで作り直すかを、そうした提案を見比べながら考えてきました。一番先に防音室工事を始めており、その業者=住宅専門ではなく楽器店ですが、の主導で、現況を確かめるために床や壁を壊しました。

すると、築48年ですから、インフラのあらゆるところを刷新する好機であると判断せざるを得ず、結局のところ全部やってしまおう、ということになりました。そして、それらは住宅向けの工務店にバトンを渡すのではなく、そのまま楽器店の担当者が指揮をしてくださることになります。

その路線が確定したのが今から一月ほど前です。その間、Aというリフォーム業者が推すリクシル、Bが推すクリナップ、Cが推すパナソニックと、自身で気に入っていたタカラスタンダードといったメーカーのショールームを周り、それぞれがどういった商品を提供しているのかを見分し、必要な仕様を考え、見積もりを取りました。

別途、ハウステック、TOTOと、あるいはサンワカンパニー、果てはニトリなども調査し、最終的に大きな物はTOTOから取ることに決定しました。本日届いたメールに添付の見積書で発注をかけます。漸くたどり着けました。

楽器店の防音室担当の方が今は監督です。そちらが仕入れられるもの、という制約がある中で、予算との兼ね合いをとりつつ、商品の魅力が最も高かったのがTOTOでした。ユニットバスもTOTO、洗面台はハウステック、トイレは、もう物が市場にないので、成り行きで手配できる品を入れることになります。キッチンに取り付ける加熱調理具も同様です。IHの機材が納期未定が続いています。同様に品薄の給湯器は昨年から早々に手配し、ハウステックの物がすでに届いています。

TOTOから来ている見積りは税込定価で2047375円でした。実売が半額くらいになってくれるといいなと思いますがどうでしょう。例えば先の例で某社を推すリフォームメーカーの見積もりでは65%引きといった金額でした。掛け率はユーザーには不明で、一体いくらで請求が来るか見当が付きません。

タカラスタンダードは実売が定価に一致するというのが通例らしく、価格がわかりやすく品質も良いので決めたいメーカーでしたが、逆に流通のところで利益が取りづらくなる(あるいは極端に薄利)ことから採用を断られます。その設備を入れることで、それにまつわる手数料に相当する利益部分が確保しづらいらしいです。こちらからすれば、予算のうちいくらを配分できるか明瞭なぶん助かるのですが。

キッチンは各メーカーショールームで実物を見比べると、たとえばキャビネットの造りでも、私が購入対象としている廉価グレードにおいては、かなりの差を感じました。ですから同一クラス、ライバル機種といった関係でも、ものの優劣はあり、おそらくそれが実売での価格差となるのでしょう。しかし定価を似た設定にしているため、そのことがカタログなどからは読み取りにくくなっています。

A社100万円のキッチンを65%オフで35万で買えるとします。B社100万円は50%オフで50万。C社は55万円の定価となっており、割引無しになるとします。実売でA<B<Cと値段は上がっていきますが、表示される定価はAとBで同じです。で、ショールームで実物に触れると、A社はあきらかに安っぽい。Cはしっかりしている。BはCに近く、良い感じ。といった感触を得て、それらの実売価格に応じた順位が付くのです。コストを反映しているとしたら当然のことですが、繰り返し言うとおり定価がAとBで同じ、従ってユーザーは同等品と信じます。また値付けはリフォーム業者が行いますので、利益はとりたいだけ取れますから、A<Bとはならないかもしれません。

今回、私が自分の足であれこれ見て回り、様々な情報を得て知ったのが以上のような業態で、住宅設備に関わる疑心暗鬼の源はこうした商習慣にあるのだとわかりました。結局TOTOがお気に入りだったわけですが、拙宅の担当者から最終的にいくらで請求されるかは現時点では判明しておりません。逆に、だからこそ品質で選んだ、ということにもなりました。

あらゆる場所の床だとか壁だとか、内装の具材も施主が決めなくてはならず、これもまた途方もなく手間の掛かる作業でした。フローリングの無垢材を見に、マルホンとナカムラコーポレーションへは2度ずつ、壁紙とカーペットを見にサンゲツへ2度、壁紙でリリカラへ1度、足を運んでいます。

先日、ボルボの中古車を見させて頂き、クロスの見本帳で色味を探したエピソードを記しました。見本帳は実物の切れ端を綴じたものですが、その面積は小さすぎ、部屋を覆う場合のイメージと異なります。従ってメーカーからA4サイズの見本を取り寄せ、それを実地で、その光線の元でどう映えるかを確認しなくてはなりません。候補の全ては手配済みですので、今は到着待ちとなっており、来週中には確定する見込みです。

何度も書きますが、生まれながらに色覚異常を持っていて、色味を判断する自信がありません。先日、ボルボの天井に一番近いクロスを選んだら、説明にピンクと書いてありました。見本帳のそのページを示し、何色に見える?と妹に尋ねたところ、迷うことなくピンクと答えました。私は、へー、と唸るほかありません。私にはグレイです。その絵面から赤みを感じ取ることができません。当てた妹を凄いね、と驚嘆する私を、いつも冷ややかに見る妹です。そう見えないのが不思議らしいです。更に言えば、ボルボが天井をピンクにするはずないので、私の見立てが間違いだとわかります。

このように、色を選ぶというのが、常にハードルとなってきた人生ですが、まぁそれでも好きか嫌いかは言えるので、好きな色を揃えていけばいいと思います。そして、おそらく一般に思われている以上に私は樹木が好きなので、要所は天然の無垢材を取り入れ、クロスの柄にもフェイクの木目を多めに入れていくことになります。そうして出来上がった内装を、他者は異様に感じるかもしれませんが、私自身が安楽で居られるのであれば良しとします。また、そうできるよう、願っています。









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