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誰の言うことを聞くの?

「Note」に初めて投稿する。使い方がわからないので、いつものブログに訳したジャンニ・ロダーリの "Chi comanda?" をこちらに転載してみた。ふだん使っているのは「はてなブログ」。無料で使わせてもらっているし、大して不満があるわけではない。ただ、こちらのほうが文章が書きやすいかもしれない。そう思ったのだ。では、以下に試訳を転載してみますね。ご笑覧。

誰の言うことを聞くの?

女の子がいたので聞いてみた。
「お家ではみんな誰の言うことを聞くの?」
女の子は黙ってこっちを見る。
「ねえ、お嬢ちゃんのところではみんな誰の言うことを聞くのかな?お父さん、それともお母さん?」
女の子はこっちを見るけど返事をしない。
「あのね、教えてくれないかな。誰がみんなのご主人様なの?」
またこっちを見るけど、なんだかとまどっている。
「《言うことをきく》って意味がわからない?」
そりゃ知ってるだろうな。
「《ご主人様》の意味がわからない?」
それも知ってるだろうな。
「それじゃ、ご返事は?」
女の子はこっちを見て黙っている。ここは怒るべきなのか。いやもしかすると、口の聞けない可哀想な子なのかもしれない。あれこれ思っていると、女の子はなんと逃げ出してしまう。草原の向こう側まで走ってゆくと、振り向いて舌を出し、こう叫んで笑うのだ。「だれかに《言うことを聞け》なんて言う人はいない。だって、みんながみんなの大切な人だから」

ジャンニ・ロダーリ "Chi comanda?"    Il libro degli errori (1964) より

イタリア語の原文も載せてみよう。

Chi comanda?
Ho domandato a una bambina: — Chi comanda in casa? Sta zitta e mi guarda.
— Su, chi comanda da voi: il babbo o la mamma?
La bambina mi guarda e non risponde.
— Dunque, me lo dici? Dimmi chi è il padrone. Di nuovo mi guarda, perplessa.
— Non sai cosa vuol dire comandare?
Sì che lo sa.
— Non sai cosa vuol dire padrone?
Sì che lo sa.
— E allora?
Mi guarda e tace. Mi debbo arrabbiare? O forse è muta, la poverina. Ora poi scappa addirittura, di
corsa, fino in cima al prato. E di lassù si volta a mostrarmi la lingua e mi grida, ridendo: — Non comanda nessuno, perché ci vogliamo bene.

Gianni Rodari, "Chi comanda?", da Il libro degli errori (1964)

うん、わるくない。文章はこちらが断然読みやすいかもしれないな…