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1000日チャレンジ 507日目 東京都美術館 「芸術X力 ボストン美術館展」①吉備大臣入唐絵巻

ゴールまで493日

★BMI:24.1

★先日、東京都美術館で開催中の「芸術X力 ボストン美術館展」を観てきた。特に印象に残った作品について書きたい。
(以下、オフィシャルサイトより引用)
「古今東西の権力者たちは、その力を示し、維持するために芸術の力を利用してきました。威厳に満ちた肖像画は権力を強め、精緻に描写された物語はその力の正統性を示します。また、美しい工芸品は彼らの宮廷を彩り、ときに外交の場で活用されてきました。時の一流の画家や職人につくらせた芸術品は、今も見る人々を圧倒する荘厳な輝きを放っています。また、力をもつ人々は、自らも芸術をたしなんだほか、パトロンとして優れた芸術家を支援しました。その惜しみない支援によって、数多くのすばらしい芸術作品が生み出されたのです。さらに、多くの権力者たちは、貴重な作品を収集し手元におきました。彼らが築いたコレクションは、今日の美術館の礎ともなっています。本展では、エジプト、ヨーロッパ、インド、中国、日本などさまざまな地域で生み出されたおよそ60点の作品をご紹介します。私たちが鑑賞する芸術作品が本来担っていた役割に焦点を当て、力とともにあった芸術の歴史を振り返ります。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で2020年に中止となった本展。いよいよ待望の開幕です。」

◎「吉備大臣入唐絵巻」;(オフィシャルサイト解説を引用)「奈良時代に活躍した学者・政治家である吉備真備(きびのまきび)(695-775)の活躍を描いた絵巻です。遣唐使として海を渡った真備が、唐の皇帝の使者によって高楼に幽閉されるものの、阿倍仲麻呂(あべのなかまろ)(かつて、遣唐使として海を渡ったが当地で亡くなった)の亡霊が鬼となって現れ、彼の力を借りながら難題を次々に解決していくというストーリーが展開します。《吉備大臣入唐絵巻》が描かれた12世紀は絵巻制作が頂点を迎えた時代です。本作に見えるテンポの良い画面構成や伸びやかな筆使いは、当代一流の宮廷絵師の関与を想起させ、絵巻収集家としても知られる後白河院(1127-1192)周辺で制作されたと考えられています。」(MFA, Boston 所蔵)

◎私はボストンの街が大好きで、出張で訪問する機会が多いことから、休日や仕事の合間を見つけて夜間開館時にボストン美術館に数度行っている。しかし、この国宝級の絵巻は一度も観ることができていなかったので、今回は念願の対面だった。こういう絵巻物の展示の宿命だが、観覧者が多い時は、なかなかゆっくりと見ることは難しい。ただ、お気に入りの場面は、何度か列に入りなおして見ることができた。真備と仲麻呂が空中を飛んでいるところなど、現代の漫画そのものでキャラクタも可愛らしく描かれている。現在、日経新聞朝刊で阿倍仲麻呂と吉備真備を主人公とする小説『ふりさけみれば』が連載中で、毎日楽しみに読んでいることもあって、今回の観覧を楽しみにしていた。
絵巻の内容自体は、荒唐無稽なSF的なフィクションだが、生き生きした人物の描写はまさしく国宝級だと改めて感じた。ボストンにあることは残念だが、世界中の人が訪れる美術館で日本の美術が見られることにも意義はあると思う。
★(おまけ)今回、MFAのweb siteでこの作品のページをみたところ、きちんと、現在、東京都美術館で公開中であることが出ていた。細かい配慮がきちんとされている美術館だと感心した。

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