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1000日チャレンジ 911日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 6 The Emperor’s Doctor: Galen

ゴールまで89日

★BMI:22.9

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 6 The Emperor’s Doctor: Galen
★主な内容
ガレノス(129-210頃)は現在のトルコに位置するベルガモンで建築家の子として生れた。彼は各地を旅しながら学んだ後、ベルガモンで剣闘士の治療をする医師となった。ライオンなどと戦う剣闘士たちにとっては彼の応急措置が大切だった。名声を得た彼はローマに向かい、時のローマ皇帝マルクス・アウレウスの軍隊に従軍する医師となり、皇帝にも気に入られた。
彼はヒポクラテスを尊敬しており、ヒポクラテスと同じく体液のバランスが重要と考えた。患者の脈を取ることを考案したのも彼だった。彼は解剖学に強い関心を持っており、動物や人体の解剖を行っていたらしい。彼の著書『 On the Uses of the Parts』では人体の各器官の構造と役割を考察している。彼はすべての身体機能の中心にあるのは、「pneuma(プネウマ)」という物質であると考えた。プネウマとは、英語ではsplitとされる(日本語では精気)もので、3種類あって、それぞれが重要な臓器である肝臓、心臓、脳と関連づいていると考えた。
ガレノス は、医師というものは、哲学者であり、研究者であるべきだという考えをもっており、医学は合理的な科学であるべきだとした。彼の医学に関する考えは、その後、1,000年近く支持をされることになり、彼は医学の神と称えられた。

★単語
accomplishment
;偉業、業績、prosperous;裕福な、devoted;献身的な、gladiator;剣闘士、anatomy;解剖学、dissect;解剖する、condemned;死刑囚の、criminal;犯罪者、decaying;腐りかけた、meanwhile;その一方で、aorta;大動脈、artery;動脈、ventricle
心室

★フレーズ
well off
;裕福である、well-to-do;裕福な、金持ちの、patch up;応急措置をする、come up with;思いつく、long shadow;大きな影響

※ガレノス;「Galēnos; Galenus [生]129. ミュシア,ペルガモン [没]199頃.ローマ? 古代における最もすぐれた医学者,哲学者の一人。ギリシア人。小アジアのペルガモンの富裕な建築家で数学者の家に生れ,ペルガモン,スミルナ,アレクサンドリアなどで医学を修めたのち,数年間生地で剣闘士道場の外科医となり,161年,ローマに行って医師としての名声を博し,皇帝マルクス・アウレリウスに迎えられた。ヒポクラテスの「体液病理説」を宗とし,ギリシア医学の理論を体系化した。特に生理学の分野では実験生理学を発展させ,7種の脳神経を区別した。また,動脈系と静脈系をまったく独立したものと考え,17世紀に血液循環が発見されるまで,この考え方がヨーロッパ,アラビアに受入れられていた。治療学においてもすぐれた医学者であり,炎症に発赤,灼熱,腫脹,疼痛の4つの徴候をあげるなど,鋭い観察眼をもっていた。「医師は自然の召使である」といった彼の箴言に,実証家としての面目が残っている。」(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より引用)

ガレノスさん、ごめんなさい、全く存じ上げておりませんでした。こんな時代に人体解剖して、それぞれの器官の役割を認識して、そして何よりそれを著作として残したということが素晴らしい。


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