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武蔵野市立吉祥寺美術館 企画展「金井一郎 翳り絵展 -「銀河鉄道の夜」を巡る旅」

2024年度吉祥寺美術館企画展 金井一郎 翳り絵展 -「銀河鉄道の夜」を巡る旅-
所在地:横浜市中区南仲通5-60
【会期】2024年9月21日(土曜)~11月4日(月曜・振休)
【主催】武蔵野市立吉祥寺美術館(公益財団法人 武蔵野文化生涯学習事業団)
(以下、公式web siteより引用)
「光と影をテーマとする造形作家 金井一郎(1946年-、埼玉県生まれ)。独自の技法「翳り絵(かげりえ)」で表現された宮沢賢治の名作『銀河鉄道の夜』の宇宙景観。その世界は小さな光の粒の集積で描き出され、まるで宇宙できらめく星そのもののように感じられます。
転居などの環境の中で孤独な心情をかかえていた金井は、小学校四年生のときに『銀河鉄道の夜』に大きな影響を受け、その少年時代の強烈な読書体験は、いつしか『銀河鉄道の夜』の世界を視覚化したいという熱意へとつながっていきました。当初は、影絵で制作をしていましたが、「独特の透明感と暗さのある『銀河鉄道の夜』を表現するには平坦な描写では物足りなかった」と言います。長い試行錯誤の末、針で無数の孔をあけた黒いラシャ紙を重ね、後ろから当てた光が針孔を通り複雑に屈折することで独特の立体感と透明感を創り出す「翳り絵」を考案し、繊細な幻想世界の表現を生み出すことに成功しました。
本展では、『銀河鉄道の夜』シリーズより、絵本未掲載を含む翳り絵36点と、乾燥させた植物や木の実のなかに小さな光を仕込んだランプや、ジオラマのような街並みに灯りを灯した物語性あふれるオブジェを展示いたします。その制作の原動力は、「『銀河鉄道の夜』に描かれた青い烏瓜の灯りやジョバンニが彷徨する夜の街の光と影の綾なす世界への尽きぬ興味から」だと言い、現在も制作イメージの源泉となっています。
金井が追い求めた光と影の幻想世界『銀河鉄道の夜』を巡る旅をどうぞご堪能ください。」

『銀河鉄道の夜 (ミキハウスの絵本)』金井 一郎 (イラスト), 宮沢 賢治 (著) 三起商行 (2013/10/1)

★展示室は真っ暗で、インスタレーション作品のボックスが壁に並んでいる。銀河鉄道の夜の世界ということなのだが、ストーリーとは離れて、単純に幽玄な雰囲気の世界に浸ることができた。手法についての解説コーナーもあるのだが、完全には理解できていないと思う。光をあてなければ真っ白なライトボックスで、その中に穴をたくさんあけた黒い紙が入っていて、その後ろ側から光をあてるということらしい。近くで作品をみると、摺りガラスに細工をしているかのような印象で、立体感もある。独特の風合いの作品でとても癒されたような気がした。絵本も購入してじっくり味わいたいが、作品はやはり生で暗闇の中で観るのが一番よさそうだ。

※金井一郎:1946年埼玉県生まれ。翳り絵(かげえ)という独自の絵画スタイルを確立した作家です。彼の作品は、光と影を巧みに使い、幻想的で幽玄な雰囲気を醸し出している。

※翳り絵とは?
黒い紙に無数の穴を開け、裏面から光をあて光の透過・反射回析・干渉などを利用し、前面のスクリーンに映像を写し出すという金井一郎・独自の手法を使ったインスタレーション作品。

※今回のお土産
クリヤ―ファイル、絵葉書


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