見出し画像

PARCO劇場 PARCO PRODUCE 2024『ハムレットQ1』観劇記録

劇場バナー

【日時】2024年5月19日(日)12:15開演
【会場】PARCO劇場
【作】ウィリアム・シェイクスピア
【訳】松岡和子
【演出】森新太郎
【出演】吉田 羊 飯豊まりえ 牧島 輝 大鶴佐助 広岡由里子 佐藤 誓 駒木根隆介 永島敬三 青山達三 佐川和正 鈴木崇乃 高間智子 友部柚里 西岡未央 西本竜樹 吉田栄作
【主催】PARCO劇場
【後援】 TOKYO FM / TBSラジオ
(以下、公式web siteからの引用)
シェイクスピア『ハムレット』戯曲の原型とも言われるQ1版を
松岡和子の新訳、森 新太郎の演出で上演!

 シェイクスピアの四大悲劇の一つに数えられる『ハムレット』。『ハムレット』には三種類の原本があり、二つの四折版(Quatro)がQ1とQ2、もう一つの二折本(Folio)がF1と呼ばれています。現在では、Q1(1603年刊行/約2,150行)が、Q2(1604~1605年刊行/約3,700行)の原型ではないかという説も多く、Q2は草稿版、F1(1623年刊行/約3,550行)が当時の劇団保管の演出台本で、Q2を参考に制作されたとも言われています。
 長さが、現行のF1版の約半分で、物語が凝縮されたQ1版。今回、翻訳を手掛けるのは、シェイクスピア劇全37作品の翻訳を達成した松岡和子。シェイクスピア戯曲を知り尽くした松岡の新訳で上演いたします。
演出は、2021年上演の『ジュリアス・シーザー』(吉田羊主演/PARCO劇場)で、古代ローマの史実のスケールはそのままに現代と地続きの人間ドラマとして描き出し、高い評価を得た森 新太郎。2019年に現行の『ハムレット』、前述の『ジュリアス・シーザー』ほか、数多くのシェイクスピア劇を手掛けてきた森が新たに手掛ける『ハムレットQ1』。正義、そして復讐のためにまっすぐに生き抜いた男と、陰謀渦巻くデンマーク王家の物語を激しく描き出します。」

【感想】通常版に比べて1時間ほど上演時間が短く2時間50分(休憩20分間を含む)だが、大きな流れは同じなので、自ずとスピーディーな展開になる。また演出上も暗転などせずに、上手下手で2つの場面をオーバーラップさせるところが何回かあり、それも時短につながっているように思う。女性俳優が演じるハムレットだが、違和感はおぼえない。吉田羊さんは、ほぼ台詞をかむような場面もなく、膨大なセリフ量の役を乗り切って素晴らしかった。やや台詞に追われている感じの役者さんもいたが、初演でまだ始まったばかりの舞台なのでやむを得ないか。母親の葛藤など、少し物足りなさの残る部分もあった。
いちばん気になったのは、時代設定。明らかにシェイクスピアの時代から時代を移したような感じはしないにもかかわらず、兵士たちに鉄砲をもたせたり、衣装も現代風だったりと、その必然性を理解できないところもあった。通常版ハムレットを次月鑑賞予定があるので、違いを楽しんでみたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?