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1000日チャレンジ 915日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 10 Uncovering the Human Body

ゴールまで85日

★BMI:23.0

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 10 Uncovering the Human Body
★主な内容
ガレノスは動物の解剖を主に行っていたが、人体解剖となると、1300年代になってようやく大学で教えられるようになった。本格的に人体解剖を行ったのは、16世紀のブリュッセル生れの外科医アンドレアス・ヴェサリウスだった。イタリアのパドバ大学で外科学と解剖学の講師となった彼は、自ら解剖した経験をもとに人体解剖図を作成した。遺体の防腐処理が生み出されていなかった当時の解剖は時間との戦いだった。1543年には、大著「De humani coporis fabrica(人体の構造について)」(通称;ファブリカ)を完成させた。この本で、彼は多数の美しく細密な解剖図が描かれていた。活版印刷の技術がもたらされた直後の時期であったので、この本は木版画で出版された。彼の観察によって、それまで医学界を支配していたガレノスの説の多くが修正されることになった。例えばブタの肝臓は5葉だが人間は4葉であることなど。ただ、彼の解剖は遺体であったため、生きた人体の機能に関しては、まだ解明できないことも多かった。
ヴェサリウスが提起したことは、単に医学の分野だけではなく、中世で支配的であった「古代の有能な学者のよって、多くのことは解明されている」という考えを変更することでもあった。

★単語
dissected
;解剖した、fascination;魅了された、reintroduce;再導入する、annoyance;腹立ち、decay;腐敗する、confront;直面する、立ち向かう、staggering;圧倒する、accurately;正確には

★フレーズ
stand up to
;~に抵抗する

※アンドレアス・ヴェサリウスAndreas Vesalius(1514-1564)「近代解剖学の祖とされる。ベルギーに生まれ,パリ大学のジャック・デュボワ,J.などの下で医学を学んだ後,パドヴァ大学(イタリア)で医学学位を取得して,すぐに23歳で外科学・解剖学の教授となった。7年間の勤務の後,神聖ローマ皇帝カール5世の招聘によって侍医となり,のちにはフェリペ2世の侍医ともなった。『ファブリカ』の略称で知られる著書『人体の構造について』は,初めて人体の完全にして組織的な記述をおこない,それまで正当とされてきたガレノスの論述の誤りを正した。とくに,心臓を起点とする血管を流れる血液が心房中隔を通過しないことを指摘したことはよく知られている。アヴェロエス主義と呼ばれる自然学研究が盛んであったパドヴァ大学では医学研究が隆盛し,のちに血液循環を発見するハーヴェイ,W.も同大学で学んだように,近代医学揺籃の地となった。」(平凡社「大学事典」より引用)

こちらも全く存じ上げなかった。ごめんなさい。ルネサンス期の人々の好奇心の強さやチャレンジ精神はすごいなと思った。


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