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1000日チャレンジ 961日目 東京建物Brillia Hall『ジャンヌ・ダルク』(観劇記録)

ゴールまで39日

★BMI:22.8

★先日、東京建物Brillia Hallにて舞台『ジャンヌ・ダルク』を観たので記録に残しておきたい。

劇場入り口のバナー

★舞台『ジャンヌ・ダルク』
会期】2023年 11月28日 (火) 〜 2023年 12月17日 (日)
会場】東京建物Brillia Hall
【演出】白井 晃
【脚本】中島かずき(劇団☆新感線)
【音楽】三宅 純
【監修・原案】佐藤賢一
【キャスト】
清原果耶 小関裕太 福士誠治 荒木飛羽 深水元基 山崎紘菜 坪倉由幸(我が家) 野坂 弘 ワタナベケイスケ 粟野史浩 りょう 神保悟志 岡田浩暉 榎木孝明
【主催】キョードー東京、TBS、イープラス、キョードーメディアス
【後援】TOKYO FM、TBSラジオ
【企画製作】キョードー東京
【公演概要】(以下、公式web siteから引用)
「―19才で燃え尽きた命―
フランスの若き救世主ジャンヌ・ダルクの知られざる真実とは―。
9年の時を経て蘇る伝説の歴史スペクタクル。
待望の再々演で、初舞台・清原果耶があらたなジャンヌ・ダルクを魅せる!2014年の再演から9年。コロナ禍やロシアによるウクライナ侵攻など、大きな時代のうねりを経て、いっそう凛とした佇まいを見せるニューヒロインが望まれるなか、ジャンヌ役として白羽の矢が立ったのは、清原果耶。フレッシュな感性を持って、自らの道を選びとるヒロインと向き合い、あらたなジャンヌ像を見せる。
およそ600年前。長きにわたるイングランドとの戦争(百年戦争)に疲弊したフランスに颯爽と登場し、目覚ましい活躍を遂げた後、わずか2年で火刑によりその命を散らしたジャンヌ・ダルク。彼女はなぜ、神の声を聞き、それを実現させることができたのか。また、なぜ国王や軍にかかわる人々は、一介の羊飼いの娘である彼女を認めたのか――。ジャンヌ・ダルクという一人の少女が、時代に、政治に翻弄されながらも、自らの信じるものを掴みとっていくまでの「生」に焦点をあてた人間ドラマを描く。」
【Story】(以下、公式web siteから引用)
「1431年。フランス国王・シャルル7世のもとに、ある乙女の最期を見届けた兵士が報告に訪れる。乙女の名はジャンヌ・ダルク。わずか13歳で神の啓示を受けたという彼女は、イングランド軍との戦争で窮地に陥ったフランス軍を鼓舞し勝利をもたらすが、やがて捕えられ、異端者として火刑に処されたのだった。
遡ること3年。故郷ドムレミ村でイングランド兵の襲撃に遭ったジャンヌは、"神の声"に導かれるように敵に立ち向かい、難を逃れる。傭兵レイモンとケヴィンの助けも得た彼女は、これを機に「フランスを救え、フランス国王を救え」と繰り返し語りかける神の声に従い、王太子・シャルルとの謁見を求めて行動を開始する。
1429年。シャルルとの謁見を果たしたジャンヌは、自ら甲冑を身に着け戦に身を投じると、イギリス軍の砦となっていたオルレアンを奪還。彼女の存在と活躍はシャルルを勇気づけ、正式な戴冠式を行う後押しともなった。ランス大聖堂で行われたシャルルの戴冠式にも列席したジャンヌ。だが、振り返ればこの時が、彼女の生涯の頂点でもあった――。
神の声が、ジャンヌにもたらしたものは何か。命を繋ぐ機会を与えられながらも、死を受け入れる道を選んだのはなぜか。ジャンヌ・ダルクの知られざる「生」のありようが、今、紐解かれる――」

◎感想
第1幕は100人近い出演者が繰り広げる大スペクタル活劇。まるでハリウッドの超大作映画の中に自分が入ったような感覚。音楽・効果音の音量も大きく、実際に座席が振動する。すさまじい迫力に圧倒された。客席通路も使った演出のため、通路側の席だった私のすぐ横を兵士たちが走り回る。通路周辺の客にしか聞こえないであろうはずのせりふのないキャストたちも、しっかりお芝居をしている。「大丈夫か!」「行くぞ」などと声を掛け合っている。こういう細やかな演出も好感が持てる。
一方で、お腹いっぱいだけど何か物足らないような感覚も宿る。これまで何度もジャンヌに関する芝居や映画を観てきた。いわゆる新劇系の演劇集団にとっても、若い女性が国に命を捧げて闘い、信仰を守るがゆえに教会によって異端とされて処刑されてしまうという英雄譚と悲劇の物語はかっこうの題材だったのだろう。商業演劇の世界でも、蜷川幸雄演出の「ひばり」では松たか子さんがジャンヌを演じていたし、今回の中島かずき脚本の舞台も再再演である。私は過去2回も観ている。物足りなさは、第1幕ではジャンヌの心の揺れや葛藤が、大迫力の戦闘シーンの演出で霞んでしまっていたように思ったからかもしれない。そして20分の休憩をはさんで第2幕が開く。
第1幕とはうってかわって、ジャンヌの心の葛藤が浮かび上がってきた。清原果耶さんは初舞台とのことだが、セリフの一言一言にどんどん惹きつけられていく。日本の演劇界に素晴らしいタレントがまた1人参加してくれたことに感謝したい。映像作品では、ややおとなしめのキャラクターを演じることが多かったイメージだが、活舌よく強弱のきいたセリフは魅力だ。
今回の作品では、ジャンヌの出生に秘密があるという説が採用されている。フランスでも根強い支持のある説のようだが、具体的な根拠はなく、そういうことなしに彼女の起こした奇跡を描いてほしかったようにも思う。1人の少女をめぐって大人たちがそれを利用する醜さ。教会の権威を守るために1人の信仰あつい少女を殺してしまうという愚かさ。中世の話、ではすまされない。現代でも、いままさに起きていることのようにも思う。ガザでウクライナで世界各地に、いまもジャンヌ・ダルクが生み出されているようにも思う。
最後は、第1幕後のもやもやも解消され、スタンディングオベーションで拍手を贈ることができた。

パンフレット&戯曲本




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