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1000日チャレンジ 637日目 三井記念美術館「国宝 雪松図と吉祥づくし」展

ゴールまで363日

★BMI:24.6

★先日、東京・日本橋の三井記念美術館で開催中の「国宝 雪松図と吉祥づくし」展を観てきた。印象に残った作品などを紹介したい。
会期;2022年12月1日(木)~2023年1月28日(土)
会場;三井記念美術館
主催;三井記念美術館

東京・日本橋 三井記念美術館
「国宝 雪松図と吉祥づくし」展

◎(以下、公式web siteから引用)「江戸時代中期を代表する画家、円山応挙(1733–95)は、対象の写生をもとに「描かれたモチーフがその場に存在するかのような絵画」という新境地をもたらし、当時の京都を席捲するほどの人気を得ました。当館が所蔵する国宝の「雪松ゆきまつ図屏風」は、応挙における写生の到達点とも言え、それゆえに「いかにリアルに描かれているか」といった迫真性や、奥行きを意識した構図など、空間構築性といった文脈で語られる機会が多い作品です。しかし、「雪松図屏風」が実生活において用いられる際、何よりも期待されたのは「おめでたい絵画」としての役割ではないでしょうか。「松」という主題の持つ永遠不変、長命といったイメージや、きらびやかな金泥や金砂子すなごが演出する祝祭的な気分もまた、本作品を語るうえで欠くべからざる要素と言えます。本展覧会では「雪松図屏風」を、お正月らしい鶴や七福神といった、縁起のよい主題の館蔵品とあわせて展示することで、「おめでたい絵画」としての一側面に光を当てます。また猫や瓜、牡丹など、あまり現代人には「おめでたい」イメージのないモチーフに関しても、かつてそれらが担っていた吉祥イメージを解き明かし、なぜおめでたいと見做みなされたかについて紹介いたします。何かと心の落ち着かない世情ではございますが、縁起物の描かれた作品の数々から少しでも、明日への活力を得ていただければ幸いです。」

◎円山応挙《雪松図屏風》18世紀頃、三井記念美術館所蔵

「国宝 雪松図と吉祥づくし」展のおみやげ

この作品は、江戸時代18世紀に京都の絵師・丸山応挙の筆によるもの。応挙作品では唯一の国宝指定を受けている。呉服商と両替店であった三井家の依頼で制作されたもの。各隻 縦155.5 × 横362.0 cm。紙本墨画金彩。

★今回初めて、この作品を観ることができた。まず第一印象は、思ったよりも大きい。そして美しい。細長い展示室の奥に飾られていたのだが、部屋の入り口で見えた瞬間に惹きつけられた。今回の展示は、他にもたくさんの”お宝”があったのだが、もうこれだけ観て帰っても十分と言える作品だ。平日の昼間で比較的空いていたということもあり、じっくり観察することができた。
 何がすごいのだろうか?狩野派や琳派の絵のように、装飾的であったり劇的な場面づくりではないのに、モチーフ(松と雪)そのものの迫力が伝わってくる。そういう意味では、西洋の近代画に通ずるような感じもする”写生”の上手さなのか。
 じっくり観察してわかったのだが、雪の白は、おそらく何も塗られていない下地の白なのだということ(間違っていたらごめんなさい)。ということは、描きなおしもできないような状況で、応挙はこの大作を描いたということなのか。とても精緻な筆致で描かれているように見えるのだが、松の幹の部分などは、速い筆遣いで一気に描いているようなところもあり、近代美術の父・マネの筆遣いを思わせる。マネよりも100年早く、日本には、こんなにすごい画家がいたことを、もっと世界で知られてもいいはずだと改めて思った。新年にふさわしい、素敵なお年玉を頂いた気分で、美術館を後にできた。




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