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1000日チャレンジ 393日目 『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』Day2 イタリア・ルネサンス②

ゴールまで607日

★BMI:24.5

★原著『A Degree in a Book: Art History: Everything You Need to Know to Master the Subject - in One Book!』(John Finlay著;Arcturus ;2020年)、日本語版『1冊で学位 芸術史~大学で学ぶ知識がこの1冊で身につく』(上野 正道監修;ニュートンプレス;2021年)を読みながら、英語で美術史を学んでいく。取り上げられている作品の中から、気になったもの、好きなものをピックアップして紹介していきたい。分厚い本なので、気長にゆっくり進めていく。

◎『洗礼者ヨハネの誕生』(15世紀イタリアの画家ジョヴァンニ・ディ・パオロ・ディ・グラツィア(Giovanni di Paolo di Grazia, 1399 - 1482)が1454年に描いた作品。

The Birth of Saint John the Baptist(ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵)

2作品目はルネサンス誕生期の多様性を示す作品として、このテキストで紹介されているもの。作者のジョヴァンニ・ディ・パオロ・ディ・グラツィアは15世紀シエナ派を代表する画家。この絵はいわゆる線遠近法では描かれていない。しかし、著者はこれが作者の無知によるものではなく、フィレンツエで用いられていた線遠近法に対抗する形で、シエナの画家パオロがあみだした描写法なのだと指摘する。すなわち、あえて遠近法の逆のような描き方をして、中央のヨハネの光輪に鑑賞者の視点を集めるようにベッドの枠線やフットボードが描かれていると。
この作品は、パオロがヨハネの生涯を描いたプレデッラ部4枚の内の1枚目にあたる。色鮮やかで、パオロの母の肢体やベッドの描き方は写実的でルネサンスを感じさせる。遠近法についての記述は、要するに、ルネサンス=線遠近法という単純なとらえ方をすると、大事なことを見落としますよということと理解した。

predella;美術用語。祭壇飾りの最下部にあたる部分。縦幅が短く横幅が長い矩形の一連の小画面をなし,板絵がはめこまれることが多いが,彫刻をはめこみ厨子として用いられることもある。ジェンティーレ・ダ・ファブリアーノ作の三王礼拝の祭壇画プレデッラ (1423,フィレンツェ,ウフィツィ美術館) など。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典より引用)
(原著 Chapter.3;p.42~61;The Italian Renaissance,;Art in Tuscany, 1260-1490)

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