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手汗が止まらない

わたしが20年以上従事している、カンボジアの児童養護施設「スナーダイ・クマエ」。
なぜここで働くことになったのかは、

このへんに詳しく書いております。

施設運営を続けていくうちに人前でお話する機会が増えました。
ひとつは、施設見学に来られる訪問者の方々への活動説明や院内案内です。
もうひとつは、帰国中にお声がかかる講演会や支援者向けの活動報告会です。

前者は、ホームでやらせてもらっている感覚があることと少人数での対面の会話ということもあり普通に話すことができます。

しかし、問題は後者です。
特に講演会となると不特定多数の方々に対してということになるので、どこから、何を話せばよいのが大混乱してしまうのです。

カンボジアの認知度が低いこともあり、導入部分を間違えると聞いてくださる方々がちんぷんかんぷんになるでしょう。
ごめんなさい、ちんぷんかんぷんにさせてきたことはたくさんあると思います。
カンボジアのせいにするのは申し訳ないな、わたしの技量不足です、完全に。

自分にとってもはやホームのカンボジア、アウェイにいる日本の皆さんにどうすればカンボジアのことがより伝わるのか、日本人の感覚を忘れてしまったわたしにはけっこうハードルが高いのです。
日本の皆さんが一般的に思い描くカンボジアという国のイメージと実像に乖離があることは分かるのですが、そのギャップを埋める伝え方に悩みます。

そして、その次に児童養護施設の運営の話になるわけですが、これまた普段の生活に馴染みの少ない話であるとともにここでの体験をお話しすることで皆さんに何を感じてもらえるのだろうか…。

なんていうことが頭をめぐると、胃のあたりに黒いモヤモヤが出現してしまって、マイクを持つ手から汗が止まらなくなります。なんなら声も震えてきます。
そんなふうに見えないと言われることも多いのですが、リラックスして話せることはまれです。

特にコロナの関係でマスクをするようになってからは、聞いてくださる方の目しか見えないので反応もよく分からず緊張しまくって手はびっしょりです。
大きくうなづいてくれたり、目から優しい視線を感じるとほっとします。

でも、今度の講演会ではなんとしてもリラックスしてお話がしたい。
子どもにかかわることで自分がどう変わっていったのか、それが子どもたちにどんな影響があったのか、手汗に気を取られることなく楽しんでお伝えしたいのです。

わたしの生まれた町でお話しさせてもらいます

なんや、告知かい!と。
まあそうなんですけど、今回は手汗問題に加えて、そもそもこんな謎のおばさんの話を聞きにきてくださる方がいるのだろうかという不安もあります。

地元で初の絵画展

講演会とともに子どもたちの絵画展も開催します。去年の作品とは違った新作を展示するため準備はほぼ完了しております。
絵を見ながらの作業は、毎回楽しくてそれぞれの子の顔を思い浮かべながら進めています。

なんや、やっぱり告知やん!と。
そうなんですけど、今わたしの頭の中は手汗を止めたいことでいっぱいです。
なにしろアウェイ(日本)のホーム(海南)で話すという、なんだかよく分からない状況ですし。

ご来場の皆様には、どうか温かく耳を傾けていただけますようよろしくお願いいたします。

マスク越しの温かい視線を熱望しております。

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