見出し画像

1000人のレジュメを見てきた人が伝える履歴書・職務経歴書の書き方


履歴書とは?

身分を証明するプロフィールを記載した書類です。
企業側は選考用として使用することはもちろん、企業によってはそれが内定の稟議を出す時の資料として、また、入社時の手続き正式書類としても活用するケースもあります。
転職活動時に忙しくて時間がないからと適当に記載したり、記載ミスがあったりすると、たとえ採用選考に合格したとしても、記載ミスが経歴詐称と捉えられてしまう場合もありますので、丁寧に作成しましょう。

履歴書の変化

2020年までは、日本産業規格(JIS)で様式例が定められていて、これを参考にした履歴書が作成されていました。しかし、性別や年齢、顔写真の欄が偏見を助長するとして、2020年にJIS企画の履歴書から様式例が削除されました。現在は新しい履歴書の基準が模索されています。ゆえに、写真を貼ることが強制ではなくなりました。稀に写真が必要な企業がありますので、ご確認ください。

備考欄の活用

学歴・職歴に空白の期間がある方や、転職回数が多くて「書類選考通るかな?」と不安な方、健康上への不安等があり入社後に企業側のケアを必要とする方は、備考欄に詳細や考慮いただきたいことを記載しましょう。(面接で伝えようと思っていても、面接の時間は限られていること、また、口頭だと忘れられてしまう可能性がありますから、大事なことは文字で残しておくことをお勧めします)


職務経歴書とは?

あなたがこれまでのキャリアにおいて「具体的にどんな業務経験をしてきたのか?」「どんなスキル・経験を持っているのか?」把握する書類です。

そして書類選考をする人事担当者は、企業が求める経験・スキルとマッチするかどうか、照らし合わせます。求めるものと近しいものがあれば、「ぜひ面接で詳しく聞いてみたい」と思いますし、そうでなければ書類選考はお見送りとなります。

もちろん、書類だけで全てがわかるわけではありません。「会ってみないとわからない」と人事担当者も思っています。しかしながら時間は限られていますから、複数エントリーがある中から、なるべく求める人材像と近い方を選んで、面接に招待します。
「書類合格するためには何を書けば良いですか?」と質問をいただくことがありますが、これを書いたら絶対合格という基準はありません。
その基準は企業によってバラバラですから、その企業をリサーチして、どんな人材を求めているかを把握した上で「自分は貴社が求める人材像に近いのである」ことを証明できるような書き方がよいでしょう。ここから、職務経歴書でのアピールの仕方をご紹介していきます。


自分らしさを表現しよう

人事担当者が求める人物像と近い方を選ぶとお伝えしましたが、それは、求めるスキルを持っているか否か(≒ 実績が出せているか否か )だけではありません。

その人がどんな仕事の仕方をする人なのか、どんな価値観を持っているのか、などその人らしさが垣間見えます。スキルが求めるものに足りているかはレジュメだけでは判断できないけれど、その人らしさに惹かれて「会ってみよう」と思うケースもあります。

◆自分らしさを表現するポイント例

  • 書類の書き方、魅せ方:大事なところに下線をひく、太字で書く←注意:多すぎると伝えるべきことが伝わらなくなります。

  • 文章の書き方:物語調の人もいれば端的に箇条書きをする方もいます

  • 自己PRの内容:一般的なワードで◯◯力と書く人もいれば、独自の造語を作って”表現される方もいます

  • フォント:明朝体とゴシックでは若干印象が変わります

  • 文字量:シンプルに伝え過ぎようとすると端的な印象を与えるし、長すぎると冗長的な印象を与えます

どれが正解・不正解ではありません。
受ける会社さんの社風や考え方によって、シンプルが好まれる場合もあれば、長くなってもいいのでちゃんと説明することを好む会社さんもあります。

自分らしさを表現した時に、それが受ける会社に好まれるかどうかが、書類選考の合否結果です。
その会社がどんな方を求めるのかがわかっていたら、それに合わせて書くのがいいでしょう。


数分で読めるように書こう

書類選考をする人事担当の人は、限られた時間の中で多くの履歴書・職務経歴書に目を通します。時間をかけて隅々まで読むことはできないため、数分で読んで理解できるよう、わかりやすく記載しましょう。

一番上の職務概要欄が非常に重要です。「ここを読めばあなたのキャリアが丸わかり!」となるように、わかりやすく3-4行でまとめましょう。

また、多くの人事担当者が履歴書や職務経歴書を、上から順に目を通します。
過去の経歴から順番に書いてしまうと、直近のご経歴に印象が残らなくなる可能性がありますので、経歴は最新のものから上から順に書くことをお勧めします。


読み手はあなたの会社のことを全く知らない

人事担当者は、あなたの会社のことを知らないケースがほとんどだと思ってください。取扱製品やビジネスプロセスなど、確かにホームページを見に行けばわかるかもしれませんが、そこまで読み込む時間はありませんから、調べなくてもわかるように記載しましょう。

所属している部署名が、明らかに誰から見てもわかるものであれば問題ありませんが、そうでない場合、とりわけ社内用語が使われていて、一般的な意味となる場合には注釈を入れておきましょう。

また、目標設定の根拠や、その業務の難易度も説明しておくと、読み手に伝わりやすくなります。

例えば、営業職だとして、毎年通年達成をされている方がいらっしゃるとします。一見素晴らしい経歴ですが、その達成率よりも「なぜ達成できたか」がポイントになります。


あなたは何ができる人なのか?

企業が知りたいポイントはこれです。これまでの経験を羅列して、「企業側に自分の得意や強みを読み取ってほしい」というスタンスで書かれる方もいらっしゃいますが、先述の通り人事担当者はそこまでじっくりと読み込む時間がありませんから、短時間でこれが把握できるようにわかりやすく記載する必要があります。

職務経歴書を初めて書く方に依頼をすると、これまで携わった職務や業務内容をズラっと羅列する方がいらっしゃいます。

一見、文字量も多く「キャリアが豊富な人」と見えるかもしれませんが、人事担当者はそれをみて「この人は色々書いてあるが結局何ができる人なんだ?」と強みが判断できずにお見送りとなるケースが多くあります。

大事なのは、これまでやってきた業務内容ではありません。何を考えてどんな仕事をしてきたか?です。

具体的には

  • どんな問題が発生していて

  • どんな課題設定をして

  • どんな打ち手を打ったら

  • どんな結果が出たか?

をそれぞれの業務内容で深掘りして振り返り、記載しましょう。

1つの業務内容に対してここまで振り返ったら、全部の業務内容は書けませんね。
そうです、業務内容を書くのではなく、何ができる人なのか?を表現するのです。


本人希望欄に何を書くか?

履歴書の一番下にある、本人希望欄。ここにどこまで希望を書いていいか?と質問されることがあります。ここは書類選考で考慮して欲しい内容がある場合に書きましょう。つまり、どうしても受け入れてもらわないといけない事情です。

居住地が遠方であるときは、リモート勤務が必須ですし、18時に絶対退社しないといけない方は、それを記載しましょう。

ただ、もちろんそれが企業側の都合と合わない場合もあります。リモート勤務を推奨していない会社の場合は、その記載で書類選考をお見送りになるケースもあります。

MUST条件は必須で記入し、BETTER条件は面接の中で伝えるようにしましょう。

ちなみにですが、勤務条件に関しては、入社後に変わる可能性があることを認識しておきましょう。それは企業側だけではありません、転職者であるあなたもライフイベントやステージの変化によって変更せざるを得ない可能性があります。つまり大事なのは、個人の状況に企業や組織がどれだけ柔軟に対応できるか?であり、ルールがどうか、ではありません。


定期的にアップデートしてみよう

転職活動の際に、一気に過去のキャリアを全部振り返るのは非常に大変です。また、転職することを決めた状態で振り返ると「今の会社を辞めたい、転職したい」という想いがバイアスとなってしまって、フラットに考えられなる場合もありますので、転職するか否か全く考えていない状態でキャリアを振り返ってみましょう。
キャリアの振り返りツールとして有効なのが履歴書・職務経歴書を書くことです。
これまでどんな仕事をしてきたか、それぞれの職場・職務で経験した「問題・課題・打ち手・結果」がどうだったかを振り返り、ご自身の強みややりがいなどを振り返りましょう。
定期的にアップデートすると、ご自身の成長を感じることができたり、現時点が夢や目標に近づいているかどうか、外れていないかどうかを確認することができます。


Q&A

  • 履歴書・職務経歴書は手書き?

受ける業界によります。出版業界等であれば、手書きのものを推奨されるケースもありますが、一方でITweb系の企業を受ける場合に手書きで作成したもの提出してしまうと「IT業界を志望しているのにPCが使えないのか?」と勘違いされる場合がありますので、業界に応じて使い分けましょう。とはいえPCで作成するケースがほとんどです。


  • 趣味・特技って書く必要ある?

あります。ここを書いていただけると多少でもお人柄がわかるので、あった方が良いです。また、面接官と共通点があれば、面接の場が盛り上がって、話しやすい空気を作ることができます。書いておいてネガティブなことは特にないです。


  • 企業ごとに履歴書・職務経歴書を分ける必要はある?

企業ごとに求める経験やスキルは異なりますから、分けて書くことができたらベストだと思います。一方で、これまでの経験を活かして転職する前提において考えると、企業ごとに書き分けられるほど、多くの職種・仕事内容を経験している人はいないので、基本的にはシンプルにこれまでの職務経歴・経験を表現するのが良いでしょう。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?