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静けさと桜

花はいつでも静か
泣いたり笑ったりしない
泣かせたり笑わせたりするけど
それは、花がしてるわけではない

花束をもらったことがある人は多いだろう
それを持つとき、人は抱き寄せるように身に包む
覗き込むと自分を見上げている花たちをみて、思わず感情が溢れ出る
嬉しくなったり、感謝したり、照れ臭くなったり
魅了される、虜になる一瞬がそこにある
赤ん坊を抱くことに近いのかなと空想する


この前、ラジオで聞いたのは
桜が咲いてから散るまでの間、公園を封鎖するというはなし

咲いてから散るまで封鎖
変な言葉遣い
前と後で繋がる言葉を間違えたように見える
がしかし、今回に限っては、それが正
世の中に起こる「明らかに変、が正しい」というのはこういう時なのか
もちろん、人間にとっては、という条件つきで

桜は何にも変わらない
咲いて散っていく
誰もいない広場で満開になった桜を想像する
いつも以上に空気は澄んでいるだろう
鳥がたくさんいるかもね


静けさと桜
ただただやはり、美しい
想像の花見も、人の心を豊かにしてくれる
















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