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レンズフード自作 〜初号〜 その3

レンズフード自作 〜初号〜 その2 ではメイン部分の製作過程を紹介しました。その3では、レンズフードの完成まで説明します。


<図面>


完成へ

取付け部

FSQ-85EDPにはフード部分があり,そこに自作フードを着脱することを想定している。本記事ではフード部分も含めて鏡筒部分と呼ぶ。

鏡筒に黒フェルトを1周程度巻きつけ,上から幅約4cm×鏡筒1周の長さ分の両面テープを貼って型取りをする。
※ 鏡筒1周の長さ:115π mm

フードの内側側面に貼るので一応黒フェルトにした。

取付け部分にフェルトを採用したのは、鏡筒本体を傷つけないよう取付けるためだったが、滑り止めとしても非常に有用であった。アルミロールの裏側よりもフェルトの方が表面に凹凸があるので,抵抗力(摩擦力)がより大きくなったと考えられる。

フェルトの幅はかなり余裕を持って切断する。

ミルフィーユ状に重ねられたアルミシートの最も内側の部分に、両面テープを貼った黒フェルトを貼り合わせる。余った黒フェルトは上の写真のように外側に折り返す。

ここで、鏡筒にピッタリはまるかどうか確認する。

アルミシートを内側に重ね、鏡筒のフード一回り分の空間を開けるまで重ねる。
この一回り分がフェルト一周分である。

両面テープのみでは心許無いので、黒フェルトの上からアルミシートを重ねた部分が剥がれないよう、アルミテープで固定する。黒フェルトが5mm程度見えるようにしておく。

アルミテープを全体に巻き付けていく。空気が入らないよう気をつけつつ、二重・三重にすると防水効果が増すだろう。


仕上げ

ピンクフェルトを直径120mm-150mmの環っかの形に裁断し、アルミテープの上に被せ、接着剤で貼り付ける。これは着脱時に鏡筒本体を保護する工夫である。

写真のように白い部分(アルミシート)を見えるように黒フェルトの貼り合わせを行っている。

上質なフェルトであれば心配する必要はないかもしれないが、フェルトはどうしても擦れるとゴミが発生する。フェルトの切断面を境界面にしないことで、少しでも鏡筒内にゴミが落ちないよう工夫した。

白黒のコントラストにより境界線が目立つことも利点である。

No.020は対物側を上にして撮った写真である。見栄えを良くするため、直径120mm-150mmの輪っかをアルミテープに接着剤を塗り、貼り付けている。

この輪っかの表面及び内側側面にはラミネートを施した。ラミネートは至って簡単で、植毛紙が入っていたビニール袋をコンパスカッターで適切な図形に切断し、両面テープで貼り付けただけである。

この輪っかを接着剤で貼り付ける。


確認作業

接眼側から覗き込んだ写真

中心線も概ねずれることなく、真円を保っていることが確認できたので一安心。


課題

植毛紙を隙間なく貼り付けたのが原因だと考えられる。その2 でアルミシートをきつく巻いたところ盛り上がってしまった。わずかに白い線が見えるのは残念な点。

とは言え、無事完成。

概ね綺麗な筒状に仕上がりました。



参考文献(敬略称)

(1) Lambda. 衝撃!筒内気流除去の術 , エコノミー天文機材で行く、ゆるーい天文趣味. 2019-05-18.

(2) HIROPON. Twitterより引用. 2020-04-29

(3) 近江商人. 反射望遠鏡のフードのDIYレシピ, note. 2020-8-10.

(4) 国際光器. ゴーストバスター『国際光器植毛紙』

(5) 三基光学館. 究極の結露防止アイテム登場 FT Lens Shade.

(6) 玉島英樹 (たま).ε-180ED用段ボールフード(遮光環付き)の製作, たまのペーじ. 2017

(7) たらちゃん. FSQ85ED(Baby-Q)用、段ボールフードの作成, たらちゃんの天体観測. 2015-05-12

(8) 山口のじぃ. NGC7293:フード内遮光環効果についての一考察!, 頭上のお宝. 2016-06.

(9) “お手製フード”はいかが!?, 宙のジグソーパズル. 2020-03-26


本日もお読みくださりありがとうございました。









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