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読んだ本の書評をアップしています。基本的に幅広いジャンルを読むように心がけていますが、文学、エッセイ、評論など、人文系の書籍が多めです。
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2024年10月の記事一覧

【書評】「リアル」な異世界譚――『大転生時代』

 ライトノベルにおける人気ジャンルとして、「異世界転生モノ」が挙げられる。不慮の事故など…

【書評】違和感の連鎖――『あひる』

 昨年から今年にかけて、今村夏子の小説を多く手に取った。  デビュー作である『こちらあみ…

【書評】悪意といかに向き合うか――『ぼくのメジャースプーン』

 辻村深月は物語の中に哲学的な思索を織り交ぜることに長けた作家であるとつくづく思う。「大…

【書評】"親子愛"の本質とは――『琥珀の夏』

※本記事には物語の核心に触れる部分があります。  子どもの発育・発達過程で欠かせないのが…

【書評】ハライチ岩井が活字でラジオする!――『どうやら僕の日常生活はまちがってい…

 エッセイとはさしずめラジオのフリートークのようなものだと思う。いずれも日常生活で体験し…

【書評】現実とフィクションの"あわい"――『SFアニメと戦争』

 本書は近現代の戦争や国際政治の動向を、日本のSFアニメーション作品を参照しながら解説し…

【書評】永久不変の価値観を疑え――『殺人出産』

 非常にセンシティブな表題だが、作品そのものは示唆に富んでおり、読者の想像力を刺激する仕上がりとなっている。「常識」を攪乱する村田節も健在だ。  「10人産んだら、1人殺せる」——命をつくる者が人の命を奪える「殺人出産システム」(以下「システム」)によって人口の調和を保つ近未来の日本が舞台。10人産む人は「産み人」と呼ばれ、崇高な存在として見られていた。そして、産み人に殺された人物も「皆のために犠牲になった素晴らしい人」として崇められる。  人を殺めても裁かれない仕組みが

【書評】「普通」という価値観への疑問――『コンビニ人間』

 本作が投げかけるのは伝統的価値観への疑問だ。学校を卒業したら正社員として働く。結婚・出…