見出し画像

英検1級合格体験記<第6話:二次試験本番~痛恨のミス~>

2022年3月に英検1級に一発合格しました。受験を決めて合格までの約3カ月の軌跡を、勉強法や本番の雰囲気なども交えながら、脳内関西人・富田氏(仮名)と林氏(仮名)の会話風でお届けします。

第5話:二次試験対策 の続きです)


第6話:二次試験本番


富田: 
面接官ってやっぱりネイティブ?

林: 俺の時は、白人男性と日本人女性の二人やった。ふたりともマスク越しでも分かる笑顔で話しやすかったわ。

富田: 面接ってどんな流れなん?

林: 部屋に入ったら、3~4m離れたところに面接官2人が座ってて、その正面の席に座るよう言われるやろ。ほんで、自己紹介で名前をお互い言い合って、ちょっと雑談タイムで「仕事何してんの?」って聞かれた。これは想定通りやったけど、「仕事での一番の成功は何?」って聞かれたのは想定外やった。

富田: 転職の面接か思たわ。

林: 最初の雑談が1~2分やと思うけど、その後、机の上にある黄色い紙を裏返すように言われる。そこにはお題が5つ書かれてあって、1分で、2分スピーチの題材を選んで、何を話すか考える。

富田: 1分で2分?計算おかしないか?

林: 60秒しか準備でけへんから、ほぼ即興やな。どのお題を話すか悩んでる暇はないから、基本的には1番上のやつで行こうと思っててんけど、1番目がタックスヘイブンが云々かんぬんでピンと来んくて。2番目が「自動運転は10年以内に普及するか」っていう設問やったから、そっちにした。3番以降は見てもない。

富田: 確かにタックスヘイブンよりは話しやすそうやな。

林: 自動運転は、仕事でちょっと関係してて詳しかったしな。既に自動運転技術がかなり発展してること、運転手不足解決のキーになることを理由に賛成って話した。2分経過前に終わってしもたけど、話し終わって3~4秒でタイムキーパーの人が「時間です」って言うたから、大体ぴったりかな。

富田: 話すときに時計見れんの?

林: 腕時計はしててもええと思う。少なくとも禁止はされてなかった。練習の時は時々目線落として腕時計を見ながら話す練習してたけど、本番はさすがに緊張してたからか、話し始めのタイミングで秒針を確認するのを忘れた

富田: 痛恨のミスやな。

林: 一次試験用に買った腕時計が秒針見にくいやつやったから、わざわざ秒針見やすいのを新しく買うたのに。

富田:最初から秒針見やすい時計に買っといたら良かったな。

林: ほんまそれ。で、2分スピーチの後は、質疑応答や。「自動運転で事故が起こったら誰が責任負うの?」とか「運転が好きな人も多いけど、それでも自動運転が普及するか?」とか、「自動運転に不安を感じる人も多いけど何でやと思う?」とか聞かれて、それはちゃんと答えられたと思う。ただ、参考書とかには「ひとつの質問には30秒から1分くらいの長さの回答が求められる」って書いてたけど、本番ではそこの意識が飛んでた。ごく普通に会話してしもてたから、短すぎる回答があったかもしらん。

富田: お前ぶっきらぼうやからな。

林: 性格で英語力測らんといて欲しいけどな。あと、振り返ると、「こういえば良かった、ああ言えば良かった」と思うことがぎょうさん出てきた。たとえば「運転が好きな人も多いけど」という質問には、「アナログレコードのように趣味の世界では残るけど、大体の人は便利な自動運転に流れる」って答えたけど、「人間が運転する場合は保険料がバカ高くなって、そういう制度設計が自動運転の普及を後押しする」とか言えたら説得力があったやろな、とか。

富田: 英語というより、知識というか考え方というか性格というか、そっちの問題やな。嘘の立場では難しいというのは確かにそうかもな。

林: 知識と考え方と性格を一緒くたにしたら、何が残んねん。

富田: 知識はどうやって勉強したん?

林: ライティング対策の本の他は、英検用の本とはちゃうんねんけど、「新・日本の論点」って本が役に立った。これは対訳本で、英語の表現を知ることもできるし、政治経済とか国際関係、環境、教育とか、色んなお題がコンパクトにまとまっていて、面接で具体例を出すのにも使えた。実際、面接でも高齢ドライバーのブレーキ・アクセル踏み間違えの話をしたけど、「踏み間違え」も、この本を読んでなかったら直ぐに英語で言えんかったと思う。

新・日本の論点 (対訳ニッポン双書) | ジェームス・M・バーダマン, イヴォンヌ・チャング |本 | 通販 | Amazon

富田: 踏み間違えって何て言うん?

林:  この本では、"step on the accelerator rather than the brake"って言ってて、そのまま使ったら、ネイティブ面接官が「そんなん危ないやん!ホワイ、ジャパニーズ•ピーポー!?」って顔してた。

富田: 厚切りやん。

第7話:受験を振り返って に続く>


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?