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お楽しみ会で「学校かくれんぼ」【#新しいカギ×#逃走中】


小学校教諭のsmyle(スまイル)です。
今年度は6年生を担任しています。


noteを始める前の昨年度末、
Xに「お楽しみ会」についてのポストをしました。



学校でかくれんぼ!?



冬休み前に行ったお楽しみイベント
「学校かくれんぼ」

はじめに、子どもたちから
「冬休みに入る前に、お楽しみ会やってもいいですか!?」
という提案があり、了承。
早速、学級会でアイデア出しを行いました。

鬼ごっこ、ドッジボール、フルーツバスケット…
いわゆる王道系?の遊びが列挙されます。
当然のことかもしれませんが、
「いままでやったことがある遊び」という範疇から
子どもたちは、なかなか抜け出せないものです。

そこで、
「今までやったことのない、新しいことをやってみませんか!?」
「『そんなことできるの!?』と思うことも、まずは言ってみよう!」
と投げかけました。


子どもたちから意見が出てくる中で、何人かから挙がったのが
「逃走中をやりたい!」というアイデア。

もちろん、校舎内で出来たら最高。
けれど、それは現実的には難しい。
じゃあ校舎外?冬だし環境的に厳しそう。
やっぱり校舎内?でも校内でやるとなると、
逃走中のように走り回ることはできない…

すると誰かが、
「かくれんぼなら、できるんじゃない!?」

校内を走り回らずに、
且つ校舎をダイナミックに使う遊び。
「校舎全部を使った、かくれんぼをしよう」

そうして、
「学校かくれんぼ」が開催される運びとなりました。



この遊びを楽しいイベントとして成立させるには、
①ルールを整えることと、
②他の先生方に周知し、ご理解とご協力をいただく

ことが重要だと考えました。


①ルールを整える


まずは、どんなルールにするのか、話し合いました。
クラスに大の「逃走中」好きがいるので、
「ゲームマスターという役があってね…」
など、いろいろと教えてくれました。

というか、逃走中が好きな子は結構いるので、
熱を帯びた話し合いが展開されました。

話し合いの板書

まとまったことを
掻い摘んで紹介すると、

【全校かくれんぼ】
・かくれんぼだが移動可。移動は静かに歩く。(走ったらアウト)
・鬼は見つかり名前を呼ばれたらアウト。
・隠れるのは指定した特別教室。他学級の教室・トイレはNG。
・破損、危険個所侵入、他学級への迷惑NG。
・制限時間は授業が終わるまで。
・クラス約30名中、鬼4名、ゲームマスター2名。
 ゲームマスターは、鬼の手伝いやミッション発動・タイム管理。
・逃走者はタブレットを持って逃走。ミッションはタブレットに送られる。
・鬼とゲームマスターは持参しているタブレットで
 zoomで繋がり、確保情報や指示のやりとり。
・復活ミッションあり(3回)
 


大枠が決定すると、
早速かくれんぼ当日に向けて動き始めました。
・鬼やゲームマスターは、ミッションを考えたり
 仕込んだりの準備を始めました。
・逃走者たちは、休み時間に校舎を回り、
 良い隠れ場所の調査・下見に向かいました。


ちなみに、子どもたちが考えた復活ミッションは、
①校舎内に隠された宝を全部見つける。
 見つけたら、写真に撮ってゲームマスターに送る。
 全部見つけられなかったら、鬼が1体増える。
②2人で写真を撮る。
 別の逃走者を探し、見つけたらペアで写真を撮って送る。
 一定数の写真を送ることができたら、5人が復活できる。
 (復活できる子は、指名でなくじゃんけんで決定)
③Kahoot!対決
 タブレット上で参加コードを送り、逃走者でKahoot!対決。
 捕まった人が上位5人に入った場合、解放。
 捕まっていない人が上位5人に入った場合、指名して解放。

他にも候補はあったようです。
よーく考えられていますね。



そして、いよいよ開催!

結果、
とにかくめっちゃ楽しそうでした!


ちなみに、上記のミッション①・②は
子どもたちが移動して見つかるリスクを恐れ、
ほぼほぼ隠れた場所から動かなかったので、
いずれもミッション失敗。
(見つかった宝は1個のみ、送られてきたペア写真も2組のみでした。)

一方、ミッション③は大盛況でした。
毎日のようにKahoot!を授業に採り入れていたからか、

ガンガン使いこなしています。


結果的に、
思ったより逃走者が捕まるのが早いこともあり
ミッションは機能不全気味でしたが、
ゲームマスター&鬼の子どもたちが、その状況を見て
「よし、逃走者が減ってきたから、全員解放!」
を、3回も発動してくれました。(笑)

このゲームの1番のウィークポイントは
早めに捕まった人が、ひたすら暇である、という点にあると思うのですが、
寛容な鬼さんたちの計らいで、全員解放が乱発されたので、
逃走者たちは「逃げる」「捕まる」を
何度も味わえて楽しそうでした。


子どもたちは、得てして「全く捕まらない」ことを
鬼ごっこにおける楽しいことと思いがちなのですが、
一向に捕まらず停滞している時間って実は面白くなくて、
鬼ごっこで本当に心が揺さぶられるのは、
追われたり捕まったりする瞬間ですからね。

子どもたち、絶妙なゲームバランスをとっていて、素晴らしかった!



②他の先生方に周知し、ご理解とご協力をいただく


こういった、範囲の広いお遊びをする際は、
他の先生方に肯定的な目で見ていただけるように
事前に内容等を周知しておくことが大切だと思います。

まず何より、校内の特別教室の確保です。
かくれんぼとしては、
出来るだけたくさんの特別教室が確保されている方が
面白味も広がるのですが、
そのために、他の学級の授業を邪魔したり、
ましてや授業で使おうと思っていたのに使えない、
なんてことがあってはいけません。

ですから、
特別教室の配当表とにらめっこしたり、
先生方に特別教室の使用状況のお伺いを立てたりしながら、
逃走場所を確保していきました。

①確保した教室
・図工室 ・理科室 ・会議室 ・体育館
・家庭科室 ・PC室 
②使用不可の教室
・音楽室 ・図書室

これを、管理職をはじめとして先生方に改めて連絡。
これらの教室を使うことと、
ご迷惑をお掛けしないよう指導の上やることをお伝えしました。

すると、とある学級の先生から
「楽しそうなことやっていますね!
 この時間別の授業をするので、音楽室使ってください!」
と、なんと元々音楽室の使用予定に入っていた学級の先生が
嬉しい提案をしてくださいました。

もちろん、気を遣っていただいた可能性もゼロではありませんが、
事前にしっかりと先生方にお伝えしておくことで、
「楽しいイベントになりましたか!?」と
終わった後に声を掛けていただけるくらい、
肯定的にイベントのことを受け取ってもらえました。
ありがたかったです。



そして、第2回の開催へ


冬休み前に行った全校かくれんぼ。
冒頭のポストにあった「またやろう」が実現!
この年度末のお楽しみ会にて、第2回戦を行いました!

ちなみに、お楽しみ会の内容が
いきなり「かくれんぼ」に決まったのではなく、
お楽しみ会の内容は、再び1から話し合われました。
1回目の経験があったからか、王道系にとどまらず
今までやったことのないような企画案が色々と出てきました。
一度、壁を突き破ってみる、という経験は大事なのですね。

それでも、
結局は前回が楽しすぎたのか、
「学校かくれんぼ 第2弾」に決定しました!


学級会では、前回の経験を踏まえた
改善点について検討しました。


【変更点】
・鬼の人数…前回すぐに捕まった反省から、4人→3人
・一見して「鬼」と分かる格好をする
・鬼は見つけたら名前を呼ぶ(前回は不徹底だった)
・鬼は待ち伏せせず、逃走中ハンターのように動き回る
・復活即確保とならないように、一斉解放直後、鬼は本部へ戻る
・ミッション候補→時間が経つにつてエリアが狭くなる

何でもそうですが、
1回やっただけでは、
「反省」はできても、それを生かすことができません。
こうやって、2回目を開催するからこそ
成長や伸びを実感できますね。


そして先日、2回目を実施しました。
結論から言うと、大成功でした!

子どもたちが考え、実際に行われたミッションは、
・mission① 鬼解放を防げ!!
 iPadのカメラ機能で、2人以上で写真を撮る。
 その写真をゲームマスターに送る。
 2枚以上写真が来たら鬼は解放されない。
・mission② 絵の主を当てろ!
 次のページにイラストが載っている。
 そのイラストは誰が描いたのか3択から選び、
 番号を書いてゲームマスターに送る。
 3人以上正解したら、全員復活できる。
・mission③ 特定の場所を撮れ!
 このカードに載っている写真の場所を
 iPadのカメラ機能で撮れ。
 撮ったらゲームマスターに送ること。
 送られた写真をゲームマスターが2つ以上認めたら、全員復活できる。


前回は、あまりミッションが機能していませんでしたが、
今回は絶妙な難易度に調整されていました。
やはり「2回目をやる」って大事ですね。
その調整力、大したものです。

一点、
mission③の、写真を撮るべき場所が
「体育館」付近に多くあったのですが、
ハンターが体育館付近でうろちょろしていたので
「待ち伏せだー!」「そりゃないよ!」と
(冗談っぽくですが)軽いブーイングが起きました。

まあ、本物の「逃走中」でも、
ミッションに行こうとしたら、ハンターが居て行けない!
チクショー!なんてことは、良くありますからね。
「逃走中」のハンターのように、
意思を感じさせず、無機質でランダムな動きをするのは難しいですね。
そんな中、鬼(ハンター)役の子どもたち、よく頑張っていました。

今回の成功体験が、
これからの中学校生活やその先の
例えばイベントづくりなどに繋がったら、
こんなに嬉しいことはないですね。



ちなみに、実はもう1回、
本当に卒業間際の1時間を使い、体育館にて
「戦闘中」を行おうかと目論んでいます。

(「逃走中」から派生して生まれた番組が「戦闘中」)

これも、「ドッジボールやりたい」という声から
じゃあ「戦闘中にしちゃえばいいんじゃね!?」という話になり
「何それ、面白そう!!」←今ここ
となって、現在に至ります。

初めての試み、上手くいくのかな!?
実現したら、紹介しまーす!

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