見出し画像

奈良に来て感じた日本の観光の未来

年末年始の旅行で奈良にやってきました。奈良には何回かきているのですが、今回は今までで一番外国人旅行客が多くアフターコロナと日本の観光の可能性を感じました。そこで今回は今まで30カ国以上を旅行した経験を踏まえて、奈良の観光について思うことを書きたいと思います。

①疑問:20年以上変わらない品揃え

私が初めて奈良に来たのは小学校の修学旅行の際でした。そこで正直よく歴史的背景を分かっていない東大寺の大仏を見て、鹿せんべいをあげて、ブランドをもじったお土産を買ったことをよく覚えています。当時は数千円のお小遣いからどのようにお土産を買うか真剣に考えましたが、今は自分がこれが欲しいと思ったものはある程度お金を出して払うことができる立場になりました。しかし、正直買いたいものがないのです。10個入りで700円程度の団子、先ほど言ったような何かブランドをもじったお土産。よく木下さんやちきりんさんが言われているように奈良のお土産は修学旅行生をターゲットに設計されているのだということがよく分かりました。

外貨を稼ぐために国産のハイブランド店を

では、上のようなお店の代わりに何を売ったらいいのかというと、私は国産のハイブランド店を入れるべきだと思います。過去に行ったイタリアのヴェネツィアやスペインのトレドは日本のようなチープなお土産だけでなく、その国のハイブランド(プラダやフルラ)のお店が観光地のお店の中に点在していました。旅行に来ている開放感からそのようなものを買いたくなりますし、路面店はこれは本店にはないのでは?と不思議に買いたい気持ちにさせます。これから日本が観光立国として外貨を稼いでいく為には、これらの修学旅行生ようのお土産に代わり、日本のハイブランド(イッセイミヤケやタサキ等?)や日本の工芸品(食器や鉄器)を入れていくことが必要なのではないかと感じました。

②疑問:街探索のワクワク感がない

上にあげたようなイタリアやスペインの観光地は路地裏までお店がびっしりと入っておりこの路地裏にはどんな素敵なお店があるんだろうとワクワクしながら街歩きをしたのに対し、奈良の路地裏は民家が多くどうせここを歩いて行っても大したお店はないんだろうなと感じてしまいます。観光地なのに突如現れる廃墟のような町工場や民家が観光地の雰囲気を台無しにしていると言わざるを得ません。街全体で観光地にすることが設計されていないという木下さんのお話をここでも思い出しました。

②何か行きたくなる施設を作りそこいくための動線も合わせて設計する

2021年に奈良駅近くに鹿狐猿ビルヂングという中川政七商店がプロデュースする施設ができました。そこでは洗練された日本の工芸品や雑貨、食べ物と合わせて飲食店やカフェがあり、たくさんの人が集まっていました。奈良には数回行っていましたが、このビルヂングができたことで普段通らない路地裏を通ることになり、そこにいくまでにこんなお店があったのかと発見にもなりました。このような目玉となる施設を作り、そこに至る動線も観光したくなるお店を設計することで、より魅力的な街になるのではないかと思います。

観光客の増加に日本の観光の可能性を感じるものの、改善すべき点が山積していると感じた奈良の旅行となりました。