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せっかく実家に帰ったら相続の話をした方がいいという話(今にもモメそうになっている筆者家)

10代の頃は気にも留めていなかった親や祖父母の相続問題。

高齢の祖母がいる母子家庭の筆者家。

大人になって、祖母の体調問題が出るにしたがってちらほらと相続の話題が出るようになって、私も不動産の仲介という仕事で相続案件を扱うこともあり、今までまるで放置していた「我が家の相続問題」について徐々に考えるようになりました。

祖母は二度の高齢ガンを克服し、80を過ぎても現役で商売をしていたスーパー元気な婆ちゃんで、地元ではちょっとした有名人。

そんな老い知らずのスーパー婆ちゃんは、仕事を引退して数年後に、軽く転んで骨折し、しばらく歩けなかったのをきっかけに一気に衰えていったようで、海外生活もあり数年間実家に帰らなかった私は、久しぶりの帰省で会った祖母の衰え具合に驚きました。

耳は遠くなっても会いに行けば喜んであれやこれと世話を焼いてくれていた祖母の一言目が「あんたは誰やったかね?」である。

半年に一度は帰ろうと決めるも、会うたびに覚えていること、できることが減っていく祖母。
「じゃあまた半年後」なんて言っても、半年後にどうなっているかが怖い。
衰え始めた年寄の体は、自分たち若者の体と同じ時間軸では生きてないだなと痛感しました。

私が仕事で知識を蓄えたこともあって、あるとき母に「バァちゃんは遺言とか相続の準備しているのかな?」と尋ねたところ、実は私のあずかり知らないところで相続をめぐる静かな睨み合いは既に始まっていたようで、母の口からは兄弟間での相続をめぐる"汚い"出来事が出るわ出るわ。

並べるとキリがないですが、一番衝撃的だったのは、「これはあなたが使いなさい」と祖母が私の母に譲った、祖父の遺族年金の通帳を奪い取られたことでした。

手口は簡単。叔母が嘘の紛失届けを出して祖母名義の通帳を再発行。

定期的に中身を確認していた母が、あるとき譲り受けた通帳が無効になっていることに気づいたことで発覚したそうです。

いや普通に刑事事件だぞと。

しかし私の母は、嫌な気持ちになる争いごとをするくらいなら、自分一人が負ければいいやと貧乏くじを引きにいく人で、そんなことをされたにも関わらず何も抵抗していないんだそう。

女手一つで苦労して自分たちを育ててくれた母が、このまま舐められて一人負けさせられるのはどうしても黙っていられない!と、相続人ではない私と私の兄弟たちが"参戦"し、母にアレコレと入れ知恵をし始めた、というのがここ半年のことです。

もっと早くに自分が話を切り出しておけばよかった。ほんとに。

ちなみに過疎化が進み人口が1万人を切っているようなド田舎に住む祖母の資産は雀の涙ほど。

その一滴を少しでも多く取らんがために、筆者が小さいころからよく世話をしてくれた優しい叔母さんがそんなことをしてしまうのだから、相続とは、お金とは怖いものです。

これが都内に不動産を持っている家庭で、相続資産の桁が変わってくると、いったいどんなことが起こってしまうのだろうかと。

相続する側も相続される側も、”まだ早い”と思わず、家族で集まれるときに話し合って、キッチリとまとめておくことがいかに大切か、恥ずかしながら身をもって勉強させられた(現在進行形)不動産エージェントでした。


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