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【肩甲挙筋・前鋸筋・菱形筋】肩甲骨内側縁につく筋シート

肩甲骨まわりの筋、「肩甲挙筋」「菱形筋」「前鋸筋」を見ていきます。

ヒトの身体の肩甲骨は上肢の近位部を形成しています。
これは下肢の近位部の骨盤、寛骨と比較してみますと、その違いは明瞭です。

寛骨、骨盤に関しては、背骨である仙骨と関節し固定されています。

一方で、肩関節を形成する肩甲骨は背骨とはくっついていないんですね。
自由なんです。
これが人の上肢の自由な運動を可能にしている要因の一つです。

では、肩甲骨は体幹から離れてしまって中に浮いたままなのかというと、そうではなく、筋によって体幹と結ばれています。

その肩甲骨と体幹を結ぶ筋が、これらの筋です。

肩甲挙筋は、肩甲骨の内側縁上部と頸椎の横突起を結んでいます。

菱形筋は、小菱形筋と大菱形筋がありまして、どちらも肩甲骨内側縁から胸椎の棘突起を結んでいます。

そして前鋸筋は、肩甲骨の内側縁と肋骨を結んでいるんですね。

これら筋の起始停止、その形を見ると筋の働きが分かります。

肩甲挙筋はその名の通り、肩甲骨を上に持ち上げる。
菱形筋は肩甲骨を背骨側、正中側に引き寄せる。
そして前鋸筋は肩甲骨を前方にシフトさせる。
このような働きがあります。

骨構造を取り外して、筋だけ取り出してみると、一枚のシート状の構造物として認識することができます。

肩甲挙筋、菱形筋、前鋸筋は、それぞれ名前がついている筋なんですけども、すべて肩甲骨内側縁で出会う。
そして一枚のシート状の構造物として認識することができます。

最後にこれらの筋の支配神経を確認しておきましょう。
これらの筋は腕神経叢の近位部から分岐する神経によって支配されています。

肩甲挙筋と菱形筋は、肩甲背神経によって支配されています。
腕神経叢の近位部から起始する神経です。

そして前鋸筋は表面から神経が入っているんですけども、長胸神経によって支配されています。
かなり長く走っている神経ではありますが、その起始を見てみると腕神経叢のかなり近位の部分から起始して、長く走り、前鋸筋の表面から前鋸筋を支配しているんですね。

ということで、肩甲骨まわりの筋、「肩甲挙筋」「菱形筋」「前鋸筋」を見てみました。

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