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世紀末エロゲLAMUNATION!をクリアした件

最初のまともな記事がこんなんってどうなんですかね…?

◆ラムネとの出会い

LAMUNATION!(ラムネーション)は、WhitePowderが2016年にリリースした美少女ゲー・エロゲです。
さしてエロゲに造詣の深くない私がこのゲームをプレイすることになったきっかけですが、昨年11月にゲーム仲間からsteam経由で送り付け…プレゼントしてもらい、まあやらなきゃ勿体ないだろうということで昨年末まで約30時間をかけてクリアした次第です。
で、せっかくクリアしたんだから完走した感想(激うまギャグ)でも残しとかにゃその30時間も浮かばれなかろうということで筆を執りました。
思いつくままにつらつら書き並べていきますので、対戦宜しくお願い致します。

※備考

・核心のネタバレなどは一切書いていませんので、未プレイの方も安心してご一読ください。

・エロゲと書いてますが先述のsteam版では全年齢版が販売されております(公式サイトでR18パッチが配布されてます)。私はもちろん(?)パッチを入れましたが、本稿ではエロ要素については特に言及しないのでその辺期待してた方はすいません。

◆ラムネーションとは

あらすじや世界観についての詳細は公式サイトを見てください(初手ぶん投げ)

ラムネーションというゲームをざっくり評すればクソゲーです。
何とあのKOTY(クソゲーオブザイヤー)の2016年エロゲ部門にて、大賞次点に選出されてますので、その点については私の認識と世間の評判は一致していると思います。

ただ、私はクソゲーマイスターではありませんので、マジで純然たるクソだと思ったら遊びません。

つまり遊んでる中で個人的にそれなりの見所さんがあり、プレイ後には怒り、悲しみや虚しさの他に別の感情が、ラムネの泡のように心の中にふつふつと湧いたので感想を書こうと思ったわけで。本稿ではその思いを清算するべく私自身書きながらもう一度ラムネと向き合っていこうと思います。

◆問題点

何がクソなのかと言うとシナリオがクソです。むしろ他の要素(イラスト・音楽・声優さん等)はすげえ頑張ってると言ってもいいくらいなのですが…

エロゲに詳しくないので具体的には申しませんが、このメインライターさんは界隈でもかなりの問題児扱いされてるいわくつきの人物だそう。

◆世界観が難解

:近未来のアメリカ西海岸(っぽい)にある港湾都市セントアリアを舞台に、メインヒロインの碧海らむねちゃん(TOP絵右端)の実家のラムネ工場を復興させようというのがメインテーマです。

それだけだったらいいのですが、超科学も魔法もアリアリだったり、街を牛耳る巨大企業の陰謀が見え隠れしたり、突然セカイ系になったりとカオスすぎて脳の理解が追いつきません。これらの要素は上手くさばき切れればもちろん魅力になりえるんでしょうが、残念ながら無理みたいでした。(後述)

◆ギャグが滑り散らかしている

:ネタが古い、範囲がマニアックでそもそも理解できない。ノリも古く、下ネタがえぐい。メタ発言ネタが多すぎる。総じて寒い。ライターのセンスが2000年代初頭くらいからアップデートされてない感がすごい。

◆会話の中身が無い

:「頭空っぽにして楽しめる痛快コメディADV」とのことですが、それにしたって空っぽすぎるだろいい加減にしろ!

誇張抜きで、ラムネーションのテキストの95%は本筋に特に絡みの無いコメディ会話で構成されています。そしてそのギャグが滑りまくってるのでもはや収拾がつかないことになっています。そんなんで先述のような複雑な設定の数々はほぼ丸投げ放置の憂き目に遭っています。ええんかそれで…

◆主人公に魅力が無い

:ぐう聖・愛すべきバカ・そしてあの伊藤誠のようなクズまで、ギャルゲ主人公には色々なタイプが居ていいと思いますし、私は必ずしも感情移入できないとダメとかは思わないんですが、本作の主人公・紅星月菜(あかほしるな:通称るなちー)くんのことが私はついぞ好きになれませんでした。

簡単に言えば「品質の低いなろう主人公」のようなキャラで、イケメン・誰からも頼られケンカも強く、みんなにモテモテな完璧超人。シナリオ開始時からヒロイン全員に惚れられてるという鼻持ちならないキャラ設定となっています。

そのくせ天然キャラということで、ここの天然っぷりが面白ければまだ愛される要素があったんでしょう。しかし残念ながら本作のギャグ要素は滑り散らかしているので、ただプレイヤーをイライラさせるだけの存在でした。

◆アヒルがうるさい

:なんのこったよと思うでしょうが、話の端々に登場する「ゴムのアヒル」がマジでうるさい。そもそも何で存在するのかが分からない。

◆好きだったところ

…と悪口を散々書きなぐってきたところで、私が何とかこのゲームを完走できた理由たる好きなところ・本作の魅力についても触れていこうと思います。

ラムネーション!の特異な点は、これまで書いてきた問題点のいくつかが反転して魅力にもなっているという二面性なんじゃないかと思います。

頭の中に漫才コンビ「ぺこぱ」の松陰寺兄貴を飼ってる寛容な人間なら、ラムネのダメなところを受け入れて楽しめる可能性も秘めています。

◆世界観が難解…かもしれないが嫌いではない

:まずロケーションが海のそばの街ってのは個人的にはすごく作風とマッチしてていいと思います。作中のカットの多くに海が映っており非常に爽やかで、アメリカンなノリも映えてます。まさに「ラムネ」のタイトル通り一貫した青色の世界観を持っています。正直ちゃんとやれば佳作、名作になれてたかもしれないポテンシャルを感じます。

また謎のSFやオカルト要素も、ギャグ9割で突っ走る本作において引き締め役として機能していると言えなくもないと思います。

◆ギャグが滑り散らかしている…かどうかは個人の価値観だ

:下ネタに走ったりすることは多いですが、キャラをけなしたり自虐ネタをしたり等、いわゆる「人を傷つける笑い」が無いのは評価できると思います。その点見てて不快になることはありませんでしたし、気楽に楽しめました。ノリはどう擁護してもくどいし古いと思いますが、一貫して陽気な彼女たちの会話は年末仕事で疲れた私の心に沁みました。

ちなみに私はアイリスちゃん(トップ絵真ん中)のアホなノリが好きでした。

◆会話の中身が無い…が考える必要もない、そうだろう?

:本当に会話に中身が無く(こればっかりはプレイしてみないと分からないと思う)、また中途半端にシリアスな場面というのもほぼ無いので、頭を空っぽにしてラジオ感覚で垂れ流すようにプレイできます。なにせマジで中身が無いのでそもそも考える必要が無いんですね。

その点本作のテーマである「頭空っぽで楽しめる」は達成されてます。

地の文にもナレーションがついており、いっそ主人公にもCVをつけてくれれば完全にラジオプレイできるのに…、とそこは惜しく思いました。

何度かセーブを忘れて「どこまで見たっけ・・・」と思った時も何食わぬ顔で適当な場面からリスタートできる、そんな大らかさがラムネーションにはありました。

◆アヒルがうるさい…いやそうじゃないうるさくしているんだ

:そんな感じで夜中にラムネーションを垂れ流していると、当然のように睡魔が襲ってくるんですが、そこでこのゴムアヒルが「ぷー!!」などと大音量を鳴らすのでそこで我々はトランスから醒めることができます。

「その為のアヒルか!」と感心してしまいました。

◆イラストが美麗

古い言い方ですが、ちゃんと萌えられるイラストとなっております。いかにもなエロゲチックな絵柄は好き嫌い分かれますが枚数も多く、手間がかかっています。

水着のデザインが個人的にツボでした。いい仕事してますねえ…(中島誠之助並感)

◆UIが親切

クソゲーにありがちな「そもそもプレイがしづらい」ということは一切ありませんでした。各キャラのシナリオごとに一覧リンクが設定されている等、普通に親切な作りになっていました。

◆まとめ

ラムネーション!は2者択一の分類をすれば間違いなくクソゲーのカテゴリに入りますが、「笑えるクソゲー」、いやもっと好意的に言えば「バカゲー」と評してもいいんじゃないかと思う作品でした。

箸にも棒にも掛からないクソゲーは世の中に多数ありますが、クソだと思えながら楽しめるゲームは非常に希少です。

十重二十重に組まれた伏線、複雑な人間模様が描かれた作品もたくさん存在します。

でもそれらはあまりに情報量が多すぎ、日ごろから情報社会に生きる私たちには少々疲れたり、また押しつけがましく感じることもあるんじゃないでしょうか。

さらにテレビを付ければコロナ、コロナという世の中。そんな2020年末の陰鬱な折、頭空っぽで見れる「ラムネーション!」は私の心にセントアリア上空からラムネをぶっかけてくれました。

なお本作のトゥルールートとなるヒロインのお名前は「紅星陽菜(あかほし ころな)」ちゃんです。(画像左端) ラムネは預言者だった…?

コロナルートは最後にプレイすることをお勧めします。

そんなわけで、この素敵なゲームを贈ってくれた友人に感謝と、月並みではありますが、「興味を持ったら是非ダウンロードしてみては?」という布教の言葉を添えてまとめの言葉といたします。

長文乱文失礼致しました。参考になればハートポチっていってくれたらうれしいです。

ラムネーション!


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