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【旅人インタビュー】旅をする理由は使命感、そして達成感を得るため - 五十嵐 愛子 -

「旅の魅力ねー、食べ物じゃないですか?あと、思いっきりお金を使えるっていうストレス発散です」と語る、五十嵐愛子さん。
インタビュー中、「47都道府県を制覇したい」と話してくださった五十嵐さんだが、いわゆる旅好きな人では無い。
彼女からは旅に関しての熱量をあまり感じないが、なぜ47都道府県を回りたいと思うのか、そのきっかけや今までの旅の経験を語ってくださいました。


「ついで」からはじまった47都道府県巡り


――では、まず最初に簡単な自己紹介をお願いします。

現在、金融系の会社で法人営業をしています。
前職では和菓子屋の営業をしており、出張で全国回っていました。

――出張では合計いくつの都道府県を回られたんですか?

全部で36かな、かなり出張を駆使して全国回りましたね。
最初は会社に言われるがままに出張へ行ってたんですが、私がメインで営業やるようになってから、自分が行きたいところの営業を取っていこうと思って、努力しました。
ただ、売り上げは大事だから、軸として売り上げが取れるところのルートは確立しておいて、別で空いてる時期に自分の好きなところに行ってましたね。

出張で行った仙台での思い出

――仕事を兼ねての旅行、といった感じですね。47都道府県全て回ってみたいと思ったきっかけなどあればお聞きしたいです。

全国へ出張に行くようになったこともきっかけではあるんですが、1番大きい理由は友人から聞いた話に感化されたことです。
バックパック旅によく行っていた友人が、海外へ行ったときに日本のことを全く話せなかったと言っていたことがあったんです。
日本についての知識が無いから日本の歴史や観光地についての話を全くできず、むしろ外国人の方が日本のことについて詳しかったと。
「お前自分の国のことも知らないのに、なんで世界来てんの?」って感じのことを言われたみたいなんです。
その子がバックパック旅から帰ってきたあと国内旅行を始めたんですが、一連の話を聞いたときに「確かにな、海外出る前にまず日本だよな」と思って、仕事柄出張も多かったのでついでに回り始めた感じです。

――なるほど、他を知るよりもまずは己を知る、ですね。

海外旅行をすることで日本という国を客観視できるのも、良いことだと思いますよ。
日本って安全でいい国なんだなって理解できるきっかけにもなるし。
国内も海外も同じことが言えますが、普段住んでいる場所から離れることで、他の場所の良さも感じつつ、今自分の住んでいる街や国、生まれ育った街の良さを再認識できたりしますからね。

――確かにそうですね。出張で回られたのは36都道府県とおっしゃっていましたが、行かれていない場所はどこですか?

出張では36都道府県回ってその後自分で3県回ったので、今のところ39都道府県回っています。
行っていない所は、鹿児島、山口、鳥取、香川、徳島、福井、岐阜、秋田の8県です。

――詰まることなくすらすらと8つの県名が出てきたのですが、よく覚えてらっしゃいますね。

執念ですよね(笑)。
なんかもうここへ行きたいから行くっていうよりも、ここまできたら47都道府県制覇してやるっていう、執念です。

石川県旅行の思い出

食べ物と、観光と、そして「人」


――39都道府県回られた中で、1番良かった場所を教えていただけますか。

島根です。とにかく人が良い。
松江へ行ったんですが、人もいいし、気候もいいし、食べ物も美味いし、物価が安い。
あと、よそ者の受け入れ態勢が半端ないんですよ。
単身でも家族でも、国内で移住者の受け入れが1番多いんじゃなかったかな。

引用元:しまねの概要・自然環境 | 島根県立地情報ポータルサイト・しまねスタイル (shimane-style.com)


――五十嵐さんは旅先の「人」を尺度にされているんですね。

そうですね、訪れた先で「もし移住をしたら」と考えることが多いかもしれません。
移住を考えたときに人って大事じゃないですか、場所が良くても人が合わなかったら長く住めないですし。
地方でも都心でも、その場所に憧れて移住するけど、人が合わなくて1-2年で帰ってくる人っていると思うんですよ。
私も、年の3分の2くらい大阪にいて3分の1は東京にいるっていう感じの生活を7年くらいしていたんですが、大阪が肌に合っていたから7年も続けられたんですよね。
移住していたというか、もう故郷みたいに思っていますが。

――まだ行かれていない8県の中で、1番行ってみたいところはどこですか?

福井ですね。鯖と蟹を食べに行きたいです。食べ物ばっかりですね(笑)。

――ちなみに、9月に北海道に行こうかと計画しているのですが、おすすめがありましたらお聞きしたいです。

9月なんていい時期じゃないですかー、ちょっと暑いけど小樽もいいし、まあ釧路がちょうどいいかな。
あと、北海道の男はイケメンが多い印象でした(笑)。
出会った日本人の中でイケメンでNo.1だったのは、函館の市場で働いてたお兄ちゃんです。
観光客のおばさん相手にしてるからなのか、市場のお兄ちゃん達はイケメンが多かったので、おすすめしておきます。
もし函館に行くなら、函館山とか綺麗だし、温泉も入ってきたほうがいいですね。


時間のゆるすかぎり、旅先を楽しみつくす


――おすすめがすぐ出てくるのは凄いですね。

友達から「五十嵐旅行社」って呼ばれてます(笑)。
年に1回一緒に国内旅行へ行く友人がいるんですが、毎回私が旅のしおりを作るんですね。
5分・10分刻みのスケジュールを作るので、嫌な人は嫌かもしれませんが(笑)。

――失礼かもしれませんが、私は多分ついていけないです(笑)。

多分そういう方が多いですよね。
でも、その友達はタイトなスケジュールを一緒に楽しんでくれるタイプの子なんですよ。
その子も自分では年に1回は1ヶ月くらい仕事を休んで海外旅行して、長期でゆっくり旅を楽しむタイプなんですけど、私と国内旅行に行くときは五十嵐旅行社のえげつないスケジュールを楽しんでくれてるみたいで。
帰りは2人して疲れ果ててます。
1泊2日で行った石川旅行もえげつなかったんですよ。

友人と石川旅行へ行ったときの様子


――そんなにタイトなスケジュールだったんですか?

(ツアーコンダクターのような口調)6時に起きて、6時半にホテルを出ます、兼六園が朝7時からやっておりますので兼六園を1時間ほど回りまして、そのあと市場に移動します。
市場で朝ごはんを食べましたあと、東茶屋街に移動しまして、自由時間になります。自由時間は1時間半から2時間ほどを予定しております。そのあと駅に戻りまして、お土産を買っていただく時間を取りたいと思っております。

――五十嵐旅行社、内容盛沢山ですね。

外国人向けのツアーコンダクターやれば、って言われたことありますね。

――石川旅行のお話を聞いていた印象で、全てご自身で手配されているのかなと思ったのですが、宿泊先を決める基準やおすすめがあればお聞きしたいです。

宿泊先を決める基準は、1番行きたい目的地に行きやすいところにあるか、ですね。
基本的に車は借りずに電車やバス、タクシーを駆使して移動するので、交通の便が良いのは必須条件ですね。

――レンタカーは借りずに公共交通機関を使うのがお好きなんですか?

好きなわけではないんですけど、朝からお酒飲みたいので(笑)。

――なるほど、理解しました(笑)

あとは、その旅に何を求めるかによって、選ぶホテルも変わってきますよね。
食と観光に全力を注ぐのであればビジネスホテルとか、寝られればどんなホテルでもいいですし。
出張でビジネスホテルに泊まりまくっていたので、ビジネスホテルに関しての知識は半端ないです。
値段とかサービスとか、アメニティがどのくらいあるのかなど、任せてください。

――おすすめのビジネスホテルはありますか?

JR西日本グループが運営しているヴィアインっていうグループが1番いいですよ。
立地も良いし、部屋も綺麗だし、アメニティも豊富。

引用元:JR西日本ヴィアインホテルズ【公式】 (viainn.com)

旅好きでない人間の47都道府県を制覇したい理由


――最後になぜ旅をするのか、そして五十嵐さんにとって旅の魅力とはなんですか?

行ったという達成感が欲しいんですかね。
前提として、私は別に旅行が好きなわけではないので。
ただただ47都道府県回らなければ、と自分に課した使命感からです。
あと、貧乏性でせっかくお金かけていったなら全部見てやろう、全力で楽しんでやろうっていうだけなんですよね。
お遍路巡りと同じ感じで、全部回ったっていう達成感を味わいたくて、47都道府県を制覇してやろうと。

旅の魅力はやっぱり食べ物じゃないですかね。
各場所の名産品は楽しみの1つです。
あとは、思いっきりお金を使えるっていうストレス発散。
旅先ではケチケチしないじゃないですか。
値段も見ずにお土産をかごに入れていく爽快感、罪悪感の無いあの感じが好きです。
経済を回すために、お金を使いにいってるだけです。


編集後記


旅好きではないが47都道府県制覇を目指す、なんとも矛盾している話ではあるが、旅好きではない彼女がおすすめする場所は本当に良い場所なのだろうと信頼ができ、行きたいと思わせてくれる説得力がありました。
旅好きではないとは言うものの、旅先を思い切り楽しもうとする姿勢や、旅先にお金を落として経済を回そうとする心意義は、旅人に必要な要素であることは間違いないと思います。
「旅好きではない」彼女も立派な「旅人」。

お話をお聞かせいただき、ありがとうございました。


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