森崎 修司

実証的ソフトウェアエンジニアリングの研究と教育に従事しています。学位取得後、ソフトウェ…

森崎 修司

実証的ソフトウェアエンジニアリングの研究と教育に従事しています。学位取得後、ソフトウェア開発に従事していたのですが、開発ができて論文が書けるヤツが必要と大学に呼び戻されました。 著書 「間違いだらけの設計レビュー」日経BP、つながる世界の品質確保に向けた手引き IPA 等

最近の記事

生成AIを使うとコード理解はどのくらい早くなるか?

生成AIの活用方法として、質問応答や文章生成を思いつく方が多いと思います。しかし、コードを読むときにも生成AIをうまく使えば、効率化につながります。 どういう読み方があるか、どのくらいラクになるかをみんなで考えるイベントを計画しています。イベントは2日に分かれています。初日でこちらで用意するコードを読んでいただきます。その結果を集計して、2日目にみんなで議論します。2日目はタワーズ・クエストの和田卓人氏、GitHub服部佑樹氏をゲストに迎えて、議論に視点を加えていただきます

    • 講演「バグ分類に合わせた品質評価」で紹介した記事、URL

      書籍 なぜ重大な問題を見逃すのか?間違いだらけの設計レビュー 第3版 論文 Y. Imanishi, K. Kumon and S. Morisaki, Identifying Defect Injection Risks from Analysis and Design Diagrams: An Industrial Case Study at Sony, 2023 IEEE/ACM 45th International Conference on Software En

      • どういう方針でバグや問題を分類すればよいか

        こちらの記事で分類の必要性を説明していますので、お時間あれば合わせてご覧ください。 拙著「なぜ重大な問題を見逃すのか?間違いだらけの設計レビュー 第3版」の「はじめに」と「おわりに」にそれぞれ書きましたが、第1版執筆時から10年で開発の形態はだいぶ変わってきて、アジャイル開発のようなイテレーティブな開発の割合が増えました。イテレーティブな開発では設計レビューと名称がついたまとまった活動は見た目上減ったように見えますが、該当する活動がなくなるかというとそうではありません。様々

        • 「こういうバグや問題を防ぎたい」から考える検出方法

          拙著「なぜ重大な問題を見逃すのか?間違いだらけの設計レビュー」の初版が2013年に発行され、2023年に第3版が発行されました。第3版の「はじめに」「おわりに」を書くときに、この10年のソフトウェア開発や品質を振り返りました。このページでは、そのときの気づきを書きます。2024年3月19日のオンラインのイベント「バグ分類に合わせた品質評価 - エビデンスにもとづくシフトレフトとシフトライトテスティング」でお話する機会をいただきましたので、そこでもお話するつもりです。 この1

        生成AIを使うとコード理解はどのくらい早くなるか?

          講演「品質リスク起点で考えるレビューとメトリクス」で紹介したURLのリスト

          紹介順にURLを掲載しています。一部有料や無料のアカウント登録をしないと読めないものがあります。ご了承ください。 書籍: 森崎 修司「なぜ重大な問題を見逃すのか?間違いだらけの設計レビュー 第3版」 https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/11/07/01094/ 書籍: IPA システム化要求 WG「ユーザのための要件定義ガイド 第2版 要件定義を成功に導く128の勘どころ」 ITmedia記事: 森崎 修司「レビュー

          講演「品質リスク起点で考えるレビューとメトリクス」で紹介したURLのリスト

          講演「ソースコードメトリクスと活用のしやすさを評価する5つの基準」でのURL一覧

          McCabeのCyclomatic complexity McCabe, T. J. (1976). A complexity measure. IEEE Transactions on software Engineering, (4), 308-320. https://www.cs.mtsu.edu/~untch/6050/private/McCabe1976.pdf Actionable metrics Meneely, A., Smith, B., & Will

          講演「ソースコードメトリクスと活用のしやすさを評価する5つの基準」でのURL一覧

          間違いだらけの設計レビュー 第3版 - 本全体の紹介と初版(2013年)と改訂版(2015年)の変更点

          こちらで、改訂版からの追加や変更を紹介しました。 本記事は、まだ本書を読まれていない方向けに本全体の紹介をします。 本書はソフトウェアドキュメントのレビューの手順を解説した書籍です。多くの開発現場では、レビューは見よう見まねで「過去に有識者がチェックしていたから」「自分がレビューで見逃してテストで見つけて修正するのに苦労したから」といった経験から身につけていくと思います。しかし、それだと新しいチェックの方法が得られるペースが上がりません。 本書の全体概要 本書では、そのペ

          間違いだらけの設計レビュー 第3版 - 本全体の紹介と初版(2013年)と改訂版(2015年)の変更点

          「間違いだらけの設計レビュー」第3版で加筆、変更したところと私の気づき - 初版から10年

          拙著「間違いだらけの設計レビュー」日経BP, 初版2013年9月、改訂版2015年9月を加筆、修正し、第3版となりました。2023年11月下旬くらいから配本が始まるそうです。通常、紙の書籍は売れ行きに応じて書店からなくなることがあるのですが、大きな書店では10年間置いていただいています。初版3刷、改訂版2刷となっています。こうした本の中ではロングセラーの部類に入ると思います。 https://bookplus.nikkei.com/atcl/catalog/23/11/07

          「間違いだらけの設計レビュー」第3版で加筆、変更したところと私の気づき - 初版から10年

          講演「自動運転/高度運転支援時代の車載ソフトウェア開発と品質評価」でのURL一覧

          Tier IV 西新宿公道実証実験 Rviz映像 アイサンテクノロジー 「自動運転用 高精度3次元地図」 Kumar, G A.; Lee, Jin H.; Hwang, Jongrak; Park, Jaehyeong; Youn, Sung H.; Kwon, Soon. 2020. "LiDAR and Camera Fusion Approach for Object Distance Estimation in Self-Driving Vehicles"

          講演「自動運転/高度運転支援時代の車載ソフトウェア開発と品質評価」でのURL一覧

          狩野モデルについて狩野先生と議論したときの気づき

          ソフトウェア品質シンポジウムの基調講演に狩野紀昭先生にお話いただけることになりました。私は企画メンバー(シンポジウム委員)のとりまとめを拝命しています。 特にお願いしたわけではないのですが、狩野先生の基調講演のアブストラクトに参加者向けの質問を書いていただきました。ソフトウェア品質シンポジウムの参加者はほとんどがソフトウェア技術者なので、参加者ではなくともソフトウェア技術者向けにアンケートを実施して回答を狩野先生と事前に共有すると基調講演でお話いただくときの参考になるのでは

          狩野モデルについて狩野先生と議論したときの気づき

          講演「ソフトウェア開発における生成AI活用の展望」で参照した文献, Webのリスト

          2023年8月23日に、名古屋大学 数理・データ科学教育研究センター主催の「生成AIの産業応用に向けて」というセミナーの中で「生成AIの産業応用に向けて」というタイトルで講演しました。そのときに参照した文献やURLの一覧を記録しています。  出現順です。 論文: An Empirical Comparison of Pre-Trained Models of Source Code プログラム自動修正の論文 Automated Program Repair in the

          講演「ソフトウェア開発における生成AI活用の展望」で参照した文献, Webのリスト

          濃淡をつけてバグを見つける

          バグは実装上の誤りという狭い意味で使われていることがあるので、この記事ではバグではなく欠陥と呼びます。欠陥は実装上の集まり、仕様の漏れや曖昧さ、仕様の誤り、設計上の問題も含めています。 ソフトウェアの欠陥を濃淡をつけて見つけるのは大事です。この記事では、ソフトウェア開発全体を通じて濃淡をつけて見つけるためにはどうすればよいかを説明します。ドキュメントレビューで濃淡をつけて欠陥を見つける方法は拙著(「なぜ重大な問題を見逃すのか?間違いだらけの設計レビュー」amazon の書籍

          濃淡をつけてバグを見つける

          ソフトウェアレビュー指摘の記録テンプレート集

          ソフトウェアプロダクトレビューに使えるテンプレート集のページです。アドホックリーディング用のテンプレートは無料でダウンロードいただけますが、それ以外のテンプレートは有料です。Note.comへの有料記事の部分に支払うとたによってす。テンプレートは比較的簡単に導入でき、レビューの効果の向上、底上げ、安定につながります。研究を進めてくれた学生たちと一緒に作ったものもあります。 以下のようなレビューの技法に合わせたテンプレートがあります。 アドホックリーディング アドホックリー

          ソフトウェアレビュー指摘の記録テンプレート集

          ソフトウェア品質保証の役割と名称

          依頼をいただいたので、よい機会だと思い、まとめてみることにしました。「品質保証」はソフトウェア以外の分野でも長く使われている言葉で、ベテランの方とか領域の中の方に強いこだわりや思い入れもある言葉です。そのため、「なんで!?」という目に遭った方もいると思います。多義語とも言えるので、使うのが難しい用語のように感じています。ある人が思っている品質保証と別の人が思っている品質保証の違いが大きいときがあるので齟齬が起きやすくなります。 ソフトウェア品質保証に携わっていて、こうした齟

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          自動運転をはじめとするCPSの開発のCIパイプライン

          ここでのCPSはCyber Physical System、CIはContinuous Integrationの略です。 ネットサービスの開発では多くの開発組織が採用し浸透しつつあるCIもその他の分野ではまだ時間がかかる感触です。ネットサービスの場合、自社プロダクト(サービス)のためテストを自動化するインセンティブが大きい、ツールが充実している、クラウドサービスとして提供されている、参考になる記事、書籍、CIやテストの実物が充実しているといった点でCIが浸透していると思いま

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          講演「自動運転/高度運転支援時代の車載ソフトウェア開発と品質保証」で参照した文献, Webのリスト

          日本科学技術連盟 ソフトウェア品質保証部長の会で基調講演として講演したスライドで参照した文献へのリンクを集めています。 出現順です。 IPAのワーキンググループ ・IPA「つながる世界の品質指針検討ワーキング・グループ」https://www.ipa.go.jp/sec/about/past_committee.html#024 ・IPA「IoT高信頼化検討ワーキング・グループ」https://www.ipa.go.jp/sec/about/past_committee

          講演「自動運転/高度運転支援時代の車載ソフトウェア開発と品質保証」で参照した文献, Webのリスト