夜を知るには

朝を愛すれば
朝の特別な時間をくれる
テーブルの日差しに
牛乳にシリアル
君を愛してくれている

昼を愛すれば
昼の特別な時間を分けてくれる
退屈な授業を抜け出してやって来た
町で行くひとびとを観察する時間を

しかし夜を愛している君は
いつも何も与えてもらえない
それは少しのテレビを観た後で
夜は眠りだけを分けてくれる

だから夜の本性を知るには
きみはまだ若すぎる

若すぎて若すぎて

だが年をとれば
夜は本性を見せてくれる

悩んで悩んで眠れない夜
恋に仕事に人間関係に悩んで眠れない夜

あれだけ姿を見せることを嫌っていた夜は

眠りの他にきみに別の姿を見せることになる

その日が来るまで
その日が来るまで

きみは夜を知らなくていい
眠れる時に寝て
夜の正体など探らなくていい

いつか夜の正体を見極めることができたら
こっそり教えて

わたしがその正体をきみから教わり
よく夜に眠れるように…

よく眠れるように…