空の都合
見よ
この空を
空には空の都合があり
それに合わせるわれの弱さよ
風雪や雨をもたらす都合が
何であるかもしらず
軒先で身を屈め
迸る稲妻が幾つも落ちようとも
それを怯えて過ごすしかなく
われが怯えてるのをいいことに
暗雲の空では
稲妻と稲妻が手を結び
地はしとしとと雨水を運ぶ
一体開闢以来
空や大地はこちらの都合を
考えたことがあるのだろうか?
海は?
ひとはまるで召し使いのように
自然の都合に合わせ
追いやられている
空
都合を合わせよと
ある日
まったくの無表情な青空の下で
思う
見上げる空は澄んでいて
都合なんてあるとはとうてい思えない
海もだ
真っ青に真っ青に広がっている
きっと今日は空にとって都合がいい日
なのに違いない