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遮断機

まずしさにも影があり
人差し指で
指してしまうと
あっという間に通りすぎる
列車のように
消えてしまう

ぼくは震える指を
指し示した指を
つと傾けると

それの引き金を引いた

遮断機もないのに
まずしさは点滅しながら
過ぎ去ってゆく

何度も何度も引き金をひく

血のような夕闇の中で