見出し画像

観衆のひとり

わたしは観衆のひとりでありたい

月が今宵
美しく輝く時
雲はそれを賛美する観衆だ

陽が明るく輝くのならば
やはり雲という観衆が必要だ
目映い光を遮るような熱狂さで

そして太陽を賛美し
落ちていく姿を
茜色に更に美しくするために

また夜に煌めく星々にかかり
それを取り巻き
より美しく見せるために

わたしは常に観衆のひとりでいたい