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忘却の流れにおいて

ひとが赦すことができる
ことには限りがある
赦せないことだってある

だが時というものは
わたしに
忘却をもたらす
赦すことのできないわたしに
かわりに忘れることを
要求するのだ

その要求は無理やりではない

毎晩夢を見て
朝日を見る度に

川岸が水で削れていくように
徐々に忘却の川幅は広くなり

時と共にすべてが
流れて行く
怒りや憎しみ嫉妬が
うそのように忘れて何処かに行くのだ