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あなたが夏に捉われてるって知ってる。だってあなたが言ったんだもの。

頭の片隅には、ある先輩のことが浮かんでいたと思う。
私はその人と一対一で会話をできたことが無い

今いる団体に所属して、4月で3年目になるけれど
1年目の頃、私はきっと誰にも心を開いていなかった。
もう卒業してしまったその先輩のことも、よく覚えていない
なぜって関わる機会が無かったから
関わる機会を持とうとしていなかったから

けれど、
その人が書いた脚本が私は結構好きだった
お話してみたいなぁと思っていた
私は、視界にも映っていなかったと思う
その人はいつも猫背で、俯いていて
私の苦手な同期をかわいがっていた
今ではその同期とも仲が良いけれど
私もお話してみたかったなぁ
混ぜてもらいたかったなぁ
そういうのって、迷惑でしょうか

独りぼっちって顔をしていた
環境が違えば、私もかわいい後輩に数えてもらえたのかもしれません
あなたが、「誰も僕に気が付いてくれなかった」と思うように
私もあなたには気が付いてもらえませんでした
悔しいのです
どうして彼にはすべて伝えて
どうして私は何一つ知らないのでしょう
知らないということすら、知らない
だから何が悲しいということも、無い

無いはずなのだけれど、
私は開けてしまったから
先輩が時々投稿しているnoteのアカウントを、
話の流れでその同期が教えてくれた

私は少し、優越感を覚えるのです
ときどきこっそり覗いては
きっとこの先輩の心のうちを知っているのは、ごく少数だろうと
私も秘密の内側に混ぜてもらえたような錯覚をして
箱の在り処を教えた彼だって、その中身をさらってはいないでしょうから
時間を飛び越えて、私はあなたに気が付きました
けれど、あなたに私はまだ見えない

今年の夏には多くのことを、目まぐるしく変えて見せますね
そのときには、あなたにも観に来てほしい
あなたのもう一つの名前も、夏を抱いているから
見せつけてやりたいのです
私がここにいること
気に入ってる後輩の同期、なんかじゃなくて
私を見てください
私が勝手に覗いた分
舞台の上から言葉を
目を醒ますような言葉を

このまま、驕り続けていたい

いつかあなたがもう一度紡ぐ舞台に
きっと私は呼ばれません
きっと私は呼ばれません!
わかっているのです、痛いほど
その先輩も、それからあの人も、私を見つけてくれなかった
それは、事実で
私が何を言ったところで、変わらない
形を宿して見つけさせるしかありません

先輩に認めてほしかったって、気が付いていなかったので
別につらくも悲しくもありませんでした
今、ここに綴っているワケは
あなたが繋いだ言葉に触れたからです
私がnoteを始めた理由の一つは
あなたに見つけてほしかったからです

いつもくだらないことばかりこぼしているので
フォローなんか当分できそうにありません
いつか私が、ここに物語を仕舞い込んだら
そのときは

なんて、都合が良いですね


2018/05/25

私は、
口笛が吹けない
指パッチンができない
勉強はあまりできない
歌は上手くない
足は遅い
背は低い
手先は不器用
字は綺麗ではない
総じて完璧からは程遠い

だけど、
私には何かに対する強い思いと
それを言葉にする力がある。



ふと昔の自分の言葉を思い出した
今の私は、どうですか
あの頃のように、何かを切実に望んでいますか
いませんね 早いなぁ
私、もう手に入れてしまったのよ
あの頃の私が本当に欲しかったもの
これ以上望むことなんてもう何も、何も
これ以上望もうものなら、きっと罰が当たります
不道徳です
でも、また手を伸ばそうとしているのね

あの頃の私が持っていた力は、
身体が捩じ切れそうなほどの強い願いと
叶わない現実との間に生まれた深い溝を
埋めるための切実さ
今の私は、一体何に焦がれるのでしょう
もう恋など二度とできないのです
誰、でなく、何、に身を焦がせば良いのでしょう
それとも、ひだまりのなかから
あの日の私と、私と同じ顔をした人々に
ぬくもりを届けられるでしょうか
私はもうこの腕で抱き締めることができません
だからせめて、言葉で

すべてを抱き締めて、木漏れ日のなかを歩いて行けたら

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