釣りをした

朝。予定よりも2時間遅く起きてしまう。前日に食べ過ぎたせいもあって、朝ご飯は食べないでおこうかと思ったけど、やっぱりリズムが崩れてしまうのもどうかと思って(今更だけれど)、食パンを、美味しく食べられるギリギリのラインまで薄く切る。

あれとこれと、運動して、勉強して、作業して、、今日はやらないといけないことがたくさんあるなあ、と思っていると、あゆみさんがやってくる。釣りに行くか、と誘われたので、やらなければならないことはたくさんあるが、別に断る理由もないかな、と思って、行きます、と答える。今思うとここから私のリズムがくずれてしまったのかもしれない。

私はお店で釣り具を借りて、みんなは自前の道具を持って海へ向かう。釣り場へ向かうとき、漁師のおじちゃん達とすれ違う。みんな少し怖い顔をしていたから、怒られるのかと思ってひやっとしていると、頑張って釣れよ!と声をかけられて嬉しくなる。釣竿の準備をする前に、ホットドッグをいただいてお腹を満たす。平野さんの方から、トートバッグに入ったホットドックが回ってきて、ひとり種類の違う2個を取って次の人に回していくそれが、すごくわくわくした。

1ポイント目はあまり釣れなくて、場所を移動する。次のポイントがなかなか決まらなくて、だいぶん歩く。私は顔や態度には出さないけれど、心の中で、早く釣りがしたいなあと少し思っていたのだけれど、あゆみさんはひとつも嫌な顔をせず、朗らかに笑っていた。そんなあゆみさんが、大好きだ。そのポイントでもなかなか釣れなかったけれど、1匹小さなふぐが釣れた。竿を持つのもはじめてだったけれど、人生で初めて魚を釣った。そんな時にすかさず写真を撮ってくれるとしこさんに、さすがだ、と思った。1人釣れると、何をするでなくともみんなが集まる。私は別に自分の釣りをしておけばいいじゃないかと思っていたけれど、そういうわけでもないのだな。

結局この日の成果はあゆみさんの釣った黒い魚1匹のみだった。あまり釣れなかったけれど、何につけてもマックス!マックス!と言って、みんなで少しはしゃぎながら帰る。これはなんの魚ですか、とまちの人に訊き回る。おばあちゃんが2人、反応する。ああこれタナゴやな、うまないねん、とかなんとか言っていると、おじちゃんがやってきて、ああこれタナゴや、うんたらかんたら、また別のおじちゃんがきて、これタナゴで、うんたらかんたら、と続く。みんなそんなに魚に詳しいのか、と驚く。今の生活をしていても、私がタナゴを一発で見分けられるような能力がつくようにはならないだろう。海が近くにあるからなのだろうか、それとも。ばったり出会ったわーさんも、ああタナゴやな、と言っていた。何はともあれこれだけではさみしいからと言って、魚一さんでいろいろ買って、みんなで七輪焼きパーティーをする。あゆみさんのおいしいおにぎりとお弁当をいただく。2人分準備してあって、大切な2人の時間を邪魔してしまったなあ、と申し訳なくなったけれど、とてもいい日だったと思った。

少し早く切り上げて、学部の子達とzoom飲みとやらをする。あまり乗り気でなかったから、お風呂に入った後ギターを触ったりしていて、少し遅れる。みんな変わりなく元気そうで良かった。チャーシューがきっかけになって、嫌な気持ちになる。嫌なやつって、性格悪いやつって、どこまでも嫌なやつだし性格悪いな、本当、と思うけど、私も私で被害妄想が大きい方だと思うから、ぐっと堪えていると、友人からいいんかね、ときかれて、なんだか少し、救われる。

みんなで友人の誕生日を祝うと、私まで祝ってもらう。申し訳なかった。

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