見出し画像

世界的スーパー・ガールズ・グループ【リトル・ミックス】、活動10周年記念!担当スタッフが語るエピソードとともに魅力ある軌跡を振り返る!

今や世界的ガールズ・グループとして絶大な人気を博すリトル・ミックスが、2011年にイギリスのオーディション番組<Xファクター>で結成されてから、今年10周年を迎えました

様々な逆境を乗り越えながらも、音楽史に残る数々の快挙を成し遂げ、今や洋楽シーンでも唯一無二の存在となった彼女たち。この10年で、彼女たちはどう成長し、ポップス界の頂点へと上り詰めたのでしょうか?

改めてリトル・ミックスの魅力を、ライター村上ひさしさんに解説して頂きましたデビュー当時より日本でリトル・ミックスを担当してきたスタッフAによる裏話と共に、振り返っていきます!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

”10年ひと昔”と言われるが、10年間というのは相当長い。小学校1年から中学卒業までベッタリ仲良しだったとしても9年間。それより長い10年も一緒に活動するなんて…寝食を共にし、曲作りからレコーディングはもちろん、リハーサルやパフォーマンス、プロモーションや移動まで、仕事もプライベートもひっくるめて、一丸となって駆け抜けてきた彼女たち。もはやアスリートと呼んでいいかもしれない。結成10周年を迎えたリトル・ミックス。なんとも立派で頭が下がります。

リトル・ミックス_最新A写_2021年8月

そもそも10年も続いたガールズ・グループというのが稀有な存在で、あのビヨンセ率いたデスティニーズ・チャイルドでさえ、デビューしてからの活動歴は約7年。その間には、大幅なメンバーチェンジがあったり、ソロ活動もあったりで、ベッタリ一緒というのとは違っている。このジャンルの大御所スパイス・ガールズにしてもオリジナル5人が揃っていたのは、最初の4年と少しだけ。オリジナル・アルバムに至っては3枚しか発表していないというのもインパクトの大きさを考えるとかなり意外だが、そんなことを考えるにつけ、リトル・ミックスの偉大さを改めて実感させられる。この10年間、彼女たちがリリースしたオリジナルアルバムは全6枚。もはや別格、驚愕モノじゃないかと思うわけなのです。

リトル・ミックスが頭角を現したのは2011年オーディション番組『Xファクター』のイギリス版に臨んでいた各メンバーが、脱落しそうなところを救われて、一緒にグループを結成。という経緯は、ワン・ダイレクションやフィフス・ハーモニーとも同様だ。

そのギリギリなところを生き延びて結成されたというアンダードッグな経験が、逆にハングリー精神や団結力へと繋がったというのは、後々本人たちも認めているところ。その番組内で彼女たちに“一緒にやれば?”と提案したのが、デスチャのケリー・ローランドだったというのも、いまにして思えば不思議な縁で、ガールズグループの大先輩はすでに彼女たちにグループとして何か光るものを見ていたというわけか。一緒に歌えば何かが生まれそうと予感していたのだろうか。実際、彼女たちもそんな期待に応えるかのように、グループとしての一体感や一緒に歌ったときのハーモニーにことさら重点を置き、磨きを掛けていった。

初期の大ヒット曲「Wings」(英1位)や「DNA」(3位)(ともにデビューアルバム『DNA』から)などを聴けば、その狙いが間違っていなかったことは明白だろう。

ソロパートをしっかり歌うグループは少なくないが、リトル・ミックスのようにハーモニーやコーラスに重点を置いて聴かせるグループというのは、そういない。当時のインタビューでペリーがこんなふうに語っているが、これこそ彼女たちの真髄じゃないかと思う。

「過去のグループから受けた影響は大きいわ。なかでも特にアン・ヴォーグ、TLC、デスティニーズ・チャイルドから大いにインスパイアを受けている。アカペラパートを含めた曲のスタイルやハーモニー、彼女たちのパワフルなところから影響を受けている。私たちは単に4人で一緒に歌っているわけではなくて、細かく構築されたハーモニーを作り上げている。すごく真剣に取り組んでいるわ」

このアン・ヴォーグを挙げているところが、筆者などには、とても頷ける。十把一絡げではないリトル・ミックスらしさ、とでも言えようか。

そういえば、いつでもどこでも歌っていた彼女たち。特にデビュー当時はテレビやラジオ出演時はもちろん、楽屋や路上などでも、機会さえあればアカペラで歌っていた。絶品ハーモニーを惜しみなく披露してくれていた。彼女たちの曲を聴いていると、いつの間にやかこちらまで主旋律に合わせてコーラスパートを口ずさんだり、ついつい合いの手を入れてたりするのは、そのせいじゃないかと思うのだけれど。グループでしか生み出せない美しいコラースワーク、その魅力や楽しさを教えてくれたのも顔女たちの功績だろう。

オーディション番組から登場したアーティストのなかには、プロデビューしたものの、なかなか成功が続かないというパターンが少なくないが、彼女たちはそんなジンクスとも無縁。というのも、常に挑戦を続けながら、スポンテニアスに進化を遂げてきたからではないか、という気がする。

DNA日本盤J写

**スタッフAの裏話**
私が初めてガールズに会ったのは、2013年6月、アメリカのマイアミのショッピング・モールの小さな屋外ステージで、ミニライヴとサイン会をやっていた時。アメリカデビューをしたばかりだったのですが、ちょっと信じられないぐらいの、悲鳴に近い歓声が飛び交っていて、大号泣しているファンもたくさんいて。アメリカでもこんなにも人気なのか、と驚かされた瞬間でした。そしてガールズに初めて紹介してもらった時、目を真ん丸くしてニコニコして、「ハーイ!!」と言ってくれたのも、覚えています。

その年の8月に日本デビューを果たし、9月に初来日をしたのですが、当時のガールズは、とにかく目がキラキラしていたのが印象的でした。全てに熱心で、寝る時間も惜しみながら、ライブ、プロモーション、ファン・サービス、遊び、全てに全力投球。初めての日本だったので、ショッピングやらネイルやら食べ物やら、やりたいこともありすぎて、4人全員のやりたいことをやりきるのが大変でした(笑)

でも何よりも、行く先々で日本のミキサーズに迎えてもらって、「こんなに遠い国でも私たちのことを応援してくれている人がこんなにたくさんいるんだ」ということに、特に感銘を受けていたのは覚えています。

タワーレコードでアルバムが展開されているのを見て大喜びして、家族分に大量にCDを買っていたのも覚えています。短い滞在でしたが、この来日がキッカケで、ガールズは日本が大好きになったんだと思います。

2013年の2ndアルバム『サルート』では、彼女たちが影響を受けてきた90年代のR&B志向をガッツリ強化。デビュー作に続きメンバー自らが曲作りに関わっているのみならず、ボーカルアレンジの達人とされるメーガン・コトーネを共作者として迎え入れているのもポイントだ。持ち前の美しいハーモニー。その特長を最大限に活かした曲作りを展開していくことに。

画像10

2015年の3rdアルバム『ゲット・ウィアード』では、それまでの隣の女の子のイメージを振り払い、ポップアイコンへとグレードアップ。

LM_Get%20Weird_国内盤J写%20(小)

リードシングル「Black Magic」は、全英チャートで3週連続1位を記録した。同曲のMVでは、いわゆる学園ヒエラルキーにおける逆転劇を描いて、ポップカルチャー的な面白さを満載。『チャームド〜魔女3姉妹』、『サブリナ』、『ザ・クラフト』といった魔女系ドラマの見せ方をなぞりつつ、一致団結したときの女子力=ガールパワーを炸裂させて、世界的なポップスターとしてのステータスをゲットした。

また同アルバムに収録のバラード「Secret Love Song」(feat. ジェイソン・デルーロ)(英6位)が、禁断の愛を歌っていることもあり、共感を覚えたLGBTQ+コミュニティではゲイアンセムとして人気に。当初から同年代の女性ファンと並んで、LGBTQ+コミュニティから絶大なる支持を得ていた彼女たちが、遂にLGBTQ+アイコンとしての地位も確立した。

**スタッフAの裏話**
ガールズは常に日本のカルチャーやファンに対して、リスペクトも憧れも持っていて。2015年11月にプロモーション来日をした時、特に覚えているのが、「日本人の女の子のヘアスタイルが超カワイイからマネしたい!」と言って、ペリーが前髪ウィッグを付けたりとか。日本語でファンにメッセージを読みたいから、と言って、ものすごく長い日本語の手紙をファン・イベントで頑張って三人で読んだり、とか。良い子たちだなぁ~(涙)と感じさせることが常々でした。

2016年には、本音をぶつけた破局アンセム「Shout Out To My Ex〜完全ふっ切れ宣言〜」を投下。ペリーが元彼のゼインに向けて歌ったと言われる、綺麗事ではない赤裸々な歌詞と、そのふっ切れようが大いに共感を呼び、キャリア史上最大級のヒットに大化けした。イギリスで3週連続1位を記録したのみならず、世界のチャートを席巻、初の<BRIT AWARDS>も受賞した。

レイ・アン曰く

「アンセムを作りたかったのは確か。誰もが共感できるアンセムを作りたかったの。実際そういう曲になったと思うし、かなり大胆に主張もしているわ」


ジェイドは

「私たちは強く自立した女性よ。男の子がいなくちゃ生きていけないってわけじゃないの。でも、もし恋人が欲しいなら、そのときは、ちゃんと主導権は私たちが握るってこと。そう、人生とポジティブに向き合うの!」

と、全女性にエールを送っている。

究極の破局アンセム「Shout Out To My Ex〜完全ふっ切れ宣言〜」を収録したアルバム『グローリー・デイズ』は当然ながら大ヒット。4作目にして初の全英No.1アルバムを彼女たちにもたらした。

リトル・ミックス_グローリー・デイズ_国内初回仕様限定盤J写 (大)

同アルバムからは「Touch」(4位)、「Power」(feat. ストームジー)(6位)、「Reggaetón Lento (Remix)」(with CNCO)(5位)などのヒットが次々と生み出され、アリアナ・グランデの北米ツアーのサポートアクトを務めたり、爆発テロ事件が起こったマンチェスターを支援するチャリティコンサート<One Love Manchester>にも参加。

世界中を飛び回るなか、リトル・ミックス主宰の<グローリー・デイズ・ツアー>は、イギリス&アイルランドだけで75万人を動員。2年連続でUKアリーナツアーの動員記録のトップを飾るなど、ツアーにおいても飛ぶ鳥を落とす勢いで邁進した。

**スタッフAの裏話**
2018年、POPSPRINGのヘッドライナーとして来日したんですが、パフォーマンスの完成度の高さに、度肝を抜かれました。

かなり大きなステージでのライヴというのもあったのと、私も久しぶりにライヴを見たというのもあったのですが、歌唱力もダンスも、ステージでのエネルギーも格別にアップしていて。

彼女たちはその時点でBRIT AWARDSも受賞していて、もちろん海外ではもっと大きなステージに何度も立っていたわけですが、どんなステージでも120%を出す、というのが彼女たちの素晴らしいところだと思います。プロフェッショナルだな、と。
あまりにも圧倒されて、しばらく呆然と立ち尽くしていたのを覚えています。社内のスタッフも「完成度高すぎる!!」「Secret Love Songで泣いた!!」という人が続出でした。終わった後、本人たちにも「めちゃめちゃ良かったよ!!」と褒めたら、凄く嬉しそうにしていたのも覚えています。
この頃ちょうど桜も咲いていて、一緒に都内のお花見スポットを徘徊して、きゃっきゃと撮影会もしていました。

リトル・ミックス_POPSPRING2018_幕張公演ライヴ写真②(c)POPSPRING All Rights Reserved

POPSPRING2018 幕張公演写真 (c)POPSPRING All Rights Reserved


2018年の5thアルバム『LM5』においては、よりモダンで洗練されたサウンドへと進化。

リトル・ミックス『LM5』国内盤ジャケット写真

<BRIT AWARDS>でBritish Video of the Year賞を受賞した「Woman Like Me」(2位)では、デビュー当時から関わってきたスティーヴ・マック(エド・シーラン、デミ・ロヴァート他)がプロデュースを担当し、、ニッキー・ミナージュがゲスト参加。自信に満ち溢れた女性像が全面的に打ち出され、セクシー度も大幅アップ。以前は露出度が高すぎる、子どもたちのロールモデルに相応しくないなどと絶えず槍玉に挙げられていた彼女たちとはいえ、もはや立派な“ウーマン”に成長。誰も文句はなかったようです。

**スタッフAの裏話**
『LM5』の頃は、彼女たちがすごく解放されたような印象が強いです。
あれだけ人気も出ると、曲やイメージについて、色んな人が言いたい放題言いますが、このアルバムで、本当の意味で自分たちらしく、自分たちが掲げたいメッセージをやるんだ!という決心を改めて感じたのを覚えています。

リリース時にApple Music主催のリリース・ライヴをロンドンまで見に行ったのですが、老若男女のファンが集結していて。小さい会場でしたが、凄く温かみの溢れる空気感でした。

私もライヴをものすごい眼差しで見ていたようで、ジェイドには後から「ステージからめっちゃ見えたよ」と言われて恥ずかしかったです。。。

コロナ禍においてもアンストッパブルだったリトル・ミックスは、2020年に6thアルバム『コンフェティ』をリリース

リトル・ミックス『コンフェティ』ジャケット写真

直後にジェシーが精神的ストレスを理由に脱退という残念な出来事もあったとはいえ、その後も3人組として活動を継続。

同アルバムからは「Break Up Song」(9位)、「Sweet Melody」(1位)、「Confetti」(feat. スウィーティ)(9位)などのシングルが次々とチャートを上昇し、なかでも全英1位を記録した「Sweet Melody」の野心的な音作りはネクストレベルと言えるのでは? 

イギリスでは国民的アーティストとしての地位もすっかり確立。スター発掘番組『Little Mix The Search』などというテレビ番組まで作られ、その審査員を務めるなど、日本では想像できないくらいのスーパースターぶりですね。

2021年に入ってからも、参加した「Heartbreak Anthem」(with ギャランティス&デヴィッド・ゲッタ)(3位)や「Kiss My (Uh-Oh)」(with アン・マリー)(10位)など、触れるもの全てが大ヒットと化しているリトル・ミックス。2021年の時点で、なんとイギリスのシングルチャートで累計100週もの間トップ10入りという記録を樹立。女性グループとして初の快挙だそうです。

そのまさに絶頂期と言えるタイミングでつい先日発表された初のベストアルバム『BETWEEN US |ビトウィーン・アス』には、数々の大ヒット曲が全網羅されているのみならず、新曲も多数収録。

輸入デラックス盤大_LittleMix-BetweenUs-Deluxe-Web

なかでもタイトル曲の「Between Us」は、涙無くして聴けない感涙バラード。彼女たちの10年の思いがたっぷり詰め込まれています。ちょっぴり卒業式を思わせる雰囲気もあるので、いまから卒業シーズンのレパートリーに入れておいてはどうでしょう?

今年8月にはレイ・アンが双子を、続いてペリーが男児を出産。

そんなプライベートの変化もあって、2022年4〜5月に予定されているイギリス&アイルランド・ツアーを最後に解散するのでは? といった噂も囁かれている彼女たち。

確かに3人揃っての活動はしばらく難しくなるのかもしれないけれど、これからもリトル・ミックスがホームベースであり続けるのは間違いないはず。

先日メンバー3人とリモートでインタビューを行った際には、10周年を迎えて、トリオとしての結束力がいっそう増しているように思われたし、

「リトル・ミックスは永遠よ」

画像11

という彼女たちの言葉も、とても真摯に響いた。

彼女たち自身もそう信じたい、という気持ちが伝わってくるかのようで、あの美しいハーモニーは、やはり本物の友情の証しだったのだと痛感させられることしきり。

10年目を迎えたリトル・ミックスの輝かしい軌跡をいま一度、このベストアルバム『BETWEEN US |ビトウィーン・アス』でじっくり振り返ってはいかがでしょうか?

**スタッフAのイチ押し動画**
リトル・ミックスは、歌唱力も抜群、ダンスも最高で、キャラも最高!という、稀に見る完成度の高いガールズ・グループですが、やっぱりその中でも、担当として彼女たちの一番の魅力だと感じるのが、歌唱力、特に3人が生み出すハーモニーだと感じます。お互いのことを本当によく理解しているからこそ、生み出されるハーモニーです。特にこのハーモニーと彼女たちの才能が存分に引き出されているのが、アコースティック・ヴァージョンのアレンジで歌われている楽曲だと思います。

特にその中でも、鳥肌が止まらないアレンジのものを幾つかご紹介します。
これを見れば、リトル・ミックスが本当にどれだけ凄いのか一発でわかります!!

★「コンフェティ(アコースティック・ヴァージョン)」
これはもう出だしのハーモニーから、引き込まれますよね。
原曲の「コンフェティ」が、エッジの効いたクールな楽曲だからこそ、このアコギ一本の伴奏のみで、3人が歌い上げるヴァージョンは、楽曲の新たな魅力が伝わるというのもあると思います。途中のペリーの歌い上げも、完璧ですね。

★「タッチ(アコースティック・ヴァージョン)」
この動画は何回見たことか、というぐらいお気に入りなのですが、
レイ・アンの歌い出しで、セクシーな原曲が、一気にエモーショナルなラヴ・ソングへと変化し、歌詞にもある、「あなたに触れられただけで もう私はメロメロ!」という、この感情の高ぶりをサビのハーモニーで素晴らしく表現されていて。強弱の付け方と、息の合わせ方が、本当に秀逸なヴァージョンだと思います!

ベスト盤『ビトウィーン・アス』にはいずれのヴァージョンも収録されているので、是非チェックしてみてください♪

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

★最新リリース

輸入デラックス盤大_LittleMix-BetweenUs-Deluxe-Web

ベスト・アルバム『BETWEEN US |ビトウィーン・アス』


この記事が参加している募集

振り返りnote