見出し画像

私のこれからの人生

私はこれまでとても恵まれた人生を送ってきた

優しい父と明るい母のもとに生まれた
2歳上の姉と、3歳下の弟がいる

「目に悪いから」とどれだけ頼んでもDSやたまごっちなど、私が欲しがっていたものは与えてもらえなかったし
「体に悪いから」とお菓子やアイスなどもあまり多くは買ってもらえなかった

当時はそんな両親を多少恨んだけど、今となってはそういう教育をしてくれた両親に感謝している

それ以外のことは基本なんでもさせてくれた
新体操やピアノ、習字など興味のあることはなんでもさせてもらえた
「お金がないから」という理由で何かを断られたことは一度もない

私が幼い頃から海外に興味を抱いていることを知っていた母は、
私が13歳のとき、オーストラリアでの2週間のホームステイプログラムに参加させてくれた

中学校で吹奏楽部に入ったときは、私の担当楽器であるフルートを買ってくれた

高校は、公立の高校に受かっていたけれど、姉が通っていた私立の高校に憧れていた私がその高校に行きたいと言うと、快く姉と同じ私立の高校に入学させてくれた

毎日お弁当を作ってくれ、弓道部で必要な道具も買ってくれた

大学では初めての一人暮らしで、引っ越しの手伝いや仕送りまでしてくれた

もちろん喧嘩のようなものをしたこともあるし、親の言動で傷ついたこともあるけど、私の親はとことん私のやりたいことを自由にさせてくれたと思う


だから大学生になったある日、友人が私のことを「温室育ち」と言ったときはすごく腑に落ちた
誉め言葉として言われたわけではないと思うけど、
「たしかにそうだよな」と妙に納得した

もちろん人間関係で悩んだこともあるし、辛くて泣いた日もたくさんある。でもそんなことはみんな経験してきていることで

私はお金に困った経験もなければ
誰かに暴力を振るわれたり、信じていた人に裏切られたり
深く傷ついたこともない

優しい家族や友人に恵まれて、やりたいことをのびのびとさせてもらいながら今まで生きてきた

まさに、大事にされて育ったために、世間の苦労を知らず、きたえられていいない「温室育ち」だと思う

だから、19歳のとき、友人に誘われて参加した学生ボランティア団体の派遣でカンボジアに行ったときは、衝撃を受けた

家にトイレがない
電気もない
屋根はあるけど雨が降ったら水が入ってくるほど隙間が空いている
子どもたちは石が転がった道を平気で裸足で歩いている
小学生ほどの子が学校に行かずにお父さんと一緒に働いている

テレビで観たことはあったけれど
いざ目の前でその人たちの暮らしをみると、とてつもないやるせなさを感じた

私は特別良いことをしたわけでもないのに
ただ日本で、今の私の両親のもとに生まれたというだけで
とても恵まれた生活を送ってきた

カンボジアで私が出会った子どもたちは何か悪いことをしたわけでもないのに
ただカンボジアの貧困地域に生まれたというだけで
私から見ると恵まれていない生活を送っている

ただ生まれた場所が違うというだけでどうしてこんなにも生活に差がでるのか
やりたいことの幅が勝手に狭まるのか
単なる生活を送るために多くの人の支援を必要とするのか

もちろんこれは勝手に私が感じた疑問、やるせなさ、憤りであって、
カンボジアの貧困地域で暮らしていても
日本で暮らしている私たちより幸福を感じている人はたくさんいるだろうし特に支援を必要だと考えていない人もいるかもしれない

それでも、私はカンボジアで現地の人々と触れ合いながら過ごすなかで
「私はこれからの人生、恵まれない人たちのために生きたい」と強く思った

それまで学校の先生や助産師、臨床心理士など、憧れを抱いた職業はあったけれど、実際本当になりたいのかはわからずぼんやりと過ごしていた私が、初めてはっきりと自分のやりたいことを感じた瞬間だった

それから学生団体の運営に携わったり、ウクライナ支援のボランティアに参加したりしたが、今はなにもしていない

とりあえず就職し、一年目は与えられた仕事を必死に覚え
二年目に突入しようやく仕事にも慣れ、
もうすぐで二年目も半分を過ぎようとしている今
私は何のために生きているのかわからなくなっている

お金を自分で稼ぐようになって
自分の好きなものを好きなだけ買って
友だちと旅行に行って
家族とごはんを食べて
それだけで十分幸せだけれど
何かが足りないという感覚がずっとある

あのときの
「恵まれない人たちのために生きたい」という感覚、思いがずっと心の底にあって
でもそれに蓋をして違うことをしているから
ずっと心のどこかに違和感があるのだと思う

約一年半、気付かないふりをしてただ現状を生きてきたけれど
さすがにそろそろ、動き出そうと思う
少し勇気はいるけど


これまでとびきり恵まれた人生を送ってきた分、
今度は恵まれない人たちのために生きたい


Think of an idea to change our world and put it into action. /PAY IT FORWARD


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?