【微笑みエッセイ】夏休みはまだ終わらないじゃんと思ってのんびりしていたら、とんでもないことになっちゃった話
フリーズするワタクシ。え待って。聞いてないんですけど。まだノータッチなんですけど。締切明日⁉︎
そろそろ森山直太朗の「夏の終わり」が聴きたい季節になった8月の後半。あなたに会いたくならない代わりに、仕事をしたい気にもならない。
太陽の眼差しはいつまでも衰えることはなく、僕の仕事への意欲もいつまでも戻ることはない。
そんな中、2ヶ月先に行われるイベントの打ち合わせに行くことに。なんの準備もせぬままとりあえず行って、話を聞いてからもろもろ動こうかな、くらいのテンション。早く終わらないかな。
いざ会場に到着。下界よりも体感で5度くらい涼しく、仕事へのモチベーションも5度分くらい回復。
受付にて約束をいただいていた旨を告げ、しばし座して待つ。適度な緊張感が、さらなるモチベーションを与えてくれる。
現れたのは、物腰の柔らかそうなおじさん。よかったー、キレッキレタイプの若者じゃなくて。
訥々と質問をする僕。スラスラと答えを返すおじさん。打ち合わせは澱みなく川の流れのようにサラサラと進み、20分程度で終わる。
うん、じゃこれを元に帰ってみんなで話し合おう。よかった、次にやることがはっきりして。
と、安心したところで最後におじさんから予期せぬ一言が。
「では計画書を本番の2ヶ月前までに提出してください」
え、2ヶ月前…明日じゃん⁉︎
と聞いてフリーズするワタクシ。え待って。聞いてないんですけど。まだノータッチなんですけど。締切明日⁉︎
急いで車に戻り、急いで職場へ。
昔の人はよく言ったものです。「急いては事を仕損じる」
急いていたワタクシ、帰り道を間違えまして。気がつけば帰り道とは全然違う方向へ。
焦れば焦るほど「ここはどこ、私は誰?」状態。心の中は五里霧中。そんなワタシは支離滅裂。
霧の中でも光はあるもので。
うわなんだここ、めっちゃステキな風景。
車はいつの間にかものすごく風光明媚な景色の中をひた走っていました。僕と僕の車が風景に溶け込んでいる。
車中にいながら自然とひとつになっていることに、しばし心を奪われる。
そうだよね、何を焦っていたんだ自分。
自分とやる気を取り戻したワタクシ。安全運転で車を走らせ、無事職場に帰社。
周りの同僚に助けられ、なんとか計画書を仕上げることができるに至った次第です。
誰かに会いたいと思えるくらいの余裕を持って仕事に向かおうと、気付かされた夏の終わりなのでした。
蝉の大合唱が、いつの間にやら鈴虫の囀りに変わっています。
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